↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/40

第住奈々話 貴方の願い事。


「あ~。暑いです~」

ウラは早速弱音を吐く

「我慢しろよ。あともうちょっとなんだから」

俺たちは砂漠の森に入るためにタビネ砂漠を歩いていた。

ギラギラと太陽の光が俺たちに放射される。

タビネ砂漠は日中暑くて、夜も砂に溜まった熱を放射するため暑い。

その上普通の砂漠とは違い、年中雨がふらない。

そのためか、生物の生活する場所がないため、魔物は一匹もいない。

「もう。ダメです~」

ウラはタビネ砂漠に入った時はウキウキ気分で「砂漠とか初めて~」とか「広い!」とか言っていたんだが。

今はこの有様。

「仕方ないな。俺の背中に乗れよ」

俺がそう言うと

「本当ですか!?じゃあ遠慮なく」

先程まで死んでいた目を輝かせて俺の背中に乗ってきた。

「それにしても、何時になれば着くのでしょうか?私達はこうして歩き始めて一時間は経過したと思われますが」

「……まさかカヤエも?」

「ち、違います!これ位で下手れる程レベルは低くありません」

「冗談だって。というか、ほら。もう着いてるじゃないか」

俺は前の方に指を向ける。

カヤエはそれに沿って指を差した方角へと顔を向ける。

「何も、ありませんが?」

「カヤエ、ウラに使った封印石はまだ使えるか?」

「え?はい。使えると思われますが」

「ちょっと貸して」

俺はカヤエから封印石を受け取る。

「何をするのですか?」

カヤエの質問に答えることなく、俺は実際にやってみせる。

俺はさっき指差した方角に封印石を投げた。

すると、

その方角で見えない何かが苦しみだし、次第に洞窟が現れた。

「さ、ここが砂漠の森奥地に続く入口だ」

俺は唖然とするカヤエの手を引っ張り奥地へと向かった。

「少し待ってください。私達はまだ砂漠の森にすら行ってなく、タビネ砂漠しか歩いてなかった筈です」

「説明しよう!実はタビネ砂漠の中に砂漠の森奥地があるのだぁ!砂漠の森とはつまり永遠に続く砂漠の事で、砂漠の森奥地に続く入口にはバジリスクという魔物がいて、度々挑んでくる冒険者に幻影を見せ、何時まで経っても奥地へと辿りつけないのだぁ!

そんなバジリスクは悪の塊。つまり封印石を使えば勝てちゃうのだぁ!

分かったかぁ!ぬっはははは」

俺が冗談混じりで説明した方がわかりやすいと思ってそうしたのに、カヤエは冷たい目線で俺を睨んだ。

「大体はわかりました。それとウラさん。そろそろ降りてはどうですか?ここはもう涼しいですよ」

「え?あ、はい。じゃあ降ります」

俺の背中からウラが降りた事によって少し楽になった。

すると、

「シャアアアアアア!」

早速魔物が現れた…と思いきや

「邪魔です」

カヤエがソウセイ剣で一切り。

「タブリスか。タブリスは体が硬いはずだが…ま、いいや」

この奥地には基本タブリスしか出てこない。タブリス装備を揃える奴にとってはとっておきのスポットだと言えおう。

この調子であれば全てカヤエに任せれるかな。

そのあとタブリスは何度も出てきたが、その度にカヤエが一切りで倒していった。

しばらくして、

道を塞ぐ石版の前に辿り着いた。

石版にはこう記されている。

『汝、ここ、難問を解き、さすれば自ずと道は開かん』

「難問…ですか。望む所です」

『とある場所。そこには何やら珍しいものがあるとの洞窟が存在した。その洞窟には多量の人の靴跡がありき。一人の男が聞きつけ洞窟に出向くと、その男はそれを見るや否や洞窟に入ろうともせず帰ってしまう。何故だか?』

その問題を見て、カヤエが考え出す。

「あの、ちょっと待ってくれる?」

「何ですか?もう解けたのですか?であれば少し待ってください。私もこういうのは好きなので」

「そういうんじゃなくてさ」

俺が重大な事を言おうとしたが、

「カヤエさん。それ多分靴跡が行きの形しかないからじゃないですか?」

「あーあ。言っちゃったよ」

ウラが解答した瞬間。

地面が揺れ始める。

「なるほどですね。確かに行きの足跡しか無いならば気味悪いですしね」

納得するカヤエをよそに地面が崩れる。

「きゃあ!」

俺たちは地面が崩れたため、そのまま落下していく。

そして着地。

「イテテテ…」

「だから言わんこっちゃない…!」

「貴方は知っていたのですか」

「まあな。あの石版に書かれている事を答えてはいけないのは当然だろ?…それよりもだ。この野郎を倒すぞ」

落下した所にはキングプラントがいた。

キングプラントは植物系の魔物で、レベルはタブリスとは段違い。

「めんどくさい…なっ!」

俺はキングプラントに向けてあるものを投げる。

するとキングプラントは苦しみだし、やがて枯れた。

「何を?」

「ん?ああ。除草剤蒔いただけだよ」

「そんなもので…」

そしてキングプラントの遺体を乗り越えて次へと進む。

「いいか?次も石版があると思うから絶対に答えるなよ!?」

「はい」

「わかりましたぁ!」

そして宣言どおり石版が現れる

『汝、ここ、難問を解き、さすれば自ずと道は開かん。

壱足す壱は?』

「ヨシさん。荷物重いですよ~」

ウラのその言葉にまた地面が揺れる

「今度は何が?」

「多分だが、荷物の「に」に反応したんだろうな」

そしてまた落下する。

落下先にはクイーンプラントが。

「残念だが、クイーンプラントには除草剤は効かない。本気で戦うしかないだろう」

「いや、それが普通です」

「…じゃ、じゃあ早速」


俺はクイーンプラントの何本もある根っこに走って向かう。

スキルが使えないのはちょっとしんどいな。

俺はセイクリッドソードを抜き、その根っこの内、二本をまとめて付け根から切り落とす。

ギィアアアア!

クイーンプラントからは悲痛な声が聞こえる。

するとクイーンプラントは他の根っこで俺を攻める。

スキルの使えない今、俺はその攻撃を避けれない。

しかし向かってくる根っこは途中で切り落とされる。

「スキルが使えなくても心配しないでください。貴方には私が着いています」

カヤエの頼りになる言葉を聴いて、少し安心した。

しかし、スキルは使えなくとも魔法は使える。

俺はセイクリッドソードに魔力を込める。

「うおおおお!」

そしてセイクリッドでクイーンプラントの脳天を貫いた。

クイーンプラントは声も出さずに崩れ落ちる。

「やりましたね」

「そうだな」

俺はセイクリッドソードをクイーンプラントから抜き背中に戻す。

「…私は何も出来なかった」

ウラは顔を俯けて落ち込んでいる。

「気にする必要は無い。さぁ行こう。あと、次は何も喋るなよ?」

「はい…」

そしてまた石版が。

『汝の名は?』

俺はその石版にセイクリッドソードを向け、その石版を叩き切った。

石版が崩れ、その先には通路が現れた。

「最初からこうしておけばよかったのですか」

「ああ」

俺たちはその通路を進む。

そして少し広い広間に辿り着く。

「「よく辿り着けたな!冒険者よ、願い事はあるか?あるならばこの先に進み願いを吐くのだ。さすれば願いを叶えよう」」

「何ですか今度は?」

「妖精、カピタンだ。この奥地に住んでいて願い事を一つだけ叶えてくれる」

「でしたら、貴方が行くべきです」

「私もそう思います!」

「え?いや、でもな」

「貴方がいなければ辿り着くことはありませんでしたから」

俺はその言葉に甘えて先に進む。

通路を進むと小さな小部屋があった。

「「願い事は?」」

「願い事か…それはどんな事でもか?」

「「当然だ。我に出来ぬことはない。我が死ぬとか、そんなことは無理だぞ?」」

「俺を、元の世界に戻せるか?」

俺の言葉にカピタンは少し黙る。

そして

「「…こんなことは初めてだ。お前が何者かは知らないがこの世界の神がお前に干渉することを禁止してきた」」

「そうか…」

神が干渉…。

「「ん~。何かイライラするな。特別にもう一回だけ、別の願い事を言って来い。なんか納得いかん」」

何でも叶えてきたその力が使えなかったのだ。プライドが許さなかったのだろう。

「あ、ほんと?なら願い事あと三回増やして」

「「え?」」

「だから。願い事三回増やしてよ。何でも叶えれるんだろ?ま、まさか二回も叶えれない事が起きるなんてことは…」

「「わ、わかった、わかった。あと三回増やしてやる。なんて人間だ…」」


「んじゃあちょっと待ってて」

俺は広間にいる二人の元へ戻る。

「あと三回願い事言えるようになったから。カヤエ先に行けよ」

俺はカヤエにそう伝えると、

「…願い事で願い事を増やしたのですか」

とか何とか言いながら進んで行った。

「「願い事は?」」

「私の願い事、フッ。そんなことは自分の力で叶えますよ」

「「じゃあ来るなよ!!」」

「強いて言うなら……ヨシハルさんは何者なのですか?あの人の事を教えてください」


「「…残念だが、あいつの事は神に干渉を禁止されていて教えられん…」」

「なら、ヨシハルさんと結婚…はできますでしょうか?」


「「ふん。容易いことさ。しかし奴の何処が…ま、まぁいい。願い事は叶えた。戻ってみて奴に何かしてみるといい。拒否されることはないだろう。夫婦だからな」」

「ありがとうございます」


「お、カヤエ、長かったな。じゃあ次はウラだ。言って来い」

「はい」

「ヨシハルさん」

カヤエは俺の腕に巻きついてくる。

「どうした、カヤエ」

何故だろうか、抵抗する気にならない。

「私、貴方と結婚することを願い事にしました」

「なっ!」

「晴れて私達は夫婦です。さ、キスしましょう」

「あ、ああ」

願い事を結婚にしたのか。

拒否出来ない…自然と口が勝手に動いてしまう。

そしてカヤエは俺に近づき、キスをした。

「さ、いいですよ。私はここでも」

「そうか?なら…」

「ちょっと!待ってくださいよ!!二人になると直ぐにそうなるんですからぁ!」

ウラが帰ってきた。

何故だ、ウラに対しても同じ気持ちを感じる。

「ヨシさん、私にもキスしてください」

「あ、ああ。いいよ」

拒否が出来ない…出来ないというよりしないといった感覚だ。

そしてウラとキスをしてしまう。

その姿をみてカヤエが

「まさかウラさんも?」

「も…ってカヤエさんも結婚…を?」

「はい」

「どうなってんだよ。もっと他に無かったのか?」

「なら一夫多妻ですね!」

ダメだダメだ。

ゲームだからってしていいことと悪いことが…

「お前たちは……」

「私は準備出来てます」

「わ、私も!」

「…スリープ!」

二人共眠らせる。しかしカヤエには効かない。

「やっとスリープを使ってくれましたね。二人きりで話せます」

「どうかしてるぞ、お前たち」

「いえ、実は私は貴方の事を教えてくれるように願いました」

「まさか…!カヤエ!」

「教えてはくれませんでした。神に干渉を禁止されていると。貴方は…何者ですか?」

俺は黙ってしまう。

その質問には答えれない。

「この砂漠の森については詳しすぎます。いいえ、それだけではありません。武闘大会の時も、そのレベルであのような魔法やスキルを使えるなんて、おかしいです。貴方は、誰なのですか!?」

「言えない…」

「私達を信頼してないのですね」

「それは違う。信頼している。ただ俺の過去は、知ってしまうと後には引けない…知らない方がいい事もあるんだよ」

俺のその言葉にカヤエは黙ってしまった。

「願い事は最後の一つだ。俺はそれで神の元へ向かう」

「貴方は何時も一人で次へ次へと…少しは私達がいることを考えてください」

「ごめんな。カヤエは先にウラを連れて帰っておいてくれ」

俺はそう言い残し、居間へ向かった。

「「いいのか?彼奴らを連れていかなくて」」

「何だ。聞いていたのか。お前は知ったんだろ。俺の過去を」

「「信じられん限りだかな。まさかお前が闇の帝王ヴォ…」」

「何言ってんの!?違うよ!?闇の帝王じゃないぞ!?」

「「じょ、冗談だ。お前の事は何も知らないし、分からない」」

「…ま、神の元へ頼む」

「「わかった。神界へ行く時は裸になるが良いか?神界へ人間の作ったものは持っていけない」」

「わかった」

そして俺の周りが光り出す。

多分神界これでとやらへ行けるのだろう。

ゲームの世界で神界なんてものは知らないし、そんなイベントはない。

どんなとこなのか。

「ヨシハルさん!!」

「カヤエ!?」

「「ダメだ!二人とも転送してしまう!」」


俺たちは転送された…

そして神界らしい所に着いた。

カヤエは…裸だったが、何故か何とも思わなかった。

俺達は向こう側に神殿の様な場所が見えた。

「…行こうか」

「すみません…勝手に着いてきてしまって」

「いいよ別に」

俺たちは、あり来たりでフワフワとした雲の上を歩き、その大きな神殿へと向かった。

「ほう。ここに人間が入るとは…何年ぶりだったかな」

神殿で、一人の若い顔をしているが立派な白い髭の生えている青年なのか、老人なのか分からない人物に出会った。

その人物は神殿の奥にある大きな椅子に座っている。

「俺達はカピタンのおかげでここに来ることができた」

俺が青年なのか老人なのか分からない、つまり青老と呼べる人物にそう伝えた。

いや、青老って言うのは俺が勝手に決めた訳で……

「カピタンか、彼奴は本当に何でもする。で、人間。お前は何をしに来た?」

「その前に、ここはスキルが使えるのか?」

「ん?スキル…とな?…ん、ああ!人間はそう呼んでいるのか。あれは私達神が人間に与えた力。ここではどんなスキルでも使えるぞ。だが、私達に攻撃は効かないがな」

「そうか、いや、何も神様を殺すなんて事はしない。ただ、聞きたいことが、一つ」

一応スキルが使えることを確認しておいた。

このあと、使わないといけなくなるだろう。

「さっさと言ってしまえ。私とて暇ではない。人間ニ個にかけてられる時間などない」

神様といえど、人間を個数単位で数えたのは少し気に食わなかったが今は抑えよう。

「直球に言わせてもらう。どうしたら俺は元の世界へ戻れる?」

「は?人間が何を言い出すかと思ったが…はっはっはっ!人間ごときが世界を行き来することなどできん」

「俺は戻る方法を聞いている。戻る方法さえ知れば何でもいい」

俺が真剣な眼差しで神にそう言うと、神は目を見開き、そのまま俺のもとへと近づいてきた。

「…なるほど。すまなかった。お前の言うことは本当だと言うことか」

神が俺の目の前まで来ると、何かを感じ取ったのか、信じてくれた。

「ちょっ、ちょっと待ってください。話の内容が全く掴めません」

カヤエが頭をこんがらがせたのか、話を途中で止めてきた。

無理もない。

神は話を続ける。

「…お前がこの世界に来た原因は一つだけ考えられる。世界というものは無数に存在する。私達神は、それぞれその無数に存在する世界を分担して仕切っている。因みに私は200個余りの世界を仕切らせてもらっているがな。まぁ、いい。その仕切る分担を決める係りがいてな。創世神さまだ。しかし、無数にある故に分担するのが難しい。その分担をする際に一つの世界だけが誰からも仕切られることが無かった事件が神の間で起こった。

それがお前の世界だ。統括されなくなった世界は空間が歪み、時空間がねじ曲がる。やがてその世界は消滅する。

しかしお前の世界は消滅を食い止められた。創世神さまのおかげでな。

お前は偶然その空間の歪みに入ってしまい、この世界に来たのだ」

一頻り説明が終わる。

「なるほどな、で、俺が…」

俺が帰る方法は?と聞こうとした瞬間。

「いやぁあああああああ!」

カヤエが頭を抑え、しゃがみ込んでいる。

「どうしたんだ!?」

「別の世界!?空間の歪み!?」

「…その女はお前と一緒の世界の住人では無いのか」

神が何かを言った言葉は混乱しているカヤエの声でかき消される。

「何があったんだよ!カヤエ!」

「いやぁあ!来ないでぇ!貴方は誰なの!?」

俺がカヤエに触れようとしたが、カヤエはその手で俺の手を払い飛ばした。

「…普通、人間は二つの世界を知ろうとするとその情報量に脳がついていかず、精神は崩壊してしまう。やがてその女は自分が誰かも知らずお前の事も知らずとなるだろう」

「なんでお前はそんなに冷静なんだ!!」

「人間一つ、どうなったって構わん」

この神をぶん殴ってやりたい所だが、それよりカヤエだ。

「俺だって!カヤエ!」

「やめて!さわらないで!いやぁあ!」

こんな時、どうすれば…!

俺の不注意でここに連れて来てしまい、俺のせいでカヤエは何もかも忘れてしまう。そんなことでいいのか…?


「そう落ち込むな人間よ。その女は死ぬまで私が仕えさせてやるから」

神は相変わらず人間を物としか思っていない。

いっそう、あのスキルを使ってでも…

スキル?そうか!

「アウトブレイン!!」

俺はカヤエに向かってスキルを使った。

「ほぅ。アウトブレインか。そのようなスキルを知っているとはな。確かにそれを使えば今の記憶は消されるな。だが、精神が元に戻っているがわからんがな!はっは…ぐべぁ!!」

俺は神を右手で思い切りぶん殴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。