幸せな時間
わたし達はお湯に顔をつけ頭まで浸かり鼻をブクブクとさせた。
やっぱりこれはもう楽しくて仕方がない。だって、シロッコも一緒に潜っているんだよ。
ブクブクブクブクと鼻をブクブクさせる。ミケにゃんとシロッコとより仲良くなれたそんな気がした。
「お風呂で鼻をブクブクは楽しいよ~」
「た、楽しいにゃ~ん」
「にゃはは、楽しいにゃ~ん」
わたし達はお湯から顔を上げ叫んだ。シロッコも楽しんでいるようで良かった。
「じゃあ、もう一回潜るよ~」とわたしは元気に言った。
「は~い、潜るにゃん」とミケにゃん。「お風呂遊びがこんなに楽しいなんてね」と言ってシロッコは笑った。
「せ~の!」、「せ~のにゃん!」とわたしと二匹の猫達は声を合わせて潜った。
そして、お湯に顔を浸けて鼻をブクブクブクブクさせた。こうしていると嫌なことなんて忘れることができる。うふふ、楽しいな。
お湯から顔を出すとミケにゃんとシロッコも笑っていた。アヒルのおもちゃとカラフルな鳥のおもちゃもぷかぷかと浮いていて癒される。
「あ~楽しかったね」
「うん、お風呂がこんなに楽しいにゃんてね」
シロッコもとびっきりの笑みを浮かべた。
「シロッコちゃんてば大人になってからも楽しいことを発見したにゃんね」
ミケにゃんはシロッコの顔を見てにゃぱっと笑った。
「うん、そうただね。これからの猫生も楽しいことを見つけて生きていきたいな」
そう言ったシロッコの表情は生き生きしていた。
お風呂から上がると少しのぼせたけれど元気だ。
「さあ、カモミールティーでも飲んでゆっくり休もうにゃん」
シロッコが温かいカモミールティーを淹れてくれた。
温かいカモミールティーは優しい香りがしてとても美味しくて体も心もあたたかくなった。
「うん、美味しいな」
「これでゆっくり眠れるにゃん」
「ミケにゃんもスヤスヤにゃんだよ」
「あ、ミケにゃんちゃんてばクッキーも食べてるの」
ミケにゃんに視線を向けるとカモミールティーを飲みながらクッキーを食べているのだった。
「満里奈ちゃんにもあげるにゃん。シロッコちゃんにもね」
ミケにゃんはお皿にクッキーを盛ってくれた。就寝前だよと思ったけれどせっかく分けてくれたのだから有り難くいただこう。
「ミケにゃんちゃんありがとう」
わたしはにっこり笑いクッキーに手を伸ばした。
「ミケにゃんありがとうにゃん」と言ってシロッコもクッキーに手を伸ばした。
わたしとシロッコはほぼ同時にクッキーを口に放り込んだ。バターの濃厚な香りが口の中にふわりと広がった。
「美味しいね」とわたしとシロッコは笑い合い、ミケにゃんもニコニコと笑いながらクッキーを食べている。
カモミールティーとクッキーはわたしの心をほっこりゆったり癒してくれた。今日は良い夢を見ることができそうだ。
わたしは、ふふっと笑いながらカモミールティーを飲んだ。
部屋に戻るとわたしは眠たくなったので、すぐにベッドに入った。
気がつくとわたしは夢の中にいた。どんな夢を見たのか忘れるくらい良い睡眠をとれた。もしかしたら幸せな夢を見ていたのかもしれない。
翌朝、わたしはカラフルな鳥のちゅーんと鳴く鳴き声で目を覚ました。爽やかな朝だった。
今日もいつものように庭の掃き掃除をした。朝の空気を胸いっぱいに吸い込むと気持ちいい。
このもふもふパラダイス独特のカラフルな鳥が上空を飛んでいる。大空を自由に飛べて気持ち良さそうだな。ちょっと羨ましい。
「鳥さん、おはよう」
カラフルな鳥は上空を楽しそうに飛び回りちゅーんちゅーんと鳴きわたしに返事をしてくれたのかもしれない。
青い空とカラフルな鳥を眺めていると、わたしにも何か特別な力があればいいのになと思った。まあ、この世界に来たこと、それがシロッコの力の恩恵を受けているけれど。
よく考えると凄いことだよね。シロッコに出逢わなければこのもふもふパラダイスに来ることなんてきっとなかったのだから。
「おはようございます」
「あ、おはようございます」
郵便配達員のキツネさんが手紙を差し出した。
「配達ご苦労様で~す」
わたしは手紙を受け取り挨拶をした。
「今日は良い天気ですね」とキツネの郵便配達員さんが言った。
「はい、空が青くてとても綺麗ですね」
「もふもふカフェさんにまた、お茶を飲みに来ますね」
「待ってま~す!」
「では、良い一日を」と言ってキツネの郵便配達員さんは自転車に跨がり去っていく。郵便配達員が動物であることにもわたしは慣れた。
わたしは、ふんふんと鼻歌を歌い掃き掃除をした。大空を飛ぶカラフルな鳥も歌を歌うかのように、ちゅんちゅんちゅん♪ と鳴いているのだった。
昨日湯船にぷかぷかと浮いていたカラフルな鳥のおもちゃを思い出しわたしはクスッと笑った。
「今日も良い一日になりそうだね」
わたしは、笑みを浮かべ空を見上げた。




