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転生するなら馬でしょ!  作者: 駄馬
2章
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幕間その3

 その頃あの世では…


「D田中さんはいますか?」

 転生庁にやって来たのはチャチャだ。

「居りますが…」

「なんです?」

「最近田中さんの様子がおかしいんです…」

「ふむ…おかしいのは以前からですが、まぁ会って確認しますかね」

 担当の鬼に案内され、D田中の元に行く。


「D田中さん、元気にしてましかた?」

「あぁ、これはチャチャさん。いつもご迷惑をかけて申し訳ない」

「…誰ですか貴方」

 若干引き気味のチャチャ。

「私はD田中ですよ?何も変わってません」

「……まぁ良いでしょう。それで、ダバさんから何か有益な情報得られましたか?」

 訝しげな表情をするが、すぐに消し仕事モードに移る。

「そうですね…では、最近の情報を伝えます」

 ………

 ……

 …

「ふむ、オークの襲撃とエルフの里ですか…他には?」

「何も(・・)…ありません」

 ジロリとチャチャの鋭い目がD田中を睨む。

「仕事はされている様ですね。

 それから貴方ご自身には?何かありましたか?」

「最近良く言われますが、真面目に仕事をこなしてるだけですよ。少し似合わないのですかね」

 自嘲気味に笑う。

「これは失礼。こなして頂けるなら文句はありません。今後も継続して調査をお願いします。

 では、私はこれで失礼しますよ」

「わかりました。お疲れ様です」


 その場を後にし転生庁を出るチャチャ。

「怪しすぎますね。絶対何か企んでます…

 草、居ますか?」

「ハッ!ここに」

 陰から出てくるのは、これぞ忍び!と言った出で立ちの鬼。

「しばらくD田中を見張って下さい。何かあれば報告を」

「ハッ」

「嫌な予感しかしません…」

 表面上は真面目に仕事をこなしているのだが、如何せん以前の印象とまるで違うので怪しすぎるのだ。


 一方、疑いの目で見られたD田中は…

 書類と向き合いひたすら無表情だった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 もうひとつのあの世にて…

「おやびん!!!ヤバいっす!!!」

 カビちゃんが焦りながら上司のおやびんに報告する。太った鳥だが。焼き鳥にしたら脂だらけだろう…


「どうした?カビちゃんが焦るのは珍しいな」

「バンドーの生霊がダバさんの仲間に接触したっす!!」

「なんだと!!!?」

 椅子の上で立ち上がり、焦った表情のおやびん。鳥が焦ってもよく分からんが…

「バンドーだと!?なんで今更!?カビちゃん詳しく報告してくれ…」

 青い太った鳥のおやびんが更に青くなる…

 バンドーの名はそれ程の影響力があったのだ。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 場所は変わり、ここは人の国|エルドラド(黄金郷)、首都のアウルム。

 その中でも一際人の集まる一角があり、海千山千の商人達が集まる市場がある。その名を一期一会。その市場を纏める会長が居る。

 名をカサキ。客は彼のことを愛称を込めてポンコツと呼ぶ。


「ポンコツー、今日の特売品はどこが安い?」

「にくー!肉をくれ!」

「イチゴ安いんだろ?市場名に合わせてイチゴ一円か?」

「ヘビイチゴは無いのか?お供えに使いたいんだが」

「今日はギャンブルやらねぇの?」

 ポンコツと呼ばれるカサキ。本人は何とも思っておらず、愛称として受け入れていた。

「フッ、今日のオレは、昨日のポンコツとは違うぜ!さっき競馬で大穴当てたんだぞ!!!!

 オレんとこの店に来い!安くしてやらァ!!」

 それを聞き、地元の客は、

「よっしゃあああああ!言質取ったぞ!!ポンコツん所に集合だ!」

「あ、程々に頼む…」

 我に返ると途端に弱気になるポンコツこと、カサキ。

「補填足りるかなぁ…ま、また馬券当てりゃ良いか!?」

 どこまでも前向きなサカキ。不思議と店は傾かず、そんな彼の元には多数の客と商人達が集まる。

 人の集まる所には、情報も集まり、金も集まる。

 その全てを把握していくカサキ。民間企業の顔役になりつつあるのだ。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「最近の布教はどうなの?」

「はい、コンロン、エルドラドを含めリミ様の名は浸透しつつあります」

 ここは宗教の国、コンロン。その中でも最大宗派でもある神の子達(エンジェルチルドレン)。

 各地に孤児院を建て、子供を保護し教えを施す。

 そのトップ、生き神様、女神様と呼ばれるのがリミ。

 その右手とされるシン。


「ダメよ、もっともっと拡げて!信徒を増やして、この国を私が変えなくちゃならないのよ!」

「ですがリミ様。この国は各宗教派閥が治める土地。無理をすれば闘いになりかねませんよ?」

「報われない子供たちはまだまだ居る。囲…いえ、助けなくちゃ!」

「本音出ましたね?まったく…女神様がショタなんて、バレたらどうするんですか…」

「うるさいわね!そう言うシン君も小さい子好きじゃない!」

「私はホントに助けたいんです!一緒にしないで欲しいです!」

 リミは少しアレだが、シンはまだまともな様だ。

「ホントかしら?貴方が教えてる子達、随分美形だと思うけど?」

「将来を見越して教えてるんです。矢面に立つ人は、美形の方が良いに決まってるでしょ?所詮人は顔しか見ないし…大人女性怖いし…」

 コンプレックスでもあるのか、どうもシンは美形に対して思う所があるようだ。アレか?一度キツく振られたか?


「どうでもいいけど、勢力は伸ばさないとね。あの方の指示でもあるし…」

「解ってますよ。人界の活動はオナスさんに任せます。魔王国方面と、亜人国方面をどうするかなんですよね…」

「エルフ良いわよねー。ずっと若いし!!!!」

「そこ?まぁ、若い時間が長いって話ですからね。猫人族、犬人族辺りも忘れちゃダメですけど、宗教国家と仲悪いからなぁ…少し当たってみるか」

 光悦顔のリミとは逆に思案顔のシン。


 どの世界でも管理職は大変な様だ…

読んで頂き感謝<(_ _)>

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