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第40話 宙に舞ったルービックキューブの行方

39話なのですが、書き上げたデータが消えてしまって、もう仕方なく40話を投稿しました。

39話は「空白の一話」としてください。

じきに投稿します

何はともあれ、無事に元の時代に帰ってくることができた。

帰ったと思ったらウラが「お母さんのこと忘れてた!」といい、ウラはリリーとアルだけを連れてルフランの花を摘みに行った。

ウラは勝手に結婚した俺とカヤエを許していないようで、俺たちを連れて行くのは嫌だと言った。かといって二人だけを残すのも気が引けたらしく、アヤメを監視官として置いて行ったのだった。

そして俺達は仕方なく家に帰ったのだが。

「…あの、アヤメ?」

じーっと俺の顔を見つめているアヤメが気になってさっきから散らかった部屋の掃除ができない。

「……なに?」

「それこっちのセリフ…さっきからずっと見てるけど何か顔についてる?」

「……変なことしないか、監視してる」

どうやらウラに言われたことをしっかりと忠実に守っているようだ。

忠実すぎてなんか変な方向にいってる気がするのは俺だけか。

「大丈夫だって。変なことなんてしないから。ずっと監視してたら疲れるだろう?」

床に散らばっているジグソーパズルを完成に近づけながら俺は言った。部屋の片付けをしているつもりが、ジグソーパズルを見つけ、遊んでいる始末になった。

「……つかれない」

なんだその無尽蔵のスタミナを持ってますよアピールは。疲れないはずがない。

…とはいえ、2時間くらい正座で俺をみているのは事実。どうやら疲れないのは本当なのだろう。

「あれ…このピース…」

変な形のピースを手に取り、少し悩む。この一つ飛び出た形がキーのはず。

むむむ、と悩んでいるとそれに見兼ねたのか、アヤメがそのピースをスッと取り、そのままパズルのほうへ並べた。綺麗にそのピースがはまる。

「おおー! すごい! ああ、なるほど…そういうことだったか…」

俺はそのピースがはまった理由に感動しながら何回も頷いた。

「……うれしい?」

「ん? ああ。ピースがはまると嬉しいぞ。やってみるか?」

そう言うとアヤメはこくりと頷いた。俺はその場を少しどいて、アヤメに席を譲った。アヤメはチラチラと俺の様子を伺いながら、散らばっているピースと、少し完成しているピースを眺める。

一つ手に取ったと思えばそれをそのまま迷いなくはめる。

「え、すご…」

もしかして偶然なのだろうか。俺は少し疑いながらアヤメを見ていると、またアヤメの手はピースを掴み、はめる。そのピースはまた綺麗にはまる。今度は間も無くピースを掴み、はめ、また掴み、はめていく。

まるで元々の答えを暗記しているかのように次々とはめられていくピース達を俺はただ呆然と眺めたのだった。

数分後、ジグソーパズルは綺麗に完成した。

「こんな特技があったなんてな…」

「……たのしい」

アヤメはボソっと呟き、少し微笑んだ。

「い、今笑ったか!?」

俺がそう言うと「笑う?」と俺のほうを向き、首を傾げた。その顔はいつものように無表情だった。

もしかすると、こういうことをしていけばいずれは豊かな表情を見せてくれるのではないだろうか。

俺は淡い期待を持ちつつ、片付けたはずのダンボールを取り出し、ルービックキューブを持ち出した。

「これを、こうして…」

10分くらいかけてルービックキューブの一面を揃えた。

「こうして、全面をそれぞれ一色にしていくんだ」

俺はそうしてルービックキューブをアヤメに渡すと、アヤメはしばらくクルクルと手元で回していた。まるで色の配置でも覚えているかのようだ。

しばらくすると、いきなりルービックキューブを動かし始めた。かなりゆっくりではあるが、一定の早さを保っている。その手には迷いはなく、サッサッと揃えていく。一面揃えたと思ったらすぐに揃えたのを崩し、二面を揃える。かと思えばまた崩し、三面がそろう。

こうして、見事全面が揃った。

「すごい…」

目の前で全面が揃うところを初めて見た。

「あ、もしかして…」

俺は揃えてあったルービックキューブをまたぐちゃぐちゃにして、それを持って部屋を出て、カヤエがいる一階へと向かった。

「カヤエ、少しやって欲しいことがあるんだけど」

「なんでしょう?」

リビングで何か分厚い本を読んでいたカヤエはバンッと本を閉じて俺のほうを向いた。

「このルービックキューブの色を全面揃えられる?」

カヤエはルービックキューブを手に取り、少し悩む様子を見せる。やっぱりカヤエといえど全面は厳しいのか。

「なるほど、簡単です。私の力を持ってすれば十九秒で揃えられます」

「じゅ、十九秒っ?!」

俺の後ろでアヤメが拍手をする音が聞こえた。カヤエは、ふっと笑い、立ち上がる。

「では、まず私から離れてもらえますか?危険ですので」

危険?まさかそんなに高速で??

俺はアヤメとともにカヤエから離れた。カヤエがそれを確認すると、ルービックキューブを宙に放り投げる。

「はぁぁッ!!」

カヤエの威勢のいい叫びが聞こえたと思ったら、カヤエは剣を抜き、ルービックキューブを瞬時に粉々に切り刻む。

「リカバリーッ!」

そして魔法の呪文を唱え、粉々にされたはずのルービックキューブは元の姿に戻った。全面、色が揃えられて…。

ルービックキューブは宙を舞ったまま俺の手元にストンと落ちた。

「十六秒でしたか」

ふぅ、と息を吐き、椅子に座った。

「…なんか、違う」

なんだろうこの違和感。何かが違う。ルービックキューブはこんな遊びじゃない…。

「しかし、揃えろと言われたので揃えたまでなのですが」

確かにルールや遊び方は説明してないけど、そんな揃え方しないだろ普通!

「…ま、まあ…いいや」

アヤメは全面揃えられたルービックキューブを見て、カヤエに拍手を贈ったのだった

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