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1話 コイツ何か変

「なにやってんだ恩人さん!」


 食事の準備をし始めた僕に対して興味津々に聞いてくる子供は、料理というものを知らないのか鍋を頭の上に被ったり、火を起こすための木を投げたりしていた。

彼には感心を一切の向けず、黙々と準備を進めた。

 この食材を切ってスープに入れよう、あっもうこの調味料ないや。

代わりにこれを入れよう。

最後にこの『薬草』を入れれば完成だ、と今とりあえず食べれるものを作る。

旅人に欠かせない技術である。


「なんだこれ?飲み物か?」


 ……コイツにも分けた方が良いのか……?そんな訳が無いだろう。


「あっ!おいっそれ投げんな!」


 使い終わった短刀を子供に投げるとソイツは無駄に良い神経で手にとった。

本当にイラつく子供だ。


「ちぇー何かカリカリしてんなぁお前。」


 『恩人』さん呼ばわりの次は『お前』、コロコロ人の呼び方が変わる奴だ。

そもそも恩人でも何でもないがこのガキが。


「あっでもこのナイフカッコいい!」


 おいクソガキ刃を触るな。

お前の指紋で刃が汚れるだろうが。


「この模様…っておいお前が渡して来たのに勝手に取ろうとするなよ!」


 奪うように…というよりも元々僕のなのだがそのガキ手から奪おうと不意をついてガキに手を伸ばしたのだが、全く!!!届かない!!!

ガキが大きく短刀を持って立ち上がり僕が手を伸ばしても簡単には届かなくしてしまったのだ、その差10cm程。

幼少期の身長の二歳差大きいなボケナスが!


「なぁ!これが返して欲しかったらトウカコーカンしようぜ!!」


 くっそ生意気だなこのガキが、歳上舐めてると寝首かっ切るぞ。


「その何か良い匂いする奴を半分くれたら良いぞ!!」


 スープ頭から被らすぞこのガキが。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「うーん!100点!」


 点数付けんなクソガキ


「なぁなぁ!これあの実から出来たのか!?」


 うるさいガキを無視してスープを啜る。

というかこのガキどっから食器出した?

……

はぁ、一回考えるのは止めておこう、無駄に殺意が溜まる。

 ……スープを半分やったのはコイツにスープを被らせて火傷させても僕の分が無くなるから、

【結 果 的 に 渋 々 】渡しただけだ。

【決 し て】、優しさじゃない。OK?


「彼処の飯よりよっぽど点数良いぞ!

ホントにアイツら俺らには点数付けるくせに……」

 

 あそこ……多分あの牢獄の事だろう。

言うと牢獄の事は、このガ…ボケナスの魂を殺しにきただけで、自分は何も知らない。

ただあそこが『子供』集めて点数を付けて『何か』をしていた事しか。

…それで点数を付けることが常識だと思っているのか……

まぁ同情はしないのだが。


「俺らが点数付けると怒るホントに理不尽だよな!!!」


 前言撤回だ意外とコイツ100%生意気だ。


「だからちょっと気になったんだコレ。

ありがとな、わがまま言って。」


 そうかそうか、なら下敷きにしている短刀を返してから言ってほしい。

心臓一刺しするから。


「いや。」


 そんな事を思っていると、ガキが急に手を止め呟く、さっきの生意気な雰囲気は別人のようだ。

嗚呼、残念バレてしまったようだ。


「前食べた事ある毒の味もする。」


そもそもこのボケナスに食わす飯じゃないからな。


「俺、毒耐性あるから効かないからな!!」


 そうやって立派に宣言をするクソガキに最大限軽蔑の目を送る。

お前が【言 っ た ん だ ろ ?】

じー、と殺意と軽蔑の目を向け続けるとそのガキが慌てたような顔をして目を逸らした。


「あーっ、えーと……

お前は食べて良いのか……?」


 話を逸らして来やがったコイツ。

まぁ声帯が無いから何も文句は言えないのだけど……このボケナスが

そもそもこの身体は毒に耐性も持つ事はないし、毒が効く事もない。


「い、良いんだよな?

流石に恩人に死なれるのはいい気分はしないんだが…」


 仕方なくスープを飲み干してクソガキを見下ろしてやれば大丈夫だと判断したのか、急に顔色を変えて話題も変えてきた。


「なぁお前の欲しい物ってなんだ!?助けてくれたお礼に恩返ししてやるよ!」


このボケナス舐めてるのか、お前の命だよ。

と宣言したかったのだが声帯が無いため出来ない。

呆れ果てて彼の心臓に指を指せば、彼は首を振って左右をキョロキョロ見渡した後、再度僕の指の方向を辿った。


「俺か!?」


キモい不快だ殺処分すんぞ。

精一杯の足蹴りを食らわせれば大してガキはダメージは食らってないようだが、考えるような素振りを見せた。


「……俺の命が欲しいのか?」


 そうだ、そうだ!と首を縦に振れば、ガキも納得したように笑顔になった。


けれど彼は首を横にふった。


「すまん、俺の命はあげられない。」


 普通ならそこは笑顔にならないんじゃないか、そう思ったが、コイツに【普通】を求めても仕方ないだろう。

いややっぱり不快だ。


「俺には運命の人がいるから。」


 マセてんじゃねぇよボケナス!『運命の人♡』で許されるのは互いに思いやってる男女だ、知らない相手への『運命の人扱い』はストーカーだ!……


「産まれたその時からずっと、夢を見てきた同じ夢を。

見覚えも、出会ってもない、けど心のもっと深いところでずっと叫んでる気がするんだ。

その子の事を」


 ………


「『守らなきゃいけない』って」


 そう真剣に言う彼に……急に悪寒がした…

嫌いな他者の激重感情を見せられるなんて……正直気持ち悪い。

やっぱりこのガキに関わりたくないかもしんない……いや殺したいけど……


そんな気まずい(僕の一方的な軽蔑)雰囲気を感じたのか、彼はまた話題を変えた。


「なぁ!お前どうしてここに来たんだ!迷子か!?」


 迷子じゃない!旅人だ!……と反論したいが出来るわけがない。

ただどう表していいのか分からず取り敢えず少し感覚を開けて首を縦にふる。


「そうなのか!じゃあお前の家は何処だ?送っててやる!


 家…あの時の……本当に?

いやもう『あの自分』とは関係ない。

もう無いのだ、だがここでこのガキとの関係が切れるのも惜しい(決して親しみではない)。

此方の情報を少し出し餌にするのも作戦としては悪くない、どうせこのガキの感情など此方には関係無いのだ。


 最終的に殺せれば何でも良いだろう。鞄の中から本を取り出して、ある文字を指差す。

あれ?そもそもガキは文字が読めるのだろうか。

普通の共通語だが、文字が読めない可能性もある。


「……らく…えん?」


あっ良かった。ちゃんと読めたようだ。

首を縦にふる。


「……楽園?」


 彼を釣るための……絶好の餌となってくれることを今は無き故郷に祈る。

彼を殺すこと、それが僕の存在意義であるために精々役立ってくれ。


「そうかじゃあ俺がお前を楽園に帰してやるよ!

お前が助けてくれなかったら俺は死んでいたからな!」


 あの牢獄で何があったのかも、何が目的かも知らないが、ろくな事でもないだろうな。

そんな感情の中に這い出る一つの負の感情。


……お前がもっと遅く生まれてたなら簡単に殺せたんだけどな。


「だが……勘違いするなよ!

あくまでも一番は俺の運命の人を探す事だからな!」

情報メモ━━━━━━━━━━━━━━━━━


【運命の人を探す主人公】

名前 不明 通称 なし

年齢 10歳

性別 男

出身国 不明

種族 賢類人(サピエンス)

見た目 茶髪の元気な男の子

愛用武器 短剣

『楽観的で殺意にも慣れてるけど人が大好き。

旅も大好き、ご飯も大好き、誰かを探してる』



【楽園の迷い子】

名前 不明

年齢 不明

性別 不明

出身国 楽園

種族 不明

見た目 白い髪に白い目に白い服の男の子

愛用武器 短刀

『睡眠欲7割、食欲3割、ちょい殺意も混ぜたような子』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


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