第二話
第二話
「涼香、顔色悪いけど大丈夫?」
教室に入って来た七海はまっすぐ涼香の方に行き、前の席に座った。
「うん、七海ありがとう。少し模試の復習をして寝不足なんだ」
「さすが、涼香だね」
本当の事でもあったし、嘘でもあった。適当にごまかしてしまえばと思い言ってしまった言葉。七海がくれた短いけど幼馴染だから感じてしまった暖かい言葉に涼香は、感謝と申し訳なさの気持ちでいっぱいだった。
いつもの会話をしようと顔を上げると、七海は手に持っていたカバンの中を探っていた。
「涼香って今週の土曜日って予定あるかな?」
少し悩んだが、
「いい仕事には気分転換も必要」
父の言葉が頭の中に浮かんだ。
「うん、大丈夫だけどどうしたの?」
涼香自身も、最近根を詰めすぎたと自覚があったし、母との会話になればと思い、行く事に決めたのだ。その言葉を聞いた七海は笑顔で、取り出したスマホのお守りを見せてきた。
「このお守りを買ったお店に一緒に行きたいんだ」
七海はスマホのマップアプリを開いて、こちらに見せてきた。見てみると、意外と近くにあり知らない店だと少し興味が沸いた。
「それ昨日のホームルームの時に見せてくれたよね」
模試の結果の時で、既製品にしては、少し不格好だなと思ったので余計に印象づいていた。
「そうそう。実はSNSでちょっと噂になってて、効果があったら涼香に話そうと思ってさ。それでこの前の模試良かったから」
まっすぐこちらを向いて話す七海は最後に。
「それに私、一緒の大学に行きたいの」
七海のまっすぐな決め台詞の様な言葉に、思わず笑ってしまった。それにつられて七海も笑っていた。
「いいよ、じゃあ案内お願いね」
そう涼香が笑顔で返すと、朝のホームルームのチャイムが教室に鳴り響くのだった。




