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不死の国のアリス  作者: 幽幻乃 紫
第三章「森」

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十一話「不思議」

??「おはよう!目覚める時間だよ」

女性の声がした。


アリスの目は覚めない。

でも、意識はあった。


とても奇妙な感覚だった。


寝ているのに、意識があり。

意識があるのに、寝ている。


夢なのか? 現実なのか?

死んでいるのか。

生きているのか。


アリスには、わからない。


??「おはよう!目覚める時間だよ」

また、女性の声。


「ここは何?死んだの?」

「あなたは、誰?」


アリスは、矢継ぎ早に言葉を思い浮かべた。


「うーん、どこだろうね」

女はあいまいな答えを言った。


さらに、女は続けた。


「わたしは、だれ?それとも……なんだろうね?」


「アリス、わたしはあなたを知っているよ」


「とっても不思議で、可笑しな存在なの」


「それと、館から運ぶの大変だったから、感謝してね」


「……案外、簡単だったけれど」

女は独り言のようにつぶやいた。


「時間って不思議よね、いらない時に長くて、欲しいときに短いの」


「ごめんね、ドレス汚かったから、捨てちゃった」


「あなたは、死んで、生き返る。何度も」

「痛いけど、頑張ってね」


「また、その時にお話ししようね。またね。」


少し間をおいて、女は、


「あ、忘れてた。探すの青・・・」


アリスは意識を取り戻した。


巨木に寄りかかるように座っていた。


アリスは、さきほどの体験を思い返していた。


「夢?空想?

女の声は、どこか聞き覚えのある声だった。」


「それに、館はどこ?」


アリスは辺りを見た。

不気味な館の痕跡はどこにもない。


木々が生い茂る、森の中にいた。


腕の血色がいい。


「あれだけ、血を抜かれたのに、なんで?」


体を眺めたアリスは、さらに目を丸くした。


服が違う。


白のブラウスに父からもらった首飾り。

鮮やかな青いジャケットとスカートを身につけていた。

靴と革製の鞄は木と同じで、深みのある茶色だった。


まるで着せ替え人形のように、綺麗に着飾られていた。


心地よい風が吹き、

結われた髪がやさしく揺れた。


アリスは首飾りを触って、少し落ち着きを取り戻した。


空を見上げた、アリス。


木漏れ日を浴び、

アリスの瞳に青い光が戻った。


アリスは勢いよく立ち上がった。

そして、軽く飛び上がった。


服も靴も、アリスに馴染み、動きやすい。


「この世界も美しい。」

アリスはそう呟き、


森の奥へ歩き出した。


その表情は、


夢を描いた少女のような、


笑顔だった。


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