2話 二つの満月が照らす夜
黄色い二つの丸が浮かんだ黒い空に俺達を差して眠りについていた俺の意識をゆっくりと目覚めへと覚醒させる。
藁を集めた雑な寝床で、眠っている真っ白い髪をした少年、白に話しかける。
ついでに白は俺がつけた!
犬みたいで可愛いだろ!
「なぁ白!起きろ!起きろってぇぇぇ~!」
叫びながら白を呼ぶがそれ以上に眠りは深いらしく……
全然おきねぇぇ~!!!!!
ガチで白は一回寝ると自分で起きない限りはほとんど起きない。
だが無理矢理起こすがな!!!!
もぞもぞとしながらも、まだ寝ようとしている白……
「いい加減起きろよ~!!!!!」
さすがにうるさそうに白が目を開けて、寝ぼけたままこちらを一点に見ていた。
「……」
何も言わない……いや言えないのか白は喋ることはない。
喋れないのは可哀想だけど、ちゃんと言葉は伝わって首を縦にふったり、横にふったりで意志疎通をしている。
「旅に行くぞ!!!白!!」
「……」
「おい待て待て寝るな旅人だろお前!!!」
言った瞬間に寝ようとする白を止める。
旅に出るなら速いが吉だ!!!
「おきろぉー!!!!!」
全力で白の耳元で叫んだその時、顔の横を短刀が掠めたのは言うまでもない……
投擲技術100点だなコイツ。
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「……しろ~。
旅しないのかー?」
暗い黒の空に浮かぶまるでキラキラした砂を散りばめたように光る奴、そして一等に光の強い大きい二つのまん丸の奴。
いつも石で囲まれていたあの場所で、一目見たいと思っていた光景。
「これが旅日和って…奴じゃないのか?」
白に聞こうとしても全く起きようとはしなかった。
『運命の人』、それも大事だ。
だけどそれと同じぐらい、知らない物を見ると心が踊った。
「でも白が寝てるから勝手に行ってもなぁー」
そう言って見てなかった木の実を見に行こうとした時だった。バサっ、そう足元から音がしたのだ。
「…本か?」
興味本位で拾い上げて中身を見てみれば、それは今まで見た奴とも白が持っていた奴とも違って。
『絵』があった。
「何だこれ……」
読めない文字の行列に少し戸惑ったが……その中で読める文字を見つけた。
「月……?」
その文字が書いたページに描かれているのは……『今さっき俺が眺めていたものだ』
「これって!」
キラキラした砂を散りばめたような小さな丸達、そして一等に大きく描かれた二つの黄色いまん丸の絵。
これは間違いない。
「あの二つの大きな奴が…『月』なんだ!」
『夜』、『星』、今俺が見ているのがそうなのかも知れない。
初めて、初めて知った。
それに心が強く揺さぶられる。
だけど次のページが俺をもっと驚かせた。
「『太陽』?」
オレンジ色中心で塗られた満面の空、真ん中にある赤いまん丸のもの。
前の月が描かれていたページの場所と同じ筈なのに、空の色だけが違う…
「……空の色って変わるのか?」
ふと出た疑問に肯定する奴は居ない。
でも
「このまんま待ってたら、太陽って奴見れるかな。」
オレンジ色の空が出る、その時まで。
俺はずっと、心がわくわくが止まらないまんま空を眺めていた。
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「なぁ白!本当に本当なんだ!
空が黒からオレンジに変わったんだぞ!
それだけじゃないんだ!オレンジから青になって!」
本当に空が黒からオレンジに瞬間を発見した俺は寝続けていた白に自慢し続けていた。
その凄い本の凄さを白に自慢する、
「あっ!今ってあの月が出てる時よりも明るいから旅をするのに良いんじゃないか!?」
探索も敵を見付けるのも此方の方がずっと簡単だ!と白に言えば白は俺を呆れたような目で見つめる。
そんなに変な事言ったか!?
「あっ白!あと他は大体分かったんだけどな!
一つだけ分かんないことあるんだ!」
持っていた凄い本を取り出そうとして無いことに気付いた、しかもさっきの場所から随分歩いてしまったから帰り道も分からない!
最悪だ!
「うー、最悪だ。
あっそれで分からないことっていうのはな!
その本に書いてあった『マダム』って、何か分かるか?」




