↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
37/40

第38話ヤとンとデとレの特性が失われた。

あけましておめでとうございます!

今年も愛読お願いします。

「ですから、あなたは正式に私の夫というわけです」

手につけた指輪を眺めながらもう一度言った。

「こ、これ…いや、え、はぁあ?!」

おかしいぞ!結婚という設定は確かにある。あるけどもそれはあくまで「結婚してください」という言葉のみで、外国語とか意味のわからない言葉とかじゃ通用しないはずだぞ。

「は、外せ! その指輪を…」

指輪を外し、渡した本人に返せばそれは離婚となる。結婚なんてしたくない。

「残念ながら、この指輪は一度結婚の際に使うと、どちらかが死ぬまで外れないようになっています」

残念ながらとかいっとておきながら顔からかなり笑みがこぼれている。

「そ…んな…」

このゲームでは結婚をしていると、起こせないイベントが多々に存在する。つまりそれらのイベントが全てできなくなるということだ。

「でしたら一つ、方法があります」

「方法…?」

「ちょうど、私も本当に貴方の力やり私の力の方が上かどうか疑問に思っていたところです。私を殺して指輪を外しますか?」

「いや、それは論外すぎるわ!」

(結局は戦いたいだけかよ、こいつは!)

「それとも、そんなに私と結婚することがお嫌いですか」

「いや…そ、そんな顔されると…だな……べつに嫌じゃないぞ! うん!」

「そうですか」

そうですか、じゃないわ。もはや詐欺レベルに近いぞ。てか詐欺だわ。訴えたいぞ。

「カヤエさぁーん、ちょっといいですかー? …って、ヨシさんも一緒ですか」

「なんだよ、悪いか」

「はい悪いです」

キリッとした声でキッパリと言った。その言葉で少し俺のこの心は傷ついてしまった。

「お前…傷ついた心は戻らないんだぞ…」

「女心もわからないヨシさんにそんなこと言われてもなんとも思いません」

「で、ウラさん、なんでしょう」

「ミリアさんのヤンデ…じゃなかった、あの性格が治りました!」

ミリアのあの性格が治っただって?

「ほんとか?!」

「え、ええ、治りましたけど。ヨシさん、ものすごく嫌われてますよ」

「…え? どうして」

「そりゃあ、だってヨシさんを最高の悪役に仕立て上げましたから!」

えっへんと、ドヤ顔で決めポーズをするウラ。ほんの少しだが心の底からムカついた。

「待てよ、でもミリアは俺が酷いやつだってしってもちょっとやそっとじゃあ…」

「いえ、大丈夫ですよ! いいから来てみてくださいよ。あ、カヤエさんも一緒に」

俺の肩を両手で押しながらウラは楽しそうに言った。カヤエは無言でついてきて、ウラはさっきから鼻歌を歌っていて物凄く気分がルンルンしている。

ミリアの部屋を前にした時、閉じていたカヤエの口が開いた。

「ヨシハルさん、気をつけてくださいね」

陽気なウラとは対照的に重い言葉を発した。俺はそれを頷くだけ返し、ウラにおされるがまま、ミリアの部屋に入った。

「ミリアさーん、ヨシハルさん連れてきましたよー」

「…っ?! よ、ヨシハル…?!」

「あ、おう! ミリア…」

ミリアと目線があった途端、座っていたミリアはすぐに立ち上がり、片手に剣を持った。

「ちょ、ちょいまち、ウラ、治ってないじゃないか!」

「ええ?! 確かに治りましたよぉ~!」

「父の仇ぃぃー!」

ミリアはそう叫んで、俺に斬りかかってきた。

(やばい、カヤエの部屋に武器を忘れて今は持っていない!)

俺に振り下ろされた剣は、もう一つの剣で阻まれた。

「ごめんなさい! ヨシハルさん! 一旦外に出てください! 私が抑えときます!」

「お、おう」

意外にもウラが勇敢に俺を助けてくれた。

急いで、部屋を出て扉を閉める。

「ウラも成長したんだな…」

今までなら、こういうときいつもカヤエが助けてくれるはずなのだが、ウラが助けてくれた。

ウラも成長してきたのだろう。

ふと、部屋の中から聞こえてきた騒がしい音がなくなった。

扉が開き、中からウラが泣きながら出てきた。

「ぅぅー…」

「え? ど、どうした?」

「み、ミリアさんがぁ…うぁぁん…」

しゃっくりを起こして、まともに話せていない。もはや言葉のキャッチボールができない。

(園児かよ…)

「とりあえず、深呼吸しろ。な?」

「はい…ひっく…す、すぅー…すぅー…すぅー……すぅー…」

ウラが息を吸うたびに、次第に顔が赤くなっていく。

「おいまて、さっきから吸ってばっかだぞ! ちゃんと息を吐けよ」

やっとのことで、深呼吸は終わり、落ち着いた。

「私がヨシハルさんを逃がしたあと、剣は危ないからって、ミリアさんが剣を置いたんですよ。だから私も置いたんですよ。そしたら…」

「そしたら?」

「いきなりの殴る蹴るの暴行ですよ! それに私に貧乳だとか! 天然だとか! キャラ作りしてんじゃねーよとか! …ぅぅ、思い出しただけで…」

…ミリアってそんなやつだったっけ? 特に後半の部分が、なんだかどこかのクラスメイトにいそうなリアルなやつなんだけど。

「そ、そうか…まあ気にするな、ウラは悪くないからな」

「で、ですよね! 私は何も悪くないですよね!」

こいつ、切り替え早いな。

「で、それは置いておいて。ミリアがなぜ俺を襲ったのか…」

「ですから、嫌われてるって言ったじゃないですか」

「…いや、それはわかる。だけどな、いくら嫌われてるからって父の仇ぃ! なんて言って襲ってこないだろ、普通」

俺がそう言うと、ウラは顎を触り、うーんと唸ってから呟いた。

「…ヨシハルさんは実は魔王だ、なんて言ったのはそこまで効いたのですか」

「は? 俺を魔王だって言ったのか?」

「ええ、魔王といえば極悪非道の超鬼畜野郎じゃないですか? ちょーどいいかなーって」

確か、設定じゃあ、ミリアの父は魔王に殺されたんだよな。

だから父の仇なのか…

「ウラ、訂正してきてくれ。俺は魔王じゃなくてスーパーデビルマンだって」

「す、スーパーデビルマンですか?」

「ウルトラデビルマンでも…」

「わ、わかりました! 言ってきます」

ウラは深呼吸して、扉にてを掛け、そして入って行った。

俺がスーパーデビルマンに訂正しろと言ったのは勿論、ミリアの誤解を解くためである。

とはいえ、どちらにせよ誤解はされることになるが、魔王であると誤解されるよりはよっぽど良い。

隣に居るカヤエを見ると、さっきからずっと黙っていてなんだか違和感がある。そういえば、さっきミリアが襲って来た時、普通ならカヤエがすぐに来るはずだと思うのだが。

「カヤエ、さっきから黙ってるけど、どうかしたのか?」

「いえ、何もありませんが?」

「そうか」

俺の見当違いだったのか。相変わらず顔色を変えずにそう返してきた。

そして、ウラが部屋に入ってから少したち、そして部屋の扉がすーっと開いた。

「あ、ヨシハルさん。もう大丈夫ですよ!」

満面の笑みを浮かべて出てきたウラは俺の手を引っ張り、部屋に連れ込んだ。

「あ、ヨシハル? さっきはごめんね」

ミリアが軽くうつむきながら謝ってきた。どうやら俺はスーパーデビルマンになることに成功したようだ。

「いいよいいよ」

俺は励ますように肩を叩いた。

それにしても、たかだかスーパーデビルマンという酷いことをしそうな名前で俺を嫌ったりするんだな。なにはもとあれ、おかげでヤンデレを解除できた。

「ヨシハルがスーパーデビルマンってことは、人じゃないってことだよね…」

「え、うん。そういうことになるな」

「じゃあ、人である私とは一生結ばれない…んだよね」

「…たぶん」

「なら! 私、死ぬ!」

「…はっ!?」

一瞬、場が静かになったのがわかる。突然の自殺表明。

「私がスーパーデビルマンに産まれかわれば…っ!」

「まてまてまて! あ、あのな! 実はスーパーデビルマンってのは、何千年も生きるんだよ」

俺がそう言うと、ミリアは不思議そうに首を傾ける。

「だから、何千年も生きるから、何も今死んで生き変わらなくてもいいだろ?」

「そうだけど…」

「それに、お前の嫌いなヘビに産まれ変わったりしたらどうするんだ」

「…う」

忘れかけていたミリアの大嫌いなヘビを引き合いに出す。我ながら咄嗟に出たアイデアはナイスである。

「それに、私とヨシハルさんは結婚しましたし」

「そ、それを今言わなくても…」

「けっ、結婚っ?!」

カヤエのその発言に最初に反応したのはミリアではなく、ウラだった。

「そ、そうなんだ…ヨシハル、結婚したんだ…私、以外の人と…」

「ま、まて、ミリア。だから言っただろう? 今はどちらにせよ、俺はスーパーデビルマンだから」

「じゃ、一つだけ約束してくれる?」

「お、おう」

「私を嫌いにならないで…」

ミリアはそう言うと、俺の返答も聞かずに出て行った。

「カヤエ、今言うことじゃないだろ?」

「いえ、今言わなければ彼女は貴方を引きずり続けることになりましたよ」

カヤエがどこか説得力のあることを言うと、それを他所にウラが涙目で俺を睨んだ。

「私達に何も言わずに結婚するなんてサイテーですっ! 鬼畜ですっ! 卑怯ですっ!」

「え…」

なぜここまで怒られなくちゃいけないのか全く理解できない。

「皆に伝えてきますからね! カヤエさんの部屋にいてくださいよ! すぐに皆集めますからっ!」

最後まで怒りながらウラも出て行った。

「これは予想していませんでした」

カヤエはそう言って肩を叩いた。

「は、ははは…」

このあとどうなるかわからないが俺たちはカヤエの部屋に向かった。

年賀状を書き終えていた作者ですが、玄関に放置したままで、ポストに入れるのを忘れてしまってついさっき気づいてしまいました。

いっそ気づかなければよかったのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。