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転生するなら馬でしょ!  作者: 駄馬
3章
47/55

第1-6話

『腹いてー』

「同じく…ぷぷぷっ。こっち見ないでよ」

 二人が腹を痛めたのはセツラン達の顔だ。

 揃いも揃って顔面肥大。蕁麻疹によって腫れまくっていたのだ。


『かゆいーかゆいーかゆいー』

 三頭揃って顔を擦り合わせている。

『あんまり掻くと別の場所でも発症するぞ?』

『『『ンガー!!!』』』

 地団駄を踏んでそこら中に穴を作る。はた迷惑な行為だが、我慢するのは辛いので仕方がない。

『何食ったんだよ?』

 恐らく食べたものからの発症だろう。そのヘンの虫にやられるヤワな奴はいない。

『アレれふかね?』『アレだろ?』『絶対アレだよー』

『アレじゃわかんねえよ。詳しく』


 …どうやら実が熟して落ちていた果物を食べたらしい。表面が黒く熟しており、かなりの甘い香りがしてた様だ。

『リーヴァわかるか?』

「うーん、多分ポポの実じゃないかしら。確信は持てないけどね。かなり甘い香りと味。それと熟すと木から落ちるの」

『危険性は?』

「皮を食べたら被れるって話は聞いたような…。でもまさかここまで酷くなるなんて」

 哀れんだ顔を見せながらも、肩は震えている。笑いをこらえるのに必死だ。

『食あたりって理由か。じゃあそのうち治るの待つか、薬草でも貼る?』

「やめて、お腹痛すぎ」

 顔面肥大に薬草取付。想像しただけで面白すぎる。

 そんな二人を尻目に本人達は、

『ホントに痒いんれふよ!』『ダバ兄にも喰わせてやる!』『イライライライラ…』と、不機嫌。

『どの道、宿に荷物取りに行くからその時に薬ないか聞いてやるよ』

『『『あざーす』』』

 〇軟膏的なやつあるかな?

『で、だ。荷物運ぶの俺だけじゃキツいから、エルくん来てくれるか?』

『こんな顔で良かったらー』

『んー、エルくん鬣伸ばせるか?その毛で顔隠せないか?』

『隠すの?んーーーーん、こんな感じ?』

 わしゃわしゃっと鬣を伸ばし、顔一面を隠す。正直怖い。。。

『う、うん。それでオケ』

『さらに顔が痒ーーーい!早く終わらして薬買って!』

 凄まじい地響きが鳴る。あまりの痒さ故にエルくんが本気で地面を踏みつけた。

 陥没した地面を見て〇王号かよ…とダバは思う。

『オケ、すぐ行こう。リーヴァ、オレの命が危険だ』

「そ、そうね…改めて魔獣だと認識したわ」

 ゴクリと唾を飲み込む。

 軽口で付き合ってはいるがダバ達は歴とした魔獣。ただの馬ではない。変だけど。。。


『厩務員のおねーーさん!仲間が蕁麻疹なんだよ。塗り薬ってある?』

「あら、おかえり♪

 蕁麻疹?……コレは腫れてるねー。ウチには常備薬が有るけど、恐らく足りないわ。薬屋さんで買った方がいいわね…」

 患部の範囲、仲間の数からそう判断した様だ。

「彼女さんは?」

『今、宿の精算中だと…あ、リーヴァ!』

 宿の会計を終わらして厩舎にリーヴァが来た。

「どう?」

『やっぱ薬屋さんで買わなくちゃならない』

「そ、急ぎましょ!」

『早くー、痒すぎて物に当たりそう…』

 どちらかと言えば穏健派のエルくんがキレ始めている…。

『リーヴァ、精算終わったな?薬屋さんの場所わかるか?』

「大丈夫!行きましょ!」

『じゃっ!厩務員さん!急いでるんでまたね!』

「またねー」

 手を振ってくれている厩務員さんを後に、ダバ達は急ぎ薬屋さんを目指す。


 村の大通りにある薬屋さんを探していたのだが…絡まれた。


「そこの人ーー!立派な馬を連れたエルフの方ーー!」

 話しかけてきたのは、昨日セツラン達を草原で見かけたハンター達。

「何よもう!急いでるのに!!」

 若干イラついた感じのリーヴァ。

「あ、スマンな。少し話を聞きたいんだが構わないか?」

「そんな暇無いのよ!じゃね!」

 通り過ぎようとするが…

「ちょ、待ってくれよ!そんなに冷たくしないでくれよ」

 前に回り込み邪魔をしてくる。

「良い?急いでるの!わかる?退いて!!」

 強行突破を図ろうとするが、ハンター達に邪魔をされる。


「いい加減にし…て…?」『この…や、ろう…?』

 思いっ切り凄んで吹っ飛ばしてやろうと、意気込んだのだが、後方から凄まじいプレッシャー。

 同じく、リーヴァが絡まれて助けに行こうとする瞬間に動けなくなったダバ。

 はたまた同じくリーヴァに絡んでいたハンター達も同様に動けない。それどころか大通り一面動きが止まったのだ…。


『痒いって言ってるよね?我慢の限界だよ?』

 そう。プレッシャーの元凶はエルくん。我慢の限界がとうとう超えた!


『ふざけんな!!!!!!!邪魔すんじゃねーよ!!!!!!!!!』

 鬣を伸ばし、目元も隠れていたのに、紅い目が光る!口元からは蒸気の様なものまで出ている。

 凄まじい嘶(いなな)きと共に両前脚を高く上げ、振り下ろす!さながら巨人の一撃(ジャイアントインパクト)!!


『これ以上邪魔するなら当てるぞ?』

 紅い目を光らせながら脅迫するエルくん。

 脅され硬直状態のハンター達の前には、二つの蹄の跡。ただし、凄まじく凹んでいるが…

 尻餅を付き、ガクブルのハンター達はそのまま後退(あとずさ)る。

『早く行こうダバ兄、リーヴァ姉』

『お、おう!』「う、うん!」

 少しスッキリしたのか、いつもの調子で話すエルくん。


 のちにダバは語る

『大人しい奴がキレたらやっぱヤベーわ…』

 一部始終を見ていた村の人は語る

「あの圧力(プレッシャー)はヤバい…黒〇と名付けよう」

 ハンター達は語る

「新たな脅威の発見だ!至急ギルド…に………やっぱやめよう…どれほど被害者が出るかわからん」

 と。


 蕁麻疹から発生したエルくんの世界デビューだった。


第1話終了です|ω`)

書き溜めたら第2話投稿しますね。

ここまで読んで頂き感謝です!

(*`・ω・)ゞ

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