第1-4話
「なにすんだよ!?」
『なんすんだじゃねぇ!!ワシが連れてきた客に対して何してくれてんのや!!!』
モッキーブチ切れ。圧力全開のデルタに対して蹴り飛ばすのだから、モッキーもかなりの強さだと思われる。
『あ、あのーモッキーさん?口調が…』
『おぅ、ダバちょっと待っとれ。コイツ、シバキ回してから詫び入れるからの』
「なんでお前が出てくんだよ!ダバの力量図ってたとこなのに!」
一人と一頭が激しく言い争う。更になんだなんだ?と、周りの人も集まってくる。
「なんだ、またあの二人か。今日も平和だな」
そう他のエルフが呟く。どうもここでは日常茶飯事な事のようだ。
『ダバさん。ちょっとこっち来てくらはい』
セツランがダバを呼ぶ。
『……うん』
騒動の中心部にいてるけど、部外者になったし、今のうちに移動しセツランの元に行く。
『ふぅ…なに?』
『いや、人ってあんなに強いのれふか?』
『どうなんだろね?違うと思いたいわ』
大人がみんな強くて少しビビったかもしれない。アルハ、ブエナ、デルタ、モッキー…出会う大人が強すぎる。ヘタレな大人も居たが数に入ってない。印象の問題だ。
『けど、アレが普通ならオレ達ヤバいね…』
『だね…』
旅立ちが不安だらけになって来た…
しばらくしたら二人が落ち着いたようで、こちらにやって来る。
『お主らすまんかったな。ほら、詫びいれんかい!』
「……ごめん」
顔に爪で引っ掻かかれた痕が残る…残念ダンディーになってしまっている。更に、どうも上下関係が逆転した様だ。
『や、実害ないんで…』
『あかん!こういう事はきっちりしとかんと!』
『モッキーさん、口調が…』
『おお、スマンな。興奮すると口調が変わってしまっての』
「チッ!お節介犬が…」
『あ?』
モッキーさん…怖いっす。ダバの陰に隠れて震える三頭。
『ま…まぁまぁ、気持ちは受け取りましたから』
『そうか?なら良いけどのぅ…っと、本題に進もうか。人探しだったの?』
『あ、はい。リーヴァって娘です。デルタさん、知ってますか?』
「……ああ。知ってる」
『ホントですか!良かった〜。以前に知り合って、今回会いに来たんです』
「そうか…モッキー。リトヴァの子供だ。案内できるか?」
『む?そうだったか。そこならわかるぞ』
「頼む、私は疲れた…」
『バカが。休んでろ。行くぞ、ダバ』
『あ、はい。デルタさん、ありがとうございます』
良いよーと手を振りながら家に入るデルタ。モッキーとのやり取りで相当疲れた様だ。
『改めてスマンな。あんな奴じゃないんだが、親父殿の名を聞いて興奮した様だ』
『親父?』
『うむ。アルハとデルタはパートナーでの。ここら一帯で厄介事が合ったら、協力して対応してての、お互い認め合った仲なのじゃ』
『それで息子のオレ達に…』
『まぁ、彼奴也に歓迎しておるのだろうが…如何せん強くなると脳筋になるからの』
はたまた迷惑な話だ。限度を知れって事だ。
『困った話だな…これも親父の言ってた弊害の一つか?』
『なんじゃ?弊害とは?』
『いや…』
アルハが以前暴れていて、人族から駆逐対処になってた事を話す。また、ジアンス自体が同様に見られている可能性も…
『ふむ…考えすぎ…とは言えんかもな。お主は兎も角、後ろのデカいのはなぁ…間違われても仕方ないかものぅ』
エルくんを見て話すモッキー。体躯、毛色は良く似ている。中身は…
『ま、成るようにしかならないんで。その辺は気楽に行きますよ』
『そうじゃな。ワシも出来ることがあったら手伝うさかいの』
『ん。ありがとなモッキー』
『さて、もう間もなく着くはずなんだがの…』
一行はリーヴァ宅を目指し歩いている。
『さっき言ってたリトヴァって親の名前?』
『うむ。狩猟で生活している奴じゃ。娘の名前までは知らんかったがの』
どんな人だろ?と思いながらモッキーに付いていく。
『お、アレじゃの』
少し大きめのログハウス風の家屋。古臭さを感じさせない落ち着いた色合い。北欧の針葉樹林の中にありそうな感じである。
『はぁ…良いなぁ』
前世の記憶ではコンクリートで作られた家が多いので、木の暖かみのある風合いには憧れがある。
『変なやつじゃの。馬小屋でも欲しいのか?』
カッカッカッと笑う。
『縛り付けんな。縛られるのはゴメンだよ』
フフッと返す。
「人の家の玄関前で何やってんのさ?」
大人の女性が出て来た。
『おう。エレオノーラ、客人だぞ』
『初めまして。ダバと言います。以前リーヴァさんと知り合いまして、この度挨拶に来ました。ご在宅でしょうか?』
『あら、あなたがダバね。娘から聞いてますよ。言ってた通りしっかり話せるのね。私は母のエレオノーラよ』
母親…美形で若すぎ!さっきのデルタが3~40代ならエレオノーラは20代前半。単に若いのか?例のエルフ長寿説のせいなのか?どのみち女性に年齢聞くのは地雷だ。
『綺麗な母親でびっくりしましたよ。リーヴァさんと良く似てますね』
「お世辞が上手い子ね。で、リーヴァに会いに来たんでしょ?でもあの子、お父さんと一緒に森に入ってるのよね」
『あちゃー、そうですかぁ……帰りはいつ頃になるか分かりますか?』
「遅くはならないと思うんだけどねぇ…ゴメンねぇ」
『いえ、急に来たコチラが悪いんで。お気になさらないでください。帰ってこられるまで、仲間と一緒に里を見学してます。一応伝えてもらえますか?』
「えぇ。構わないわよ。じゃ、また後で」
『はい、失礼します』
リーヴァの家を後にし、ブラつく一行。
『さて、どうすっかな?』
『なんか食べ物でも探す?』
ちょっと退屈気味のぺんちゃん。
『じゃあ、エランのトコに行くかの?』
例のHENTAIさんだ。
『行く!』
これは外せない。何か甘くて危険な香りがするからだ。今、会わないと後悔する気がする!そんな確信があった。
『お、おお…随分食いつくの。では、行くかの』
この世界にもHENTAI紳士がいるのか?その謎が今から解ける…
読んで頂き感謝です|ω`)




