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転生するなら馬でしょ!  作者: 駄馬
3章
42/55

第1-1話

随分間が空いてしまった…|ω・`)

 ダバ達【無邪気な尻尾】(イノセントテール)一行は仲間探しの為、首都アルフレイムを目指していた。

 どうせ探すなら人が多く居た方が良いだろうと、単純な考えから方針が決まったのだ。


『誰のパートナーに出会えるかなぁ?』

『僕、キャラ付弱いから欲しい!!』

 ぺんちゃんは目立ってないのがお気に召さない様だ。


『ボクも欲しいよね』

 鬣をウネウネさせながら、荷物はしっかり背負ってる巨漢のエルくん。


『良い人が居たら、自分もお願いしたいれふ』

 割としっかりしているが、頭にキノコを生やしたセツラン。

 ちなみにキノコはこの世界の管理者の一人、カビちゃんが宿る場所だ。


「変な馬ばっかり…選択間違えたかな?」

 一人ダバに騎乗しているのはエルフ族のリーヴァ。転生者であるダバを面白く思い、共に旅に出る事を決めたのだ。


『変な馬だと?それはオレの教育が間違ってたと言うのか?』

 憤りを覚えるのは、メンバー達を教育していたダバ。前世での寿命を終え、この世界で馬に転生したのだ。ついでにスパイをしろとも言われてもいる。


「さて、そんな事よりも大切な事があるのよ」

『なんだ?』と皆が耳を向ける。

「首都で仲間を探すのはいいけど、私達にはお金が無い。旅支度の際に親からある程度は貰ったけど、今後は自立をしなくちゃならない」

『まー、オレ達は馬だからなんとでもなるけどね』

「私が困るのよ!野営ばっかりじゃ生活していけないでしょ?」

『まー、人間はねー。んで?』

「うん。だから首都でお金稼ぐ事が必要。

 その為には冒険者ギルドに登録する事。

 で、お金の元手として素材を集める。

 そのついでに仲間を探す」

『ついでかよ!メインだろうに…

 その素材ってなに?』

「薬草か、魔物の素材かな?」

『薬草…オレ達食ってんじゃない?』

『あ、お腹痛いの治るやつ?』

『魔物れふか…』

『肉持っていくのか?腐るんじゃね?』

「んーどうなんだろ?アンタの知恵で何とかならないの?」

『少し前に考えたんだかな。オレには袋に入れる手がない。ので、リーヴァ、お前に託す』

 どこまで行ってもダバ達は馬だ。脚はあっても手はない。秘匿性を考えれば、やはり個人認証は外せないのだ。

「託すって?」

『時間停止空間(アイテムボックス)の概念だ』

 時間はかかるだろうが、この先必要になると思うし、この際勉強して貰おう!

「アイテムボックスねぇ…」

 この日からリーヴァの猛勉強が始まった。勿論細い理屈はダバにも解らないが、イメージさえ何とかなれば、後はマソが補ってくれる世界だ。イメージ構築こそが勉強なのだ。完成は随分先になりそうだが…


『んじゃ、オレとリーヴァは薬草探し。オメーらはセツランをリーダーとして、魔物狩り頼むな』

 二手に分かれての採取だ。

『あーい』

 荷物は取り敢えず休めそうな岩場の側に置いてある。


 〜ダバ、リーヴァside〜

『リーヴァ行くか』

「はーい」

 今、リーヴァは下馬し横を歩いている。

『売れそうな薬草は分かるのか?』

「ある程度はね。里でも集めてたし」

『そう言えばエルフだったな。植物に詳しくて当たり前か』

「相変わらず失礼なヤツね。これでも立派なエルフですー!」

 フンっと胸をはるが…残念だ。

『悪い悪い。っと、探しついでにアイテムボックスの勉強だ』

「任せなさい!」

 と、胸を(ry


『ついでに食べれる山菜も持って帰りたいな』

「そうなの?アンタ達って雑草でいいんじゃないの?」

『同じ食べるなら美味しい方がいいだろ?何となく匂いでわかるんだよ。それになんか効能があれば儲けもんだし』

 馬なのにグルメに目覚め始めるダバ。

「まぁ一理あるけど、食べ物で能力上がったりするの?」

『そりゃあ美味しいモノ食べたら元気になるだろ?』

「そんなもんかなぁ?ま、食べて良い結果が出たら言いなさいよ?何かのネタに使えるかもしれないし」

 キラーンと目が光る…何処の世界でもお金が絡むと人は怖い。

 ちなみにこの世界は円単位だそうだ。わかりやすく変換、互換されている様だ。


「じゃあ、探すわよ!」

『メシの種〜ってな』

 意気揚々と森の中を探す二人だった。



 〜セツランパーティーside〜

『あ〜、パートナー欲しい…』

 切ない叫びを起こすのは、ぺんちゃんだ。

『ししょーは良いなぁ〜。パートナー連れて楽な仕事だし』

『だよねー、ボクも早く背に乗ってくれる女性が欲しー』

 きっと乗った人は縛られるだろう…エルくんの事だから。

『確かに欲しいれふよね。次の首都で見つかると良いれふが。出来たら色気のある人が…』

 まとめ役のセツランまで欲望丸出し…

『亜人の国だし、獣耳っ娘の可愛い子を見つけるよ!』

『ダークエルフの巨乳S姉様…』

『包容力のある女性…』

 三者三様で獲物を探す馬達である。


『獲物発見!イノシシかな?』

『かな?ちょっとデカイか?』

 エルくんが発見したのはエンテロドンと言われる野生猪。筋骨隆々の身体、大きな牙が特徴だ。

『アレを殺るれふよ!』

『おけ〜』と気の抜けた返事をして3方向から襲う。

 あっさり捕獲しとどめを刺す。

 スキルも何も、囲んで物理的に踏むだけで並大抵の生物は殺られるだろう。

 それ程までに成長しているのだが、如何せん出会う人が化け物クラス。自信を持つにはまだかかりそうだ。


『さて、どうするコレ?』

『背負うのやだよ?』

『エルくん鬣で引っ張れまふか?』

『うーん、重そうだけど何とかなる…かな?』

 セツランの指示でエルくんの鬣が伸び、エンテロドンの脚に絡みつく。

 その様子をマジマジと見てぺんちゃんが自爆する。

『エルくんの鬣ってほんとに便利だよね』

『いい様に使われている気がするんだけどー』

『良い個性じゃないれふか』

『どうせ無個性ですよ…』

 落ち込むぺんちゃん。ドンマイ…

 一頭だけキャラ立ち出来ていないのが気になる様だ。

 見た目の毛色は、セツランは鹿毛。エルくんは青毛。ぺんちゃんは白黒のペンギンカラー。見た目だけなら勝っているんだが、セツランにはキノコ。エルくんは鬣操作といった特殊能力?がある。そこがどうしても気になってしまう。

『まー、ぺんちゃんにも何かあるよ。多分』

『多分かい!』

『あると良いれふね。エルくん運べそう?』

 割と軽く流すセツラン。

『なんとかなるよー。でも牙邪魔だから折って』

『はいはいー』

 口元をセツランが踏み込むと、激しい衝撃と共にポキッと折れる牙。

『じゃーぺんちゃん一つ咥えて?一つは自分咥えるんで』

『あーい』

 ぺんちゃんとセツランがそれぞれ牙を咥える。

『んじゃ集合場所に戻るねー』

『『ふぁーい』』

 念話なのに口篭る二頭。

 ズルズルとエンテロドンを引っ張る巨大な馬と、牙を咥える二頭の馬…はっきり言って怖い。

『……鬣抜けそうだなー。強化しとこ』

『今夜は焼肉かな?』

『体にいい野草取れたのれふかねー?』


 当の本人達はピクニック気分だ。

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