第4-1話
オーク襲来から明けた朝…と言うか昼。
朝帰りから寝始めたヴィヴィアンの里の討伐隊と【真紅の遊戯団】はまだお休み中だ。
一方、ダバ達無邪気な尻尾は変態紳士ことエランの庭先で寝ていた。
馬四頭が寄り添い寝ている…そんなほのぼのした家に来客だ。
「失礼します。先生は居られますか?」
少し切れ目な、冷たい目をした男。
そんな男が変態紳士を先生と呼ぶ…
「朝っぱらから誰だ?ってもう昼かな?
ーーん?…お?…おお!?ハナンガじゃないか!」
「先生、ご無沙汰しております。ただ今戻りました」
「良く戻ったな!長旅で疲れたろう。家で休むといい」
「はい。ありがとうございます…ですが、ひとつ聞きたいのですが、庭の馬達は何なのです?」
チラッと庭先を見て話す。
「あぁ、なんと言うか…仲間だな。詳しい事は中で話そうか」
そう言ってハナンガを家に招待するエラン。
その二人を薄目を開けてみていたダバ。
(エランさんの弟子かな?)
(ふぁ〜〜もう一眠りするかな…)
お昼の微睡みの中、再び寝落ちする…
……それから少し時は流れ、昼過ぎの頃。
『んぁ〜〜〜〜、そろそろ起きるかな。お腹も空いたし』
ゆっくり立ち上がるダバ。戦いの疲れも抜け、食欲が増してきたようだ。
『ん〜〜〜〜〜〜!』
『お腹すいたねー』
『もう昼過ぎですか』
伸びをしつつ起き上がる仲間達。
『腹減ったなぁ。どうしよっか?』
『なにがー?』
『草も飽きたし、森に入ってなんか探す?それかリーヴァか、デルタにたかりに行くか』
恩着せがましくご飯をたかる算段だ。だが、妥当な所だろう。馬故に物欲、地位欲等は薄い。あるのは食欲が一番強いのだ。
『そだねー。肉食べたいなぁ』
エルくんグルメに目覚めたか?
『自分はどちらでも良いれふ』
『僕も肉食べたい!』
『おし、んじゃ街?街…でいいか。
街に繰り出すか!』
方針が決まり動き出す。
『エランさーん、街に出るわー』
「ん?おー、起きたのか。中心街か?行ってら」
窓から顔を出し答えるエラン。
「あ、帰ったら人を紹介するから」
『あいさー。いってきまーす』
いつの間にか帰る家になっていた。
中心街に繰り出す無邪気な尻尾達。待ち受けていたのは村人達からの賞賛だ。
「おーい、頑張ってくれたんだって?ありがとな!」
「活躍したらしいな!凄いぞ!食え!」
「見たかったわ!はいどうぞ!」
「逞しい身体してるものね…コレ食べてもっと立派になって!」
お褒めの声と共に出てくるのは餌。残念ながら馬だけにニンジン多めだ。
『どもども。当たり前の事ですよ!』
『ダバ兄、何これ?』
困惑気味の仲間達。
『ヴィヴィアンの人達の気持ちだよ。有り難く頂こう!』
『食べて良いれふか?』
『もち!』
『『『いただきまーす!!!!』』』
たかりに行く必要無かったな、と思いながら食べ始める。
「お!英雄達だ。これも食べな!」
「私も持ってくる!ちょっと待っててね」
ドンドン増えてくる食べ物。だが悲しいかな生だ。
『ごめん、生野菜もいいけど、この里の料理も食べたいな』
ちゃっかりリクエストのダバ。
「なんだ、料理が食べたいのか!わかった、持って来てやる」
『やったね!』
人の良さそうなエルフが応えてくれた。
じゃあ私も私もと離れて行き、何やら持ってくる様だ。
『来るまでどっさりサラダを食べとくか。前菜だな』
『ダバさん、エルフの料理って何れふかね?』
『やっぱ森の恵みがメインじゃないかなぁ。山菜、キノコ、木の実じゃね?』
淡白な料理が予想される。
『そうなの?肉ー』
エルくんすっかり肉食に。オークの肉が相当気に入った様だ。
『僕は野菜でいいけどね』
ぺんちゃんは意外とノーマル?の様子。
「馬がなにグルメ気取ってんのよ」
『出たなリーヴァ!』
「人を魔物みたいに言わないでよ!」
『なぁリーヴァ、エルフの名物料理ってなんだ?』
「スルーなの?まぁいいわ。名物料理ねぇ…
基本ベースはやっぱり森由来の物よ。木の実やベリー、キノコ、ハーブは良く食べるわ。
湖の恵みである魚介類もたまに食べるわよ。あとは、狩りに出ての肉類。魔物は基本食べないけど野生動物は頂くわ」
『わりと豊富なんだな。淡白な料理かと思えば多種多様っぽい』
「あ、お菓子あるわよ!口開けて!」
ニヤリとしたリーヴァ。なんか怪しいが…
『?…おぅ』
『ボクもー』
『自分も欲しいれふ』
『え、じゃあ僕にも』
四頭が口を開けて待つ。なにこの調教度合い。
「…四頭並ぶと若干キモいわね。ほら!」
腰布から取り出したお菓子をポイッとダバ達の口の中に投げ込む。
『んぐっ!しょっぺえ!!』
『塩っぱい!』
『不味!』
『美味!』
あれ?一頭おかしい
「今あげたのはサルミッキって飴よ。少し塩っぱいけど、病みつきになるわ」
リーヴァもパクッとひとつ食べる。
『サルミッキ?お菓子じゃねーよ。なんだこれ?』
「失礼ね!もうあげないから!ぺんちゃんもう一個食べる?」
『うん!』
ぺんちゃん味覚大丈夫なのか?
「待たせたな!料理持ってきたぞ」
ズラリと並んだ料理!テーブルじゃなくて残念だが芝生の上にテーブルクロスを引いてくれている。気が利くな。
『おお〜〜!美味そうだ!』×四頭
並んだ料理は、彩り豊かなドライフルーツを乗せたケーキや、ピザ、シチュー、肉の串焼き、煮込み料理、スペアリブ、ステーキなどなど盛りだくさん。
『こんなに沢山良いの?』
「私が頼んだんだよ」
顔を見せたのは族長デルタ。その傍らにはモッキー。
『おーい、ダバ。昨日はお疲れだったの!』
『お、モッキー。お疲れー。一緒に食べようぜ』
「私はスルーですか…ダバさん、私の扱い悪くないですか?」
『勝負挑んでくる人怖いですもん。それよか宴会しましょ!!!』
『『『賛成!!!』』』
『だの!面倒な奴はほっといて食べるかの!』
「誰の財布から出すと思ってるんですか……
ま、里に被害が無かったこと考えたら安いものですね!やりましょう!!」
潔く支払いを決めたデルタ。流石里のトップだ。
「ヒャッハー!飲むぜ!」
「起きてすぐに飲むんですか?」
「宴会や〜!!」
「頂こう」
どこからともなく参加する【真紅の遊戯団】の面々。
『おお!クレナイさん!飲もーぜ!』
「ダバさんいけるの?馬なのに」
『牛でも飲めるんだ。馬もイける!取り敢えずワインや!』
ぎゃはは!と宴会スタート!
乾杯の音頭もなく只ひたすら騒ぐ。
昨日の不安を取り除くが如く……
読んで頂き感謝です。|ω`)




