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(軽度に)呉越同舟な部活風景

「……」

 シャンシャンシャン♪

「フルコンボ!」

 ライブまで後二週間だというのにウチのバカどもは緊張感もなく新しくリリースされたばかりのアイドルマスターsideMに夢中になっている。

「ネミは……あんスタ派だけどアイマスMも捨てがたいね……」

「なはは♪(子音) PSvita版アイマス太鼓の達人も捨てがいたよ♪」

「タッチの判定の甘さならミリオンライブがいいな……」(スズメ)

「いやいや……いささか甘すぎますね。デレステ程度がちょうどいいですよ」(龍子)

「ダンスダンスエボリューションもいいわよ……家庭版のシートを敷くやつ」(マオ)

 頭が痛い……

「みんな好き勝手やってますねぇ……」(渋い声の犬養)

「お前ら、練習はどうした……練習は?」

「うん?(マオが振り返る) ちょっと休憩よ休憩。放課後からずっと練習してたんだから少しくらい休んだっていいでしょう……」

「それよりも玄斗くん……放課後からかなり席を外してたけどなにしたの?」(スズメ)

「ネミ……無責任嫌い……遊んでたというなら……左手の人差し指折っちゃう」(ネミ)

「ちゃんと仕事してたんだよ……(犬養を見る)説明頼む」

「お任せあれ……」

 懐から巻物を取り出し犬養の精錬された相貌が微笑まれる。

「それではこの三十分間に起きた悲劇をお聞かせしましょう……麟道キキと亀梨玄斗との愛と欲望に満ちたどろどろとした昼ドラを」



 三十分前・生徒会室(なか)

「亀梨玄斗くん……私の愛人になりなさい♪」

「なんだよ……麟道りんどうキキ?」

「なんだよじゃないよ……(呆れる)話は聞いてるよ。星字学院のアイドル部とアイドルバトルと星字学院の生徒たちを集う宣伝活動をしてるようだね?」

「それがなにか……?」

「ルール違反」

「ル、ルール違反?」

「君は根本から集客数の意味を勘違いしている」

「勘違い?」

「今回のライブで争点になってるのは「アイドル部の部費を他の部に回すべきか」であって「集客数を上げればいい」じゃないんだよ」

「そ、そうだな……」

「じゃあ、聞くけど星字学院で集客数を上げたとしてそれは獣字学院(ウチ)の力といえる?」

「……」(だんだんわかってきた)

「他人のふんどしで相撲を取るような部に部費を恵むことはできない」

「……」(言い返せない)

「だから今回の出来事は完ぺきにレギュレーション違反。その責任として……(ニッコリ)亀梨玄斗くん、この麟道キキの愛人として麟道玄斗(りんどうくろと)と名乗りなさい!」

「断固断る!」

「アイドル部の部費削減決定!」

「ごめんなさい!」(土下座)

「今日から亀梨玄斗改め真麟道玄斗しんりんどうくろとと名乗りなさい!」

「オレはどこからのライダーか?」

「名前、似てるからねぇ。(扇子を扇ぐ)まぁ冗談はさておき……」

「冗談に聞こえなかったぞ」

「今回の君のやったことハッキリ言って卑劣狡猾残忍無念敗北」

「最後当たりオレ個人をそのままさしてるよな」

「その件で私なりにフォローしておいたよ……はい、これ申請書」

「申請書? ソフトボール部と卓球部、柔道部の審査員協力を要請?」

「今回の件で部費を回したいこの三部にアイドル部の協力を申し付けて協力を要請する。それで今回の反則は見逃してあげる。ただし一つでも審査員を断られればライブはその場で中止。アイドル部は部費の削減及び一部の権利はく奪。そして亀梨玄斗はこれから麟道玄斗と名乗ること。いいわね」

「名前を変えるのは絶対に嫌だ」

「……はぁ」

「呆れたように溜息を吐くな!」

「二人ともイチャイチャしないでください。私、少し寂しいです」(犬養)

「あ、ああ……イチャついてねぇよ」

「えぇ~~……私と玄斗くんってラブラブじゃ♪」

「今回のライブ、思い付きで行動した亀のせいで行われるかどうかもわからない状態になってしまったわけですからそのために今注目されてる三部に審査員として協力してもらい、そしてその三部に審査員として高い評価を得る必要があるってことですね」(犬養)

「さすが忠犬♪(ニパァ♪) どこぞの亀と大違い」

「オマエら、オレのこと嫌いだろう……」

「じゃあ、改めて話を要約するとアイドル部は「上記の三部に審査員協力とその三部に高い評価を得てさらに星字学院に勝つこと」それが今後のアイドル部の活動を続けるための絶対条件ね?」

「……了解」

「承りました」



 現在。

「ということです」(犬養)

「……」(マオ)

「……」(スズメ)

「……」(龍子)

「……」(ネミ)

「……」(子音)

「皆さん、亀梨の行動に呆れた顔をしてますね」(犬養)

「……」(玄斗)

「ねぇ、玄斗……」

「な、なんだマオ?」

「……アンタ、私たちの努力を無駄にしたいの? それとも協力したいの?」

「さっきまでスマホゲームで夢中になっていたやつが言うか?」

「でもさぁ……その三部の協力って難しいと思うよ。だってライブが行われなければ自動的に部費は自分たちに回るんだもん」(スズメ)

「私なら協力せずにそのまま無視しますね……そっちのほうが楽です」

「ネミ……ちょっとイラっとしてる」

「ナハハ……楽しくなってきたね♪」

「まぁ、とりあえず……龍子。三部の協力を申し出るため、オマエ、付き合え」

「えぇ~~……付き合えって。私が玄斗くんの奥さん(正妻)♪」

「ふざけたこと言ってないで行くぞ」

「え……?」(手を握られる)

「行くぞ!」

「う、うん……」

 部室を出ていく。

「……」(マオ)

「……」(スズメ)

「……」(ネミ)

「ナハハ♪」(子音)

「「「「犬養!」」」」

「愚痴くらいたくさん聞いてあげますよ♪」

 部室の中から聞こえる怒鳴り声にオレは気にせず龍子の手を引っ張っていく。

 なんというか本を読んでるとそのまま創作意欲が高まるから不思議です。

 最近私が読んでいるミステリー小説などキャラクターがよくって楽しいです。

 やっぱり、読んで書いて考える。

 それが本当に楽しいですよね!

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