第2-3話
森の中を慎重に進む。すると前方の大木の元に大量の灯りが見える。
『モッキー…アレヤバクネ?』
『かなりの。思ってたより数が多い、本隊かの…』
チッ!と舌打ちのモッキー。どうするかの思案をしている時、
『……あれって』
ぺんちゃんが気付く。
大木の上部、枝の部分に人影が見える。
『んー?二人?一人?』
『二人かなー?』
『二人れふね』
二つの人影が大木の枝で動いている。どうも登ってこられないように応戦してる様だ。
『顔までは…判別できないか。助けたいが…』
多勢に無勢。大凡三十〜四十体のオーク。中にはリーダー格の者や、その上の上位種らしき者まで見受けられる。体躯が違い、デカい。基本種は百五十センチ程だが上位種は二メートルに届くサイズだ。
『さて、どうするかの…』
流石のモッキーも悩む。
『行かないのー?』
エルくんが軽く聞く。
『数が違うからなぁ…』
慎重気味のダバ。
『あれがリーヴァだったら?』
『即凸』
単純明快。
『カッカッカッ!わかり易いの。ならば突っ込むか!』
『良いのか?』
『なに、構わんさ。人影はワシが助けに行く。今度はお主達が陽動じゃ。但し、全力での。出来るんじゃろ?』
『多分、問題なく』
状態異常を与えるスキルが二つ。倒し切るのは難しくても、陽動なら割と簡単だ。
『作戦はどうするのじゃ?』
『んーと』
ごにょごにょ…と概要を説明する。
『よし、わかった。ワシはあとから行く。散々掻き乱しておくようにの!』
『あいよ!』
〜人影奪還作戦〜
『陣形は偃月タイプで行くぞ。あくまで撹乱が目的だからな。無用な戦闘は避けよう』
配置は、エル、ダバ、ペンペン、セツランの1-1-2だ。
『上にいるのがリーヴァだったら?』
『助けたいが無茶はしない。モッキーに任せる。使うスキルは理解したな?』
『『おけ!』』
『よし!行こう!』
『『『アイサー!』』』
『『『『スキル【瞬脚】!!』』』』
陣形を組み、一斉に瞬脚。瞬時にトップスピードへ移行。さらに…
『スキル【金剛】』
体毛強化し防御力を上げるエルくん。
『突撃!』
エルくんの巨体が敵集団にぶちかます!
オーク共が叫び声のようなものを上げるが、気にせず突進する。
『ぺんちゃん行け!』
注目を集めた所で出番です。
『お待ちかね♪スキル【ペンギンフラッシュ】!』
なんと!飛び上がりながらのスキル使用。さながら照明弾の様だ。
オーク共の叫び声が悲鳴に変わる。大方のオークは目をやられたようだ。
『セツラン畳かけろ!』
『はいなー、スキル【胞子拡散】!』
タイプはもちろん麻痺毒。状態異常コンボ炸裂である。
『なんだかんだで便利なスキルだな。っと、集団を抜けたかな?エルくん、抜けたら反転して。そこで代わるから』
『はーい』
突撃を行い、集団土手っ腹をぶち抜いたダバ達。抜けたら反転し、再び加速を行う。
『おし、チェンジ!』
エルくんと先頭を代わりダバが前立つ。
『スキル【探求者】タイプ【帯電】』
放電せずに帯電したまま突っ込む感じにしてみた。上手く行けば触れたら痺れるはず。
結果……帯電させる必要無かったです。吹っ飛んで悶絶してる奴らが殆どだ。
『むぅー。意味無いやん…』
『あはは、仕方ないねー』
エルくんと走りながら話す。
『ぺんちゃん人影まだ見える?』
『んーと、見えないかな?モッキーが助けたかも』
『んじゃ抜けるか!』
そのまま突撃しつつ集団を抜ける。後ろは悶絶地獄。大量の豚ヅラが身悶えしている…萌えないな。警戒してたリーダー格も悶えていた。見掛けだけかよ!警戒して損した気分だ。
少し森の中に入りモッキーを探す。
『モッキー、いるか?』
索敵のため菱形陣形で探す。
『おーい、こっちじゃ!』
『みんないたよ!こっちー』
ぺんちゃんが見つけ、他を呼ぶ。
『モッキー、人影はどうだった?』
『うむ。エルフを二人確保した。ほれ、二人ともこっちに来るのじゃ』
現れたのはそっくりな顔のエルフ。双子かな?
「モッキー、この馬達は?」
『お主らを助けるために戦ってくれたんじゃ。お礼を言うといいの』
「そか!ありがとう!お馬さん達!」
一人の子が寄ってくる。安全だと知りじゃれてきた。
『気にするな。それよりリーヴァを見なかったか?』
「姉さん知ってるの!?」
もう一人が応える。
『姉さん?あいつの弟?妹?』
顔が美形過ぎてどっちかわからん。エランならどっちもイケるんだろうな…
「ボクはオルヴイッキ。オルって呼んで。ちなみに男だよ」
「わたしはパルヴイッキ。パルって呼んでね。可愛い女の子です」
双子の弟妹か。見た目は十二〜四歳辺りか?中学生っぽい。あれ?リーヴァもあんまり見た目変わらんよな?年の差があまり無いのかも。
しかし、どいつもこいつも美形ばっかりだな。そりゃオークに襲われるなと勝手に納得。
『で、オルとパル。姉さんは?』
「そうだ!姉さんと父さん、他数名はまだ奥にいると思うんだ!。アイツらが本隊じゃないんだよ!」
『なんじゃと!?まだおるのか!?』
「モッキー、そうなのよ!早く里の人連れてきて!じゃないと…」
思ってたより大部隊な様だ。最初に接敵したのが小隊だとしたら、さっきのが中隊。本隊の大隊がいるな。他にも小隊、中隊が分かれているかもしれない。
『オル、さっき囲まれてたけど最初からあれだけの数がいたのか?』
「いや、合流した感じかな?知らない内に増えてたもん」
と、なると。中隊は無く、大隊から小隊の索敵部隊と見ていいか…。
『モッキーどうする?オレ的にはオルかパルを連れてきて先に進みたい。ただ、里に連絡もしなくてはならないから、ここで分かれるのがベストだと思う』
『うむ。そうじゃな。恐らく本隊は百体を超えそうじゃ。里だけの防衛力ではちと厳しいかの。援軍を呼ぶにしてもデルタの判断じゃの…
よし、ワシとパルは一旦下がる。討伐隊と合流を目指す。お主らは進め。但し、無茶はしてくれるなよ?』
『わかってるって。旅に出ていきなり死にたくないしさ』
オーク程度ならなんとかなると思うが…数の暴力は身に染みている。
『ならいいがの。パル、ワシの背に乗りなさい……お主達、人を乗せたことは?』
『『『『ない!』』』』
ドーンと未体験を告白。
初めてはこだわりたいよねーとどうでもいい事を話合う連中。
『はぁ…大丈夫かの?とりあえず行ってこい!そこでなんとかしろ』
あ、投げた。
『うっし!リーヴァ奪還作戦行くぞ!』
攫われてません。
「姉さん以外にもいるからね!」
『ついでにモブも』
「何だよもぶって!!緊急事態なんだよ!?」
『仕方ないからオル。オレの背に乗ってしがみつけ。落ちたらまず間違いなく死ぬからな。そんときゃ事故で済ますから』
「扱い悪くね?パル代わってよ!」
「やーよ」
半ベソをかきながらダバにしがみつくオル。当のダバはいい気がしない。
『なんで最初が子供なんだよー。柔らかくないよー。オル、絶対漏らすなよ?』
「もっ、漏らすか!バカ!」
『んじゃ気合入れてけよ?男見せろよ?』
「あ、うん」
『行くぞ!オメーら!』
闇の森(見えてるけど)を進むダバ達。目的はもうすぐだ!
読んでいただき感謝です|ω`)




