『第十都市ラーガ』
p44、第十都市ラーガ
■概要
第十都市ラーガ、別名雷神都市。都市のどこかに雷神がおり、雷神がいる場所では常に落雷が起こっている。雷神の正体を知る者は少ない。
一説には、雷神とはダンジョン領域から逸脱したモンスターではないかという考察もある。実際、第十都市の始まりは異世界歴2156年。工場地帯があった場所に、突如莫大な放電現象が起こった。以来落雷が起こり続け、やがて魔法の誕生によって電気に適応した者が、都市を築いた。始まりの時期、魔法はなく、ダンジョン領域はあった。現象の説明に最も最適なのがダンジョン産モンスターである。
第十都市は電気により発展した都市であり、降り注ぐ電雷をエネルギーに利用し、様々な機械や技術を動かしている。
第十都市には五大建造物がある。五大建造物の内部には雷神側近五柱が眠っており、五つの建造物全ては五柱の意思によって動いている。
なぜか第十都市には、謎の化け物が出現する。バクと名付けられたそれは、電気を喰らうために暴れる。バクは化け物のような容姿が多いが、ヒト型もいる。
警護は主に電気騎士団が行う。
■歴史
〈2150年〉工場地帯があったが、エネルギー不足により稼働停止の危機にあった。
〈2156年〉莫大な放電現象の発生。それに伴い全ての工場は完全に停止した。
〈2331年〉ラーガ家が現在の第十都市ラーガを築く。ラーガ家は独自に電気魔法を編み出しており、それをもとに電気エネルギーの資源都市として活性化させていく。
〈2400年〉電気エネルギー開発により、都市全域で様々な電気製品技術が向上。大衆に電気製品が広まり、魔法を持っていない人々から大きな需要を得た。
〈2500年〉異世界からアサ族と呼ばれる種族が来訪する。アサ族は頭にアンテナの機能を持つ耳と腰からコンセントの機能を持つ尻尾を有する。空気中からパルス原子を取り込むことで電気を蓄積する。
この時期からバクの目撃がされるようになった。
〈2610年〉バクによる被害が多くなったことで、自警団が数々結成される。
〈2700年〉複数の自警団が集結し、新たに電気騎士団となって治安の維持を行う。
〈2820年〉「バクは電気騎士団により産み出された」というデマ情報が流れたことで、解放軍が結成される。以降、デマを信じた解放軍と電気騎士団は度々衝突する。
〈2877年〉第一次落雷戦争が勃発。電気騎士団に潜入していた解放軍の面々が電気騎士団拠点に密かに落雷装置を設置。拠点に数多の落雷が落ちたことで大きな被害が出る中、解放軍が突撃したことで大戦が勃発。双方実験中の新兵器を用いたことで多数の死者を出し、双方のトップが相討ちになったことで終戦となった。
〈2880年〉第二次落雷戦争勃発。電気騎士団が解放軍へ宣戦布告し、拠点へ乗り込む。事前に潜入させていた兵士が落雷装置によって落雷を降らせ、被害を与え、優勢のまま終結させた。この戦いで解放軍の多くが捕まった。
■産業
第十都市は電気産業と電気機器の生産を行っている。この都市では日々落雷が起こっているため、それらを貯蔵し、各地へ輸出している。また落雷現象によって土地全域が帯電しており、電気を放出する木「電樹」や帯電する湖「電湖」などもあり、電気が枯渇することはないと考えられる。
それに伴い電気機器の製作者が集い、電気機器の最発展場所である。それらの輸出も頻繁に行っている。魔法社会となりつつあるこの世界で、魔法の才能のない者の救いともなっている。
特産物としては、電気を纏う花「電花」や雷を呼ぶ花「雷花」、痺れるキノコ「イナズマッシュ」や感電水、ゴールデンパラライズカブトムシ、帯電生物の肉などが挙げられる。
■五大建造物
【雷霆学園】
日々形状が変化する学園。巨大な学校であり、3000人を超える学生が通っても広々としている。常に学校内の構造は変化し、階段の位置や数、部屋の広さや場所、道の変化やデザインの変更などが起こっている。故に、生徒や教師の行方不明が後を絶たない。
学園にはいくつもの機械が守衛のように徘徊や監視をしており、様々な事態に対し問題の解決・処理等を行っている。
【終点鉄道】
日々形状が変化する鉄道。第十都市の全域に鉄道は敷かれており、時々鉄道の位置が変化する。事故が起こった際も迅速に形状変形し、新規ルートを構築する。
【絶命監獄】
日々形状が変化する監獄。囚人を収容するための施設であり、これまで誰も脱獄できなかったほど異常な堅牢さを持つ。入ったら終焉の監獄。
【崩壊遊園地】
都市最大のアミューズメント施設。様々なアトラクションが展開され、日々ラインナップも変わる。遊園地全域が意思を持ったように形状変形し、また事故も起こらない安定性を誇る。
【王冠宮殿】
この都市の王が君臨する王宮。白い大理石を主として構成され、常に宮殿内を機械が巡回している。この宮殿から都市内全域に雷を降らせることも可能。
■電気騎士団
電気騎士団は都市最大の戦闘組織であり、様々な脅威から都市を守っている。現在の団員は千人ほどであり、階級は上から「騎士王」「四雷剣」「隊長」「副隊長」「騎士」となっている。
【歴代騎士】
●アンジェナイト
十三代目騎士王。主な武器は「浮鸞剣」。
自分の意思のままに動かせる剣と、百メートルの絶壁を駆け上がる身体能力でバクを圧倒してきた。稲妻よりも速く動くレベル6バク「影縫」を瞬殺した実力者。未知のバク「堕天」により命を落とした。
●鎮守キララ
十八代目騎士王。主な武器は「二丁雷草」。
彼女の吸うタバコの吐息は電気を纏い、吐く息の勢いで電気は様々な形状になる。針状や霧状の電気吐息でバクを倒す。
●宇佐美ウサギ
かつての四雷剣の一人。主な武器は「パルスサウンドプレイヤー」。
彼女の持つ音楽プレイヤーは聞くことによって身体能力を著しく向上させる。圧倒的な脚力と膂力でバクを打ち倒す。
●肉達磨
かつての一番隊隊長。主な武器は「マグネットロープ」。
彼の持つロープは電気に強くくっつく性質を持つため、バクにくっつけてそのまま怪力で投げ技を行っていた。どれほどバクが巨大であろうと彼の筋肉によって振り回される。
●眼後リン
かつての五番隊騎士。主な武器は「支給型スタンガン」。
彼は目立たない一般の騎士だった。しかし彼には絶命監獄に囚われた仲間の救出という目的があった。監獄周辺の警備システムにアクセスし、全てのシステムを切断。その後バクを呼び寄せ、監獄周辺に混沌を作る。その上解放軍全勢力を導入して監獄へ急襲。あと一歩のところまで追い詰めたものの、当時の騎士王の到着によって事態は収束した。
眼後リンはアサ族という噂があるが、事件後消息不明となっている。
■雷神技術
雷神都市では、電気の充実性故に電気をエネルギーにした武器や道具がいくつも発明されている。それら雷神都市原産の技術は雷神技術と呼ばれている。
●雷霆召喚
雷を呼び込む技術。雷雲に向けると、わずかな電気が上空へ向かう。あらかじめ電気で道を作ると、その道通りに雷が降る。
●糸雷編み
電気を糸状にして固形化させる技術。それにより固形化糸電気を編んで服を作ったり、縄を作れる。
●浮雷度
周辺の物体に電気を飛ばし、強力な磁気を引き起こし、磁気を用いて周囲の物体を操る。
●螺電
電気を螺旋状で放出する技術。電気を二本の線にし、二重螺旋構造や三重螺旋構造で放出する技術まで進歩している。
●一角
肉体から電気を突起状に隆起させる技術。
●泡雷
電気を泡状にして放出する技術。
●雷創技術デルタクス
電気を特定の形状に維持する技術。剣や槍、人など様々な形状にできる。脳波の信号によって創造する。
●散雷技術バレイリバー
触れた電気を飛散させる技術。
●蓄電技術アサラギ
偉大なる研究者朝裸木によって発明された蓄電技術。電気を二重螺旋状にして電気メモリーチップへ保存する手法。
■バク
バクとは、電気を司るアサ族が死後転じる姿。死後は自我を喪失し、ただ電気を食らうために暴れ続ける。
バクの行動目標は電気であり、電気が多く密集している場所に引き寄せられる。だがバクは個体によっては高度な知性を持ち、電気を手に入れるために迂回するような例もある。奇襲などを警戒し、逃亡を図ることもある。
■バク脅威度
バクは体内貯蔵電気量に応じて脅威度を算出される。バクは電気量が少なくとも知性などによって強い場合もあるため、あくまでも電気を放出した際の被害規模の目安。レベル6以上の出現は稀。
【レベル10】星に甚大な被害を与える。
【レベル9】都市を消滅させる。
【レベル8】都市に大きな被害をもたらす。
【レベル7】街を消滅させる。
【レベル6】街に大きな被害をもたらす。
【レベル5】複数の建物を破壊する。
【レベル4】建物を破壊する。
【レベル3】複数人を感電死させる。
【レベル2】人一人を感電死させる。
【レベル1】微弱な電気。人を麻痺させる程度。
■過去に出現したバク
●デスナイト
レベル6指定バク。
ヒト型のバクで、かつてアンジェナイトが身につけていた装備を一式身につけている。神出鬼没で未だ討伐には至らず。
●イナズマザウルス
レベル5指定バク。討伐済み。
20メートルほどの巨体を持つバク。口から大砲のように電気を放つ。
●バーサーカー
レベル5指定バク。討伐済み。
人牛型のバク。3メートル超の巨体で突進を仕掛けてくる。腕の一振で電磁波が広範囲に飛散する。
●ライデンソード
レベル5指定バク。討伐済み。
首から上が剣のバク。
●雷鳥
レベル4指定バク。討伐済み。
全身から常に放電している鳥型のバク。
●電樹ラ
レベル3指定バク。討伐済み。
一見この都市に生えている電樹に見えるが、実際はバク。奇襲や隠密を得意とする。
■過去の事件
【VS雷切】
レベル3指定バク「雷切」。電気貯蔵量は少ないが、高い知能と類い稀なる剣術を持ち合わせている。これまで多くの者が討伐に望んだが、ことごとく敗北している。
だがそのバクの性質上、刀を持った者の前にのみ現れ、必ず礼儀正しくお辞儀をするところから戦闘は始まる。それを利用し、電気騎士団は主力を動員し、刀の腕が立つ者を街の中心に待機させた。雷切は出現し、刀による死闘が始まる。直後建物内に潜んでいた兵士が銃などにより援護するが、全て見切られる。雷切は建物を剣術により破壊し、包囲網を崩壊させ、剣士一人の命を奪って姿を消した。
後に雷切の死骸が発見されるが、現場には数多の太刀傷があった。推測によると、たった一人の剣士が雷切を仕留めた。
【スカイウォーカー撃墜の夜】
超上空へロケットを飛ばす実験が行われた。そのため莫大な電気を使用したロケットを完成させ、上空へ飛翔させた。ロケットは軌道に乗り、上手く飛んでいた。だが雲の切れ間へ突入した瞬間、一匹の龍が現れ、ロケットを撃墜させた。その後龍は落下し、研究所を破壊し、多くの使者を出した。
その後も何度かロケットを飛ばす実験が行われたが、ことごとく龍に打ち落とされた。以来、この龍は「堕天」と命名された。上空にしか出現しないため、電気量も計測不能。脅威度も不明。
【舞鶴研究所爆発事件】
当時バクについて研究を行っていた舞鶴ヒヨリという研究者がいた。彼女はバクの真相に近づきつつあったが、ある朝感電死した状態で見つかった。その後舞鶴ヒヨリが経営していた研究所全てで爆発事故が起こった。舞鶴研究所には電気武器を持ち込めないため、犯人がどのようにして舞鶴ヒヨリを感電死させたかは不明。そのため、事故死と片付けられた。
〉p45、第十一都市ウィザード




