第2-1話
無事薬を調達し、先ずエルくんに塗りつけて怒りを鎮めたダバ達はセツラン達と合流していた。
『ふぃ〜。痒くないって幸せー』
『拷問を受けた気分だったよ…』
『食べ物には気を付けまふ』
『ま、治まって何よりだ。じゃあ、出発するぞ!王都アルフレイムへ!!』
『『『「おう!」』』』
村から出発してしばらくした時、リーヴァの不幸が始まる。原因はこの一言。
「ところでアンタ達って誰が一番速く走れるの?」
『『『そりゃ(オレ)(僕)(私)!』』』
『ボクは大っきいからムリー』
ダバ、ペン、セツランが名乗り出た。
『ほほぅ…オレに張り合ってか?』
『今こそ自己PRを』
『本気を出すれふかね』
各々ヤル気だ。
『じゃあ勝負な?ココからあの木まで、でいいか』
ざっと二キロの距離。
『リーヴァ姉さん降ろさなくていいのれふか?』
『ハンデやるよ』
不敵な笑いを浮かべるダバ。
「ちょ、え?乗ったまま?」
ハンデ扱いイコール荷物呼ばわりに怒る暇もなく…
『ゴー!!!』
エルくんの号令によりスタート!!
結果。
ペンちゃんの勝ち。
『シャー!!!!!』
『くっ…ペンちゃん速すぎれふ』
『負けたかー、しゃーねえ。ペンちゃんが速かったな。リーヴァ生きてるか?』
「か、軽く、言うな!!!!無茶苦茶怖いわよ!」
リーヴァは、ダバの背ですっかり倒れ込んでいた。高速で走るダバの背に乗っていたのだ。ヘルメット無し、しがみつくハンドル無しの大型バイクで爆走したと考えるとわかりやすいだろう。
「て、手足が…プルプルしてるわ…」
振り落とされないように手は勿論、足を内股に力を入れダバの胴体にしがみつく。更に速度を上げるために重心を低めにし、身体全身をバネの様に弾き出す。その際、動物特有の上下・前後運動たるや、競馬騎手でも無い限り振り落とされてしまう。落馬しないだけでも大したものだ。
『よし!次は誰が一番高く跳べるかだ!』
「……私降りてもいい?」
『ダメ』
ガックリと肩を落とす相方。ダバ的にはリーヴァを乗せた状態で、自身の身体的負担、能力を確認しておきたかったのだ。渡りに船とはこの事だろう。又、リーヴァにも本気状態でのダバ達の身体能力を確認、経験して貰いたかったのも事実だ。いざと言う時に経験の差が出るからなのだが…
「死ぬ…」
『大丈夫だって。落ちない様に鬣で縛るから』
エルくん程ではないがダバも少しは身体強化を使い、鬣を動かせる様になっていた。エルくんだとキンバーグの干渉のためエロく縛りそうだが、ダバは腰、両足を包み込んだ。
『キツいか?』
「やん、ちょ、どこ触ってんのよ!?変態!!」
『……我慢しろって。次は流石に危ないからさ』
(役得、役得…)
だらしない顔だ。
『よーし、跳んでみ?』
軽い助走からの全力跳躍。今回は高さ、飛距離を競う。無論正確な距離が分かるわけもなく、何となくの審査だ。
『一番ペン、いきます!』
力強い踏み込みからの大跳躍!かなりの飛距離だ。高さは無いが速さのため飛距離が出る。
『二番エル、いくよー』
地雷が炸裂したかの如く、土が跳ね上がる。パワーは間違いなくトップ。そのパワーを使い高くは跳べるが、角度が悪く飛距離は伸びない。なお、着地の際もエグい音が響き渡る模様。
『三番セツラン。いくれふ!』
良くも悪くも尖ることの無い能力値のセツラン。結果もそのまんまだった。高さ、飛距離共に二番手。
『四番、ダバいきます!』
某機動戦士の様な掛け声で走り出す。トップスピードに乗り、後ろ脚に大きく力を込める。轟音と共に高く跳び出す。体感的には4〜5mだろうか?この辺りで上昇感が無くなる。そこで一計。
『スキル【空中散歩】!』
もう一度足場を空中に創り、踏み込む。だが、イメージが弱く、出来損ないの二段ジャンプに終わってしまった。
『うおおおおぉぉおぉ!?』
「いゃあぁああぁあぁああああ!!!」
バランスを崩し自由落下の二人。何とか体制を立て直し四本脚で着地。無論リーヴァは鬣で少し浮かし衝撃を和らげる。
『ふぅーーーっ!ビビった……で、高さどうだった?』
仲間に聞いた瞬間、頭を叩かれる。
「怖すぎるわよ!死ぬかと思ったじゃない!」
『いてーな!衝撃無かっただろ?』
「未完成なスキル使うな!!」
ギャーギャー騒ぐ二人を尻目に仲間達は、
『二段ジャンプ…』『なるほど…』『その発想はなかった』などと口々に自分達も取得に向けて動き出す。
その後もジャンプ大会が行われたのは言うまでもない。
そんな風に遊んでいるうちに、小さな丘の上から大きな森が見えて来る。まだかなり距離があるにもかかわらず、その森は見渡す限り視界を緑一面に染めてくる。
その中心にある大きな大木…
『あれがアルフレイム…』
いや、違う。世界樹の親木。世界の原木とも言える聖樹だ。
「正確に言えば、世界樹の周りの都市がアルフレイムだからね。聖なる樹には名前なんて無いのよ?ただ、全ての亜人族の支え。あの聖樹に私達の心も体も守られてるのよ…」
エルフにとって、いや、全亜人族にとっても掛け替えの無い依代。
それが世界樹。
畏敬の念を抱いて見るリーヴァ。彼女にとっても神聖な物なのだろう。
その頬には感激の一雫が流れる。
そんな感動的なシーンに…
(この〜木なんの木〜♪)
などと昔の定番CMを思い出す罰当たりなダバ。だが、上機嫌なのは確かなのだ。
『よっし!あと少し!今日中に着こうぜ!』
「もちろん♪森の中は安全なはずよ!」
『一気に駆け抜けるれふ!』
『シャー!!!!!』
『やっと着くねー』
亜人族の国アヴァロン
首都アルフレイム
ここから大きな流れが開幕する。
駄作にお付き合い頂き感謝|ω`)
定期更新なんて無理…




