第1話 ① 青年が2人
眼前のテーブルに並べられた料理に、鼻腔を刺激された。
カロブースのステーキ肉はその断面から肉汁を放出し、乾いた食欲を視覚情報のみで刺激する。溶けたチーズが肉と絡み合う事によって生まれる香りは、俺の空腹にドンピシャに突き刺さる。
向かい側に座る赤髪の女が、その肉を美味そうに頬張っている。一口食べる度に至福の表情を浮かべながら体を揺らし、その都度後頭部で1本にまとめられた赤い長髪が見え隠れする。
右手側の窓から差し込む陽光が赤髪を照らし、その光が視界をチラついて非常に気が散る。
窓横の座席を選んだのは失敗だったようだ。
光の反射に嫌気が差し目を逸らそうとした瞬間、肉を頬張る女と目が合った。
右手にはフォークを持ち、数秒前までそのフォークの穂先に刺さっていたであろう肉を咀嚼しながら、ユーナは俺を真顔でじっと見つめている。さっきまでの幸せそうな顔はどこに行ったのか、まるで氷の絵画のような冷度を感じる。
「どうしたのフェン。…まさかあんた、不貞腐れてんじゃないわよね?そんな訳ないわよね?ギリギリまでスリ捕まえるのに協力しなかったあんたが不貞腐れてるなんて意味分かんないもんね?」
「…何も言ってねぇだろ。つーか結局そのスリ捕まえてやったのは俺だろうがよ。お前は後ろ着いてきてただけだろ。」
「ええ、だからちゃんとお礼言ったじゃない。……まさか、このお肉の事で不機嫌なんじゃないわよね?」
「一応言っておくけど、それもお門違いだからね。私言ったわよね。食べたいなら自分で頼んでお金払ってねって。別に良いのよ頼んでも。お小遣い残ってるならね。」
淡々と言葉を言い連ねて、ユーナはまた肉を一口頬張った。
この女……人が黙ってりゃ好き放題言いやがって…。完全に図星なのはともかくとして、ありゃ完全に罠だろうが。
遡ること数十分前、「お腹空いたしお昼ご飯にしましょ」とユーナが言い出して飯屋に入ったはいいものの、テーブルに着いた直後に「お会計は別だからね」などとこいつは抜かしやがった。
普段店で一緒に飯を食う時は共用活動資金から代金を支払うのだが、先程のスリの件を明らかに根に持ってるこいつは意地でも財布袋の紐を緩めないつもりだ。
前方から漂う芳醇な肉の香りが、飢えた食欲に突き刺さる。
クソ…肉なんて最後に食ったのいつだったっけな……こいつ絶対わざと見せびらかして食ってるよな…。大体お前に言われなくても金があったらとっくに自分で頼んでんだよ。つーか昨日食欲なかったせいで俺半日以上何も食ってねぇし、さっきスリ捕まえる時に全力疾走で屋根上やら登って追いかけたせいで空腹に拍車かかって…
瞬間、俺の腹から誤魔化しきれないほどの音量で腹の虫が大声を上げた。体が硬直し、思考すら止まるほどの音量だ。
体の空腹具合を改めて思い知った俺はこれ以上刺激されないように視線を逸らし、頬杖をついて右手側の窓から見える外の世界を眺めることにした。
時間帯は丁度昼時だろうか。飯を食べて元気いっぱいの子供が数人走り回り、仕事の昼休憩に商店の店員や現場仕事の職人などがくつろぐ様子が伺える。
町を歩く人々は、その全員が満たされた様子で幸せそうに俺の視界を通り過ぎていく。
…ダメだなこりゃ…思考が荒む。こんな極限状態じゃ何見ても気を紛らわせなさそうだ。
………よし、寝よう。
そう考えると同時に、俺はテーブルにうつ伏せになって静かに目を閉じた。
どうせ眠れやしないが、起きてても何も出来ないし意味が無い。本を読むにしたって、腹が減ってちゃ集中も出来ないし。
視覚を遮った俺の脳内に、絶賛稼働中の聴覚が視覚を補うように情報を届ける。
左隣の座席を挟んでテーブル席に座る熟年夫婦の、他愛もない会話が耳に入る。その奥にある通路の向かい側のカウンター席に居た1人客の方からこそばゆい音が時折聞こえるが、この音は恐らく本の頁を捲る音だろう。他の客や店員が歩く度に靴底が床石に触れ、聞き心地の良い軽やかな音が生まれる。
うるさいのは嫌いだが、こういうささやかな環境音は案外嫌いじゃない。
それにどうせ、ユーナが食い終わるまでの辛抱だ。本読んでる時と同じ…何も考えずに…
「フェン。」
ようやく空腹から意識を逸らせそうになった時、ユーナに名前を呼ばれた。
ゆっくりと頭を上げ、こちらをじっと見つめるユーナと目を合わせる。当人は肉を食ったからかやけに充足感のある表情を浮かべている。
「ステーキ半分食べていいよ。もうお腹ペコペコでしょ?」
「…あ?いらねぇよ。てめぇが頼んだんだからてめぇが全部食え。」
「何それ意地張っちゃって。別に代金も気にしなくていいわよ、あんたが食べるなら共用資金から払うし。」
その言葉を聞き目線を下にずらすと、先程まで食べていたステーキやサラダが綺麗に半等分ほど残されている。フォークとナイフは皿の両手前に伏せ置きされており、使用したのかナプキンは適度に畳まれテーブル上に置かれている。
反射でもう一度言い返そうとしたが、再度漂ってきたカロブース肉の香りに一瞬で思考が支配された。言葉を考える余裕すらない程に、今の俺は弱っているみたいだ。
「食べるなら早くしないと冷めちゃうわよ。このステーキすっごい美味しいのに。」
「…分かったよ。食うからくれ。」
「ええ。…ただしその前に、今後について一つだけ決め事を作りましょ?」
「あ?なんだよ決め事って早く食わせろよ。」
「聞いて。あのね、今日みたいな出来事って結構珍しい事だったと思うのよ。それでもこの先また同じような事態にならないとは限らないでしょ?私、その度にいちいちこういうやり取りとか面倒だからしたくないのよね。」
「私が言いたいこと、分かるわよね。」
ユーナは俺に問いかけながら、ステーキが乗った皿に両手を添えた。
俺の口から出る言葉をただ待ち、まるでこの先の展開はあなた次第だとでも言いたげな圧力を感じる。
「……悪かったよ。次からはちゃんと協力する。」
「はい、よく言えました。次からもよろしくね。」
俺の謝罪に間を置かず返答したユーナは、満足気に笑みを浮かべながらその流れで俺の手元にステーキが乗った皿を移動した。
その瞬間、先程まで香るだけだった濃厚な肉の匂いが嗅覚に直に叩き付けられた。口腔内ではその味を想像し唾液が分泌され、空っぽの胃袋は俺の脳に開門の合図を鳴らした。
ユーナの狙い通りに謝罪させられた事すら忘れ、瞬きしている間に俺は無意識に切り分けた肉を頬張っていた。それに驚く余裕も無く、味覚に続々と膨大な情報が押し寄せる。とろけるような食感と幸福感すら感じる味、断面から溢れる肉汁はその温度すら今は心地良い。
過度な空腹のせいで今じゃ何食ってもそれなりに美味く感じるんだろうが、このステーキは次元が違う。こんな美味いもん食っちまって、舌が肥えないかだけが心配だ。
「いや〜しかし信じられないわよね〜。」
「同じパーティの仲間の大切な物が盗まれたって言うのに、堂々と無視決め込むなんて有り得ないわよね。」
「仮にも幼なじみで10年以上一緒に過ごしてきた私の財布が盗まれたのに、当パーティの筆頭さんは無視して本屋に行こうとしてたなんてね。同じ環境で暮らしてた筈なのに、なんでこんな風に育っちゃったのかしらね?」
「ホント信じられない。口悪いしすぐ文句言うし、時間も約束も守れないし、興味ある物以外には無頓着だし、人の誕生日すぐ忘れるし、自己中心的でデリカシー無いし、人と金使い荒いし目つき悪いし…」
「グチグチうっせぇなぁ!飯食ってる時くらい静かにできねぇのかてめぇは!!」
眼前で語られる小言に、我慢できずつい口を出してしまった。
こいつが根に持ちしいなのは今に始まった事じゃないが、今日の出来事はよっぽどムカついたらしい。隙あらば小言を挟んできやがる。
「何よ。全部ホントの事じゃない。図星だからって怒っちゃって。」
「論点ズラしてんじゃねぇ。俺は今飯食ってんだよ静かにしろよ。」
「も〜いいじゃない別に。お腹いっぱいでやる事ないから暇なのよ。」
「なら小言並べてねぇで窓の外でも見てろよ。」
「嫌よすぐ飽きちゃうんだもん。ねえ、それよりこのステーキすっごい美味しくない?私ひと口目食べた時ビックリしたわよ。頭の中に衝撃が走った感じ?」
「おいコラ待て喋んな。俺は食事中は黙々と食べる派なんだよ知ってんだろお前。」
「そうね…荒々しい味付けと繊細な焼き加減の均衡がしっかり取れてるって感じかしら。見た目はとても豪快なんだけれど、中身はとても甘美な宝石のよう…とかどう?良い表現だと思わない?」
「どうじゃねぇよ聞けや。ステーキが美味いのは分かってるから一旦静かにしろよ。」
「へえ、そんなに美味かったかい?俺の焼いた肉は。」
ユーナに文句を言っていた時、突如骨太で低い声が俺の真後ろから話しかけてきた。振り返る間もなく、声の主は静かに笑いながらテーブル横に移動して俺とユーナに向き直る。
同時に姿を一見すると、平均を大きく超えるその巨躯にまず面を食らった。着ている服は隙間が見当たらない程に隆々な筋肉で張られており、身長は上の小梁にも余裕で手が届きそうなくらい大きい。
頭髪は丸刈りで無精髭を蓄えたその大男は、少し微笑みながら俺達2人を見つめて佇んでいる。
丸太のようなに太い両腕を組んでいる為分かりづらいが、エプロンを着用しているようだ。ということは……
「あ…めっちゃ美味いっす。もしかして……この料理作ったの…おやっさん?」
「ガッハッハ!その通りよ!この道一筋30年、言わずと知れた肉焼きの名人バーディンとは俺の事よ!ガッハッハッハッ!」
バーディン…バーディン?全然知らねぇけどとりあえず拍手しとこう。
自称している肩書きはともかく、このおやっさんが焼いたと思われるステーキ肉はマジで舌が転げ回るほどの美味さだった。見た目は完全に料理人って柄じゃないが、腕は確かなようだ。
「30年…!すごいですね…!このステーキ、本当に美味しかったです!」
「なら良かったぜ!それよりお前ら、全く運がいいもんだ!そのステーキのカロブースは近くの森で今日獲れた奴でな!肉の質は上物も上物、本来なら貴族様に献上されてもおかしくねぇ程の逸品だぜ!店が休みなら俺が食ってたとこだ!」
風貌に相応しい骨太声で、バーディンのおやっさんは豪快に喋り続ける。
なんと、今俺たちが食っているステーキ肉のカロブースは貴族が食うほどの上質食材だったようだ。
道理でユーナが分かりやすく舌鼓を打っていたわけだ。……マジで俺の舌肥えたりしないよな?
「改めて、店主のバーディンだ。今後ともご贔屓にな。」
「私はユーナと申します。それでこっちの金髪が…」
「フェンだ。よろしくな、おやっさん。」
「おう!…それにしても、お前らいくつなんだ?随分と若そうだが。」
「私たち両方16歳です。2カ月前に2人とも誕生日だったんですよ。」
「16か!イイねぇ若いってのは!だが観光目的なら、ちと来る場所を間違えたな。ここら辺は魔物が稀に現れるからオススメ出来ねぇぜ。見る限りお前ら2人だけだろ?」
「観光じゃねぇよおやっさん。俺ら冒険者なんだよ、2人でパーティ組んでんだ。」
「なに?冒険者なのか?…ほぉ〜、10代で冒険者とはとんだ命知らずだな。魔族や魔物は子供だからって手加減してくれないぞ?20歳を超えて大人になってからでも良かったんじゃないのか?」
「こっちにも事情があんだよ。それに、その20歳を超えた大人共とか魔族なんかよりも俺らの方がよっぽど強ぇから心配いらねぇよ。」
「ガハハハハ!生意気言うじゃねえか!なら坊主、その勢いで魔皇の野郎もぶっ倒してくれよ。奴がこの世界に存在するってだけで、こちとら明日すら心配で夜も眠れねぇぜ。」
「それこそ言われるまでもねぇな。俺らはその魔皇のクソ野郎をぶっ潰す為に旅してんだよ。」
俺がそう答えた瞬間、笑っていたバーディンのおやっさんは急に驚いた様子で口を半開きのまま固まってしまった。
何か得体の知れない物でも見たかのような表情だ。俺そんなに変なこと言ったか?
「……ク…ククク…クックックッ………」
「ガーッハッハッハッハッハ!そうか!こりゃあ一本取られたぜ!確かに言われるまでもねぇな!ガッハッハッハ!」
と思えば、今度は堰を切ったように豪快に笑い出し始めた。俺そんなに面白いこと言ったか?
「うし!なら未来の勇者様に出会えた記念だ、お前ら分の代金は特別にタダにしてやる!」
「…お?マジで?おやっさんマジ?」
「おう!他にも食い足りねぇなら遠慮なく頼め!」
「え!?いや、それは流石に悪いですよ…!」
「良いんだ良いんだ!全く、今日は最高だぜ!ダッハッハッハッハッ!」
猛々しく笑いながら、バーディンのおやっさんはそう言って満足そうに厨房の方へ戻って行った。
まさかおやっさん直々にタダ宣言を受けてしまうとは予想外だった。何が琴線に触れたのかは分からないが、どうやら気に入られたらしい。
「なんか…凄い人だったわね…色んな意味で。」
「ああ、この懐の広さは只者じゃねぇな。とりあえずよ、代金気にしなくていいならもっと料理頼もうぜ。俺このパルパッソの骨付き肉とギロの揚げ物がすげぇ気になるんだよな。一緒に食おうぜ。」
「ダメよ。ステーキ分無料にしてもらうだけでも充分なのに、これ以上ご厚意に甘える訳にはいかないわ。節度を弁えなさい。」
「いや良いだろ別に、おやっさんが良いって言ってんだぜ?つーか厚意うんぬん言うならよ、その厚意に全力で応えなきゃそれこそ失礼なんじゃねぇの?」
「とにかくダメ!どうしても他に頼みたいなら、私はもう良いから追加は1品だけにしなさい!それとその前にステーキをちゃんと食べ切ってよね!残すなんて許さないわよ!」
「……チッ…分かったようるせーな…」
柔らかいステーキ肉をナイフで切り分け、フォークで口に運ぶ。その様子を、ユーナは監視するようにじっと見つめてくる。
こんなの滅多に無い、せっかく代金を気にせず食い放題できる機会なのにユーナの奴は相変わらずだ。人には施すくせに人からの厚意は必要以上に受け取らない。1度決めたら絶対にその姿勢を変えない頑固な性格、こういう場面では非常に面倒臭い。
あ~…クソ……もっと食いたいもんあったのにあと1品ってなんだよ……こんな贅沢な事今後いつまた遭遇できるか分かんねぇのに、なんで節度なんか考えなきゃいけねぇんだよ…。
もうステーキ食い終わっちまうしなあ…あと1品……迷うな…骨付き肉か揚げ物か……いや待てよ?そういえば角煮とか載ってなかったか?うーんここに来て角煮が参戦か…。
ステーキ肉の最後のひと口を咀嚼しながら、次に頼む1品を何にしようか熟考する。
そんな時だった。
店内に、大きな音が響き渡った。
それは向かって左斜め方向にある入口から聞こえ、条件反射で目線を向ける。その視界に写った情報から、音の正体が勢いよく開かれた入口扉である事を把握した。
そして振動で揺れる扉の横に男が1人、入口で大きく息を荒らげて立ち竦んでいるのが見えた。男は全身泥だらけで服も所々破れており、何より左肩から前腕にかけて遠目からでも分かるほどの大きな裂傷と大量の出血痕が見える。何かに襲われたのか、どちらにせよ普通の様相ではない。
「はァ……は…………バーディン…さん………助け…てくれ…」
最後の力で絞り出したのか、男は震えた声でそう呟き直後その場に倒れ込んでしまった。
男が倒れてすぐさま、厨房にいたバーディンのおやっさんが倒れた男の元へ駆け寄った。おやっさんは男の手を握り、驚愕した様子で話しかける。
「ルベン!?おい大丈夫か!?どうした!何があったんだ!?」
「は……はぁ………息子が…モルが……魔物に…連れ去られた……」
「魔物だと!?お前ら西の森に入ったのか!?何故俺に言わずに入った!!」
「…バーディンさんの…捕った……カロブースを…誕生日の息子に食わせてやりたくて……それで入ってしまったんだ……モルは…私をこっそり付けてきていて……そこを………魔物に…」
「クッ……この大バカ野郎が…!護衛を付けずに結界を出るなとあれほど言っただろうが……!!」
「本当に…すみません……モルだけは助けて下さい……私はどうなってもいい……モルだけは…どうか……」
か細い声でそう言い残し、男は静かに意識を失った。おやっさんに事情を説明し、束の間の安心感から気絶したようだ。
左腕の負傷に加えあの出血量だ。体はとうに限界だったろうに、自分の子供を連れ去られた絶望感を胸中に抱えながら必死にここまで来たんだろう。
自分だって瀕死な筈なのに、自分を二の次にしてでもこの人は子供を助けたいんだろう。
ユーナの方へ視線を戻すと、刹那も経たない内に目が合った。どうやら考えている事は同じのようだ。
「…ユーナ。」
「ええ、いきましょ。」
椅子から立ち上がり、テーブル前の定位置に戻す。
ユーナは荷物袋を肩にかけ、赤い線が入った黒基調の両手杖を右手に持った。
2つ隣のテーブルに座っている老夫婦の後ろを通り、俺たち2人は入口の方へ向かった。
「…何言ってやがるルベン…もちろんモルは助けるさ…だがな…ひとり親のお前が助からねぇで、それで誰がモルを抱いてやれる…!!」
「もう我慢ならねぇ…!アリシア!裏口から俺の斧持ってこい!そんで…」
「バーディンさん、僭越ながら事情は聞かせて頂きました。」
ユーナの声に気付いたおやっさんが、俺たちの方に振り向いた。表情は先程までとは打って変わり、焦燥と怒りに満ちている。
「その魔物の討伐と子供の救出、私たち2人に任せて貰えないでしょうか?」
この世界には魔皇という、かつて世界の掌握を目論んだ最強最悪の存在がいる。
この世界にはその魔皇が創り出した、魔の存在という奴らがいる。
その一つである魔物は知能が低く、ただ本能に従い外敵を排除し続ける存在となる。
この世界にはそんな奴らに傷付けられ、命を失う人間が多く居る。
人類の数は多いが、戦える人間は数少ない。魔の存在が相手なら尚更だ。
「お前ら……だが………」
「おやっさん。」
「俺たちに任せろ。」
それでも、俺たちなら戦える。傷付けられ、命を脅かされている人達を助けられる。
だからこっから先は、俺たち2人の出番だ。




