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外れ伯爵家の三女、領地で無双する  作者: 森のカフェしっぽっぽ


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第45話 追い出された治癒師と聖女の仲間入り

 三日間の自由休暇を満喫したアイリスたちは、翌日、街の外れを軽く探索していた。次の冒険に備え、補助魔法や回復担当の仲間を増やしたいという思いもあった。


 その途中、茂みの中からかすかな泣き声が聞こえてきた。


 アイリスは足を止め、目を細める。


「……誰か、泣いてるな」


 ガルドとリーナも同様に立ち止まり、声のする方向へ向かう。


 茂みをかき分けると、そこには一人の若い女性が座り込んでいた。服は擦り切れ、杖を握る手は震えている。


「……誰か……助けて……」


 女性は目を赤くして、必死に何かを訴える。アイリスはすぐに駆け寄る。


「大丈夫か? しっかり手を握れ」


 アイリスは優しく手を差し伸べると、女性は小さくうなずき、手を握り返した。その瞬間、淡い光がアイリスの手に伝わる。


「……ん?」


 アイリスの指先に、ほのかな魔力が流れ込む感覚。直感で、これはただの回復魔法ではないと気付いた。


 女性は震えながら口を開く。


「私は……治癒師です。パーティから追い出されて……居場所がなくて……」


「追い出された?」


 アイリスは眉をひそめ、詳細を確認するために少し距離を取りながら女性の情報を魔力で探る。すると表示されたのは、信じられない文字列だった。


『聖女、回復・支援魔法に特化』


 アイリスは思わず息を呑む。


「……君、聖女だったのか」


「……はい。なのに、私の能力を理解してくれないパーティに見捨てられてしまって……」


 リーナが手を差し伸べ、微笑む。


「大丈夫。私たちならちゃんと力を発揮できる場所がある」


 アイリスは決めたようにうなずく。


「よし、君、仲間になれ。名前は?」


「アリエルです……」


 アイリスはにやりと笑った。


「アリエル、これからは俺たちと一緒に戦うぞ。回復はもちろん、支援も頼む」


 アリエルは驚きと安堵が入り混じった表情を浮かべ、杖をしっかり握り直す。


「……はい、よろしくお願いします」


 こうして新たに仲間が加わった。回復役が確保されたことで、アイリスたちの冒険はさらに安定することになる。


 そのまま街の外れにある穴場で、経験値稼ぎを兼ねたはぐれメタル討伐を行うことにした。アリエルは回復魔法で味方をサポートし、レオはデバフとバフを担当する。ガルドとアイリスは前衛と遠距離攻撃を担う。


「アリエル、まずは味方全員に防御強化をかけろ」


 アイリスの指示で、アリエルは杖を掲げ、柔らかな光が四人に広がる。


「これで少し安心ね」


 リーナが笑顔を見せ、ガルドも頷く。


 茂みからはぐれメタルが次々に出現する。


「行くぞ! アイリス、先に撃て」


 レオは敵の動きを鈍らせ、アイリスの矢が確実に命中するよう補助する。


「よし、次は俺が斬る!」


 ガルドの剣が閃き、はぐれメタルを切り裂く。


 アリエルは回復と支援を同時に行い、アイリスたちの動きを止めることなく戦闘をサポートした。


 数匹のはぐれメタルを倒し、経験値が均等に分配される。四人は息を整えながらも、満足そうに互いを見つめ合う。


「……うん、やっぱり仲間が増えると戦いやすいな」


 アイリスはにやりと笑い、テーブルに残っていた作り置き揚げ物を思い出す。


「帰ったら、揚げ物で栄養補給だ」


 アリエルも少し微笑む。「楽しみです。私、料理も少しお手伝いできます」


「いいね、その分、次の迷宮でも体力が持つ」


 こうして、新しい仲間を加えた四人は、次の冒険に向けて準備を整えていった。


 追い出された治癒師アリエルの加入は、ただの偶然ではなく、アイリスたちの戦力を格段に底上げする布石となった。


 物語の幕はまだ下りない。四人のチームは、より強く、より安定した冒険者として、次の迷宮へと歩みを進めていく。



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