第1-2話
世界樹(仮)に近づいていくと森が整備されている事に気が付く。やはりエルフだなーと感心していると、見られている気配がする。警戒されている?
『ブエナさん…』
『大丈夫』
さすがわかってらっしゃる。
『エルフの里の者よ。我が名はブエナ。里に入る許可を』
上空に向けて話しかけるブエナさん。何気に使ってたけど念話に指向性ってあったんだ。と、今更気がついた。
『承知した。そのまま進んでくれ』
エルフらしき者から返答があり進む一行。
『エルフの里ってどんなのかなぁ…』
『エロフもいるのかな?』
『ダークエロフがいて欲しいれふ』
『エルフに巨乳はムリだろうねー』
既に無茶苦茶な会話になってる…建造物が気になるんだが、ほかの連中は下にアクセル全開だ。
『ほら、進む』
ブエナさんが居なくなると、絞め役が居なくなって大変な予感しかない。脱線しまくりだろう。
少し進むと入り口らしき木々のアーチ状の通りが出てきた。
『色々凝ってるなー』
観光気分で物見遊山。正に異世界楽しんでます!
アーチを抜けるとそこは幻想的な世界…
中央部に世界樹(仮)があり、その周りには行政執行機関と思われる荘厳な建物。なんか空気が違う真面目な感じだ。そこから円周状に拡がる木造建築で造られた家屋。強いて言うならログハウス?
なんと言うか…蜘蛛の巣みたいな感じで里が造られている。
『おぉぉぉ…ここがエルフの里か!高そうな建築技術。良い仕事してるなぁ…かっけぇ!』
素人にも解るぐらいオサレな建物群。転生してからまともな建造物を見てない(無かった)から尚更だ。
『む?第一村人発見!取材行くぞ!』
こらえ切れず取材に向かうダバ。
『すいませーん。お姉さん、少しお話いいですか?』
(うお!?めっちゃ綺麗や!)
「あら?あなたが話してるの?」
『急にすいません、お姉さん。ボク初めてココに来たんで、気分が高揚しちゃって』
(やば!美人過ぎる!!)
『あらあら、うふふ。お姉さんだなんて。しかも念話までしっかり喋れて。あなたいい子ね』
今話しかけてるのは、恐らく20代の女性。スタイルはスラットしていて引き締まった感じがある。所謂モデル体型。容姿は流石エルフと言えるくらい容姿端麗、一笑千金、光彩奪目。ペンギンフラッシュ必要無いくらい眩しい!
尚、服装は割とピッチリとフィットしてる様だ…ご馳走様です。自然の中で暮らすのだから、枝などに引っかからないよう心掛けているのだろう(憶測)。
(エルフやべえ!)
『それであなたは何を聞きたいの?』
『はっ!?あまりの美しさに気が飛んでました』
お世辞を忘れないダバ。
『うふふ…面白い子。それで?』
『失礼しました。ココはエルフの里で間違いありませんか?』
『ええ、エルフの里“ヴィヴィアン”よ』
『ヴィヴィアン?名があるって事は、エルフの里は一つではないのですか?』
『そうよ。ここだけでは無いわ。他にもエレイン、二ヴィアン。エルフの首都“アルフレイム”も有るわよ』
『はぁ〜。色々あるんですね。是非訪れたいです!それともう一ついいですか?』
『なぁに?』
『あの大木は世界樹ですか?』
巨木を見上げる。
『うーん、合ってるけど違うわね。あの木は世界樹の子供。親木はアルフレイムにあるのよ。その子供って事なの』
『え?増やしたんですか?んーと…挿し木?接ぎ木?』
『良く知ってるね。でも違うわ。根分けよ。随分昔にこの地に移植されて育ったのよ。ご先祖様たちの献身があって、今の雄大な気になったのよ』
『はぁ…幾代を経て今に至る…か』
遥か彼方から連なる自然の力にただ圧倒される。
『……あなたほんとに馬なの?』
(やべ!?話しすぎた!)
『聞きたいこと教えて下さって、ありがとうございます!綺麗なお姉さん。またどこかで会いましょ!』
『はぁ』
煙に巻く様に一目散に逃げ出す。
(喋りすぎるとボロが出るなぁ)
馬糞の事ではない。やはり饒舌過ぎるのであろう。
仲間の元に戻り、今後の事を話し合う。
『さて、ブエナさんとはここでお別れだね』
『そうだな。誰に会うかわかってるな?』
『はい!そして、今までありがとうございました!』
『『『あざっした!』』』
『元気でな』
『めいいっぱい楽しんで生きます!』
『うん。それでいい。じゃあな、私はアルハの元に行く』
『お元気で!いずれまた!』
ブエナさんが去って行く。一番お世話になった人(馬)だ。あの人(馬)に恥じない生き方をしよう。
『よし!これからはオレ達だけだ。頼れる大人がいないから、しっかりやるぞ!』
『『『おお!』』』
『先ず村長のデルタさんに会いに行こう!』
『どこにいるの?』
『……どこだろ?』
前途多難の旅の幕開けだ。
読んで頂き感謝です|ω`)




