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転生するなら馬でしょ!  作者: 駄馬
3章
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第1-4話

 夕暮れが近づき、ダバとリーヴァは宿に戻っていた。

 リーヴァは部屋へ。ダバは馬房で過ごしている。

『豪華な飯ねぇ…』

 ダバの前にあるのは飼い桶に入ったキューブ。何やら色々な草が固められたモノだ。

 最近グルメに目覚め始めたダバにとっては、これじゃない感が酷い。

『肉がよかったのに…』

 無論馬は肉食動物ではない。草食動物だ。だが、雑食性も高く、好き嫌いもあるそうだ。

「贅沢言わないの!」

 世話をしてくれる厩務員(きゅうむいん)の女の子が声を掛けてくる。

『最近焼肉にハマっててさー。出ない?』

「出るわけないでしょ!なんで馬が焼肉を催促するのよ!私が食べたいわよ!」

 呆れた顔の女の子。彼女は見た目は普通の人なのだがここは亜人の国。恐らく人族とは違うのだろう。

『ねぇねぇ。君は何の種族なの?見た目は普通の人族っぽいんだけど』

「私?大まかに言えば狼族かな。人狼族。星の導きによって姿も変わるんだよ?」

『ほー。すごいの来たな!星の導きかぁ、カッコイイね!』

 星の導きによって姿を変えるなんて、ロマンがある。

「そんな良いもんじゃないよ。コントロール効かないし、全員一緒だし、気性荒くなるし、強くなるけど短期間で戻るし…」

 まだブツブツ言っている。どうやらかなり不満がある様だ。

『人狼族、嫌なの?』

「嫌いじゃないよ。本性が出た時はカッコイイしね。でもさ、その時だけじゃご飯食べらんないでしょ?狩りだけで生活出来ないし、働かないとねー。そんな理由で私も働いてるのさ」

『世知辛いねー』

「馬のセリフじゃないわよ。それ。てかアンタも大概変な馬よね。何者?」

『オレはジアンス…』

「それは知ってる。それだけじゃ説明つかない」

 じろりと睨む女の子。変な馬だと怪しまれている。

『それは話せないな』

「そか、仕方ない…ってか私に関係ないか」

 軽く笑って流す女の子。可愛いもんだ。

『わりーな』

「悪いと思うならご飯しっかり食べてよね。残すんじゃないわよ!」

「じゃーねー」と手を振りながら去って行く。


 ポリポリとキューブを食べながらこの世界の事を考える。

(やっぱ中世なのかな?文明レベルは高くなさそうだけど…この国だけかな?人族の国に行けばまた変わるのかな?)

 この村や、リーヴァの里を思い出しても高度な文明は無さそうだ。だが、上下水道が完備されていたり、夜の街灯が篝火ではなく、ランプのような物だったり。料理も多彩な物がありそう。

(なんかバランスが違うんだよなぁ…)

 科学文明と魔法文明との違いが出ているのだろう。進み方に違いがありそうだ。

(ソレはソレで面白そうなんだけどな)

 一人(一頭)ニヤニヤしながら夜の帳は降りてくる。

(一応周囲の警戒はしておくか…)

 フラグが立ったような、立たないような。微睡みながらも、警戒を怠らないダバだった。


 少し時は戻り、視点はセツラン達に行く。

『さっきの連中何れふかね?』

 ハンター達に見られている事に気が付いていたようだ。

『あんまり強そうには見えないから、ほっといていいんじゃね?』

『そんな事よりお腹空いたー。晩ごはんどうするの?』

 食欲優先のエルくん。デカい身体を維持するには大量のカロリーが必須なのだ。

『そうれふね…焼肉食べたいけど、火を起こすのは無理れふし、草かな?』

『そろそろ夜になるしなぁ。夜目を効かせるのは可能だけど』

『果実を探そうよ!』

『今かられふか?』

 夜の森は流石に危険が多い。セツラン達も強いとは言え、多勢に囲まれると厄介な事になり兼ねない。その点、草原ならば機動力を活かして何とでも出来る。

『うん。ダバ兄のクエストだっけ?仕事にも役立つかも知れないし』

 珍しい物を見つけたら、二人の助けになるかも知れないっとエルくんは考えている。

『ふむ。ありかもれふね。でも敵と遭遇したら逃げるれふよ?』

『『りょーかい!』』

 暗くなる中、三頭は森に入っていく。その後悪夢の様な出来事が待っているとはつゆ知らずに…


 時間は戻り、視点はリーヴァに行く。

 ダバと分かれ、リーヴァは一人宿の部屋にいる。

「うーん!疲れたー」と、言いながら背伸びをし、ベッドにダイブ。

(それにしても随分と稼げたわね)

 先の換金率の事を思い出していた。エンテロドンの牙と毛皮、その他薬草類で約十万円…初級クラスの一日の稼ぎとしては破格だろう。

(みんな役に立ってくれてるし…)

 夜の監視や食材集め。旅の安全には持ってこいの仲間達。基本的には馬だから安心感もある。

(ダバには感謝ね。私の目に狂いはなかった)

 感謝の念はあるものの、自画自賛も忘れないのは若さ故んか…。

「さて、温泉もあるって言ってたし、お風呂入ってご飯を食べに行こうっと!!」

 温泉と美味しいご飯。旅行には欠かせない成分である。

「あ、アイツも入りたいって言ってたわね……明日、水浴びでもさせようかな」

 若干扱いが悪そうに見えるが、こんなものである。まだまだ旅は始まったばかり。絆が深まるのはこれからだ。

(何食べよっかなぁ〜♪)

 一人ぼっちの寂しさなど何処吹く風の如く、旅を楽しむリーヴァだった。

読んで頂き感謝<(_ _)>

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