第1-1話
随分間が空いてしまった…|ω・`)
ダバ達【無邪気な尻尾】一行は仲間探しの為、首都アルフレイムを目指していた。
どうせ探すなら人が多く居た方が良いだろうと、単純な考えから方針が決まったのだ。
『誰のパートナーに出会えるかなぁ?』
『僕、キャラ付弱いから欲しい!!』
ぺんちゃんは目立ってないのがお気に召さない様だ。
『ボクも欲しいよね』
鬣をウネウネさせながら、荷物はしっかり背負ってる巨漢のエルくん。
『良い人が居たら、自分もお願いしたいれふ』
割としっかりしているが、頭にキノコを生やしたセツラン。
ちなみにキノコはこの世界の管理者の一人、カビちゃんが宿る場所だ。
「変な馬ばっかり…選択間違えたかな?」
一人ダバに騎乗しているのはエルフ族のリーヴァ。転生者であるダバを面白く思い、共に旅に出る事を決めたのだ。
『変な馬だと?それはオレの教育が間違ってたと言うのか?』
憤りを覚えるのは、メンバー達を教育していたダバ。前世での寿命を終え、この世界で馬に転生したのだ。ついでにスパイをしろとも言われてもいる。
「さて、そんな事よりも大切な事があるのよ」
『なんだ?』と皆が耳を向ける。
「首都で仲間を探すのはいいけど、私達にはお金が無い。旅支度の際に親からある程度は貰ったけど、今後は自立をしなくちゃならない」
『まー、オレ達は馬だからなんとでもなるけどね』
「私が困るのよ!野営ばっかりじゃ生活していけないでしょ?」
『まー、人間はねー。んで?』
「うん。だから首都でお金稼ぐ事が必要。
その為には冒険者ギルドに登録する事。
で、お金の元手として素材を集める。
そのついでに仲間を探す」
『ついでかよ!メインだろうに…
その素材ってなに?』
「薬草か、魔物の素材かな?」
『薬草…オレ達食ってんじゃない?』
『あ、お腹痛いの治るやつ?』
『魔物れふか…』
『肉持っていくのか?腐るんじゃね?』
「んーどうなんだろ?アンタの知恵で何とかならないの?」
『少し前に考えたんだかな。オレには袋に入れる手がない。ので、リーヴァ、お前に託す』
どこまで行ってもダバ達は馬だ。脚はあっても手はない。秘匿性を考えれば、やはり個人認証は外せないのだ。
「託すって?」
『時間停止空間の概念だ』
時間はかかるだろうが、この先必要になると思うし、この際勉強して貰おう!
「アイテムボックスねぇ…」
この日からリーヴァの猛勉強が始まった。勿論細い理屈はダバにも解らないが、イメージさえ何とかなれば、後はマソが補ってくれる世界だ。イメージ構築こそが勉強なのだ。完成は随分先になりそうだが…
『んじゃ、オレとリーヴァは薬草探し。オメーらはセツランをリーダーとして、魔物狩り頼むな』
二手に分かれての採取だ。
『あーい』
荷物は取り敢えず休めそうな岩場の側に置いてある。
〜ダバ、リーヴァside〜
『リーヴァ行くか』
「はーい」
今、リーヴァは下馬し横を歩いている。
『売れそうな薬草は分かるのか?』
「ある程度はね。里でも集めてたし」
『そう言えばエルフだったな。植物に詳しくて当たり前か』
「相変わらず失礼なヤツね。これでも立派なエルフですー!」
フンっと胸をはるが…残念だ。
『悪い悪い。っと、探しついでにアイテムボックスの勉強だ』
「任せなさい!」
と、胸を(ry
『ついでに食べれる山菜も持って帰りたいな』
「そうなの?アンタ達って雑草でいいんじゃないの?」
『同じ食べるなら美味しい方がいいだろ?何となく匂いでわかるんだよ。それになんか効能があれば儲けもんだし』
馬なのにグルメに目覚め始めるダバ。
「まぁ一理あるけど、食べ物で能力上がったりするの?」
『そりゃあ美味しいモノ食べたら元気になるだろ?』
「そんなもんかなぁ?ま、食べて良い結果が出たら言いなさいよ?何かのネタに使えるかもしれないし」
キラーンと目が光る…何処の世界でもお金が絡むと人は怖い。
ちなみにこの世界は円単位だそうだ。わかりやすく変換、互換されている様だ。
「じゃあ、探すわよ!」
『メシの種〜ってな』
意気揚々と森の中を探す二人だった。
〜セツランパーティーside〜
『あ〜、パートナー欲しい…』
切ない叫びを起こすのは、ぺんちゃんだ。
『ししょーは良いなぁ〜。パートナー連れて楽な仕事だし』
『だよねー、ボクも早く背に乗ってくれる女性が欲しー』
きっと乗った人は縛られるだろう…エルくんの事だから。
『確かに欲しいれふよね。次の首都で見つかると良いれふが。出来たら色気のある人が…』
まとめ役のセツランまで欲望丸出し…
『亜人の国だし、獣耳っ娘の可愛い子を見つけるよ!』
『ダークエルフの巨乳S姉様…』
『包容力のある女性…』
三者三様で獲物を探す馬達である。
『獲物発見!イノシシかな?』
『かな?ちょっとデカイか?』
エルくんが発見したのはエンテロドンと言われる野生猪。筋骨隆々の身体、大きな牙が特徴だ。
『アレを殺るれふよ!』
『おけ〜』と気の抜けた返事をして3方向から襲う。
あっさり捕獲しとどめを刺す。
スキルも何も、囲んで物理的に踏むだけで並大抵の生物は殺られるだろう。
それ程までに成長しているのだが、如何せん出会う人が化け物クラス。自信を持つにはまだかかりそうだ。
『さて、どうするコレ?』
『背負うのやだよ?』
『エルくん鬣で引っ張れまふか?』
『うーん、重そうだけど何とかなる…かな?』
セツランの指示でエルくんの鬣が伸び、エンテロドンの脚に絡みつく。
その様子をマジマジと見てぺんちゃんが自爆する。
『エルくんの鬣ってほんとに便利だよね』
『いい様に使われている気がするんだけどー』
『良い個性じゃないれふか』
『どうせ無個性ですよ…』
落ち込むぺんちゃん。ドンマイ…
一頭だけキャラ立ち出来ていないのが気になる様だ。
見た目の毛色は、セツランは鹿毛。エルくんは青毛。ぺんちゃんは白黒のペンギンカラー。見た目だけなら勝っているんだが、セツランにはキノコ。エルくんは鬣操作といった特殊能力?がある。そこがどうしても気になってしまう。
『まー、ぺんちゃんにも何かあるよ。多分』
『多分かい!』
『あると良いれふね。エルくん運べそう?』
割と軽く流すセツラン。
『なんとかなるよー。でも牙邪魔だから折って』
『はいはいー』
口元をセツランが踏み込むと、激しい衝撃と共にポキッと折れる牙。
『じゃーぺんちゃん一つ咥えて?一つは自分咥えるんで』
『あーい』
ぺんちゃんとセツランがそれぞれ牙を咥える。
『んじゃ集合場所に戻るねー』
『『ふぁーい』』
念話なのに口篭る二頭。
ズルズルとエンテロドンを引っ張る巨大な馬と、牙を咥える二頭の馬…はっきり言って怖い。
『……鬣抜けそうだなー。強化しとこ』
『今夜は焼肉かな?』
『体にいい野草取れたのれふかねー?』
当の本人達はピクニック気分だ。




