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転生するなら馬でしょ!  作者: 駄馬
3章
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第1-5話

 翌朝…

『結局なんにもなかった…眠い…』

 欠伸をしながら朝ごはんのキューブを食べるダバ。

 傍らには厩務員の女の子が居る。

「え?アンタ寝てないの?」

『少しは寝たよ。でも気になって熟睡は出来なかったよ』

 女将らしき人の言葉でフラグが立ったと勘違いし、夜通し警戒していたのだ。

「呆れた忠誠心ね。そこまでホレたの?」

『そんなんじゃねーけど、やっぱ心配だろ?女性一人だと』

「馬にしとくのは勿体無いね…でも少しはウチの宿を信用して貰いたいな」

 暗に安全性に欠けると捉えられた。

『や、これで安心したよ。また使う時は熟睡出来るよ』

 今日だけかも知れないが、とりあえず安全な宿だと確信できた。この世界の治安もそこまで悪くない。

「その時はよろしくね♪そうなると…また来てもらうために、少しサービスしてあげよっか!」

『ん?サービス?』

 なんスかなんスか!?エロいサービスッスカ?馬にもしてもらえるんスカ?

 wktkなダバを尻目に、女の子はニマニマと笑顔で道具を取りに行く。


「ジャーン!!!」

 ドヤ顔で効果音を口で出しながら、両手に持つのはブラシ。

『毛繕い?エロエロサービスじゃなくて?』

 心底ガッカリな顔をして気落ちするダバ。

「顔がキモい!アンタ馬でしょ!人型になれるなら…ね♪」

 呆れた顔から一転照れ顔。免疫ない男なら堕ちるぞこれ。

『お、おぉ…』

 若干戸惑うダバ。『いやしかし…だが…恥をかかす…』と言い訳をブツブツ言っている。

「ほら、大人しくして。ブラッシングしてあげるから」

 先ずは固めのブラシで表皮の汚れを落とす。少し強めにやっても問題ない。

『あぁ〜気持ちえぇ〜♪』

 だらしない顔になっている。

「手入れされてないわねー。折角の毛並みが勿体無いわよ?」

 ジアンス種は鬣の毛並みが半端なく良いのだ。中でもエルくんはスキルで長さ、強度を調整出来るが、他の馬は基本そのままだ。馬同士の集団では手入れも出来ない。厩務員が言うのは、飼っている馬の事だ。

『リーヴァに頼むかなぁ…それにしてもこんなに気持ちいいなんて』

 まさに至福のマッサージだ。

「それだけ喜んでもらえたら、何よりだわ。さて、仕上げよ!」

 今度は柔らかめのブラシで仕上げていく。不要な体毛は固めのブラシで排除してあり、艶のある体毛を柔らかめのブラシで整える。

「うわっ…凄っ!」

『え?』

 正に黄金色に輝く体毛。以前の栗毛の色より遥かに輝きを増している。その毛色は思わず見とれてしまうほどだ。決してだらしなく出ているアレを見た訳では無い。

「素晴らしい毛色と毛並みだね。惚れ惚れするわ♪」

『ありがと。君のおかげだよ』

 顔を寄せてスリスリしてみる。女の子も嬉しいようで朗らかな時が流れる…が、その空間をぶち壊すかの如く、リーヴァが仁王立ちしていた。


「ほぉ〜、一晩離れただけで浮気ですかこの野郎!」

 鬼の形相のリーヴァ。

『え?いや、違うから、これはなんて言うか…お返し?』

 焦りまくるダバ。

「あ、お客さん。この仔良い馬ですね」

 うっとり顔の女厩務員。火に油を注ぐとはこの事だ。

「こ〜〜〜〜の女ったらしが!!!!」

 リーヴァの右パンチが炸裂!しかもグーパン!

『ごっ!』

 誤解だ!と、言いたかったのだろうが、言い訳も虚しく鉄拳制裁。



「悪かったわよ…ごめん」

 頭を下げるリーヴァ。事情は女厩務員が説明してくれた。

「お客さんも手が速いですね」

 フフッと笑顔を見せる女の子。ダバが殴られた後、手当もしていた。

『ありがとな。助かるよ』

 少し口を切ったようだが、問題はなさそうだ。それにしてもリーヴァの嫉妬?気性は、かなり沸点が低そうだ。以前にも気絶させられた事を思い出す。

(怒らさない様気をつけよう…)

「何よ!?」

『何でもないよ。それより一晩大丈夫…だな』

 会うなりグーパン出来るぐらい元気なのだから、問題ないだろう。

「ふぅー、何もなかったわよ。心配しすぎじゃない?少しは信頼してもらいたいわね」

「そーよねー。ウチの宿ってそんなに不安なのかしら…」

『いや、宿に不安があるって言うか、何かあって後で後悔するのが嫌だからさ……出来ることはしておきたいんだ。人型では無いオレに出来ることって少ないだろ?』

「はぁ〜〜、お客さんにベタ惚れですな〜。妬けまね〜。はいはい。わかりました!邪魔なのは私ね。邪魔者は去りますから後はご自由に♪」

 失礼しましたーとばかりに去って行く厩務員。

「まったく…」

 ブツブツ言いながらも悪い気はしていないリーヴァ。大事にされていると思えば気分もいいものなのだ。

「それにしても、こんなに綺麗な毛色してたのね…確かにこれは勿体無いわ」

 マジマジと鬣と毛色を見る。

『親父達も確か綺麗だったなぁ。どうやって維持してんだろ?』

 馬同士で毛繕いも無いだろうし、謎だ。

『ま、毛並みの事は置いといて、出発の準備は出来たのか?アイツら迎えに行かなきゃな』

「そうね。準備の方は出来てるわ。会計済ましたら出ましょうか。あ、でも荷物が多いか…」

 エルくんが運んでた荷物が多分にある。

『じゃー、先に迎えにいくか?』

「そうね。女将さんに言っている」


 暫くして、ダバ達は村の外へ出ていた。

『そろそろかな?』

 セツラン達を迎えに来たのだが、まだ姿が見えない。

「あ、アレ……なの?」

『ん?…………んんんん???』


 果たして二人が見たものは?

読んで頂き感謝(´・∀・`)

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