↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/4

プロローグ

【勇者】

それは、世界を救った者に与えられる称号。

唯一無二の存在証明にして、最も誉高い肩書きとも言えよう。


ならば、そんな栄誉ある称号を手にするのはどんな人物であるべきか?

容姿端麗、十全十美、文質彬彬、博覧強記。秀でた能力や善性を表す言葉はたくさんあるが、あえて並べるならこれらだろうか。


「……あれ?え?……なっ!?ちょ、ちょっと!フェン!」


「あぁ?何だようるせぇな。」


「うるせぇなじゃない!さ、財布袋盗られた!あいつよあいつ!ホラ気付いて走ってった!!」



人徳深い性格で、困っている人が居れば迷わず手を差し伸べる。

糸を紡ぐような言葉遣いで、その心内は正に清廉で小川のように穏やかである。


「知らねぇよそれお前の財布だろ?俺関係ねぇじゃん。そんな事より俺は今から本屋行って…」


「バカ!!私たちの共用!活動!資金!あの中には生活費とかお小遣いも入ってんのよ!?」


「んだとテメェそれを先に言いやがれボケ!!今すぐ追いかけんぞ!!!」



あらゆる人間を惹きつけ魅了するその人格は、まさに聖者そのものとまで言われるだろう。

困窮する者が居れば分け与え、時には自身が泥を被ることさえも厭わない。


「最低!あんたホンット最低!私の財布だけだったら見逃すつもりだった訳!?」


「うるせぇ!大体てめぇこそ私物と共用活動資金を一緒くたにするとかふざけてんのか!!…ハッ!まさかユーナ、お前俺の小遣いちょろまかしてんじゃねぇだろうな!?」



……いや、流石に神格化しすぎかな?

と…とにかく勇者というのは、こういう様な立ち振る舞いをしてこそのものだと私は思ってる。

少なくとも、おとぎ話に登場するような勇者は実績だけでなく人格もまた優れているものだろう。人々を脅かす魔の存在を滅し、世界を救うだけではダメなのだ。


「な訳ないでしょバカ!くだらない事言ってないで早く追い付くわよ!私はこのまま追いかけるから、フェンは回り込んで挟み撃ちにして!!」


「いやお前の魔法で狙い撃ちしろよ!盗られたのはお前なんだからお前が労力割けよ!!」



きっとどの世界にも、どの国にも、三者三様の英雄譚や基準となる勇者像がある事だろう。

そしてそのどれにも、きっと前述のような特徴が少なからず当てはまる筈。


それも当然だ。だって【勇者】は、言わばその世界の主人公のようなものなんだから。


「あーもうホントにバカ!町中で魔法なんか使えるわけないでしょ!?ちょっとは考えてから発言しなさいよ!そもそも私がやるよりフェンの方が穏便に済ませられるんだから、回り込むのが嫌なら早く剣使って捕まえてきてよ!」


「はっ!?あんなクソ小物コソ泥に俺の剣使えってか!?ふざけた事抜かしてんじゃねぇぞ!!」


「じゃあ代案は!?ある!?無い!?無いのね!?はいじゃあ行ってきて!回り込むなり剣使うなり何でもいいから早く!」



だから……その…えーと……何が言いたいかと言うと…


「アレ全部盗られたら、今後1ヶ月はお豆で飢えを凌ぐ羽目になるわよ!!」



「…ッ!!あ〜〜〜めんどくせぇなあ〜〜!!」




…ウチの勇者が、ダメすぎてすみません。

丁寧な描写を心がけます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。