ただいま〜
椿ちゃんと「またね~」と手を振り合い別れた。
楽しい買い物だった。
「ただいま~」とミケにゃんと声を合わせて、カフェの扉を開けた。
「おかえりなさ~い!」
シロッコが笑顔で迎え入れてくれる。
「ミケにゃんね、満里奈ちゃんにパグちゃんのぬいぐるみを買ってもらったんだよ~見てみてにゃん」
ミケにゃんは言いながらリボンをほどく。ラッピングバッグからじゃーんとパグのぬいぐるみが出てきた。
その顔は大きな目にお鼻はぺちゃんこにつぶれていて額はシワシワで面白可愛かった。
「にゃはは、ぶさかわなパグちゃんだね」
シロッコはパグのぬいぐるみを手に取りにゃははと笑った。
「このパグのぬいぐるみちゃんをミケにゃんは大切にするにゃん」
ミケにゃんはシロッコが手に取っているパグのぬいぐるみの頭を撫で「あ、名前をつけなきゃにゃん」と言った。
「そうだね。可愛らしい名前をつけてね」
わたしもニコニコ笑う。
「うん、じゃあ、満里奈ちゃんに買ってもらったからマリパグちゃんにするにゃん」
ミケにゃんはあっさり名前をつけた。
「マリパグちゃんか~うん、可愛い名前だね」
「ミケにゃん良かったね」
シロッコがミケにゃんにマリパグちゃんを返しながら言った。
「うん、良かったにゃ~ん。ミケにゃんはお部屋にマリパグちゃんを飾ってくるにゃ~ん」
ミケにゃんはとてとてにゃんと軽い足どりで出ていった。
わたしはその可愛らしい後ろ姿をじっと眺めた。
「ミケにゃんは本当に騒がしい子だね。可愛いけどにゃん」
シロッコはクスクス笑いわたしの顔を見た。
「うふふ、だよね。ミケにゃんちゃんは憎めない可愛らしい猫ちゃんだよ~」
「満里奈ちゃんもお買い物楽しめた?」
「うん、めちゃくちゃ楽しかったよ~」とわたしは笑顔で答えた。
楽しく友達とお買い物ができて、帰ってくる場所があることは幸せだなと思った。
その日の夕食はミネストローネ、エビピラフにポテトサラダだった。わたしはじゃがいもの皮むきを手伝った。
シロッコが、「いただきま~すにゃん」と肉球のある可愛らしい手を合わすとわたし達もそれに続き、手を合わせた。
「ねえ、ミケにゃん、テーブルに不細工なパグが置いてあるけどそれは何かな?」
うさぴーがマリパグを指差した。
「にゃはは、この子はマリパグちゃんだにゃん。満里奈ちゃんに買ってもらったんだよ。って不細工ってちょっと酷いにゃん」
ミケにゃんは口を尖らせている。
「だって、そのパグちゃん鼻はぺちゃんこでおでこなんてシワシワだよ」
「むむっにゃん。シワシワって失礼にゃん。それにこの子の名前はマリパグちゃんだにゃん!」
ミケにゃんはうさぴーをギロッと睨んだ。
「ふ~ん、マリパグちゃんなんだね。まあ不細工は取り消してぶさかわにしてあげるよ」
「うさぴーってばマリパグちゃんはミケにゃんの大切なぬいぐるみちゃんなんだからね」
ミケにゃんはそう言ってマリパグをぎゅっと抱きしめた。
「ねえ、ミケにゃんちゃんマリパグちゃんを可愛がってくれるのは嬉しいけどお部屋に飾ったんじゃないの?」
「うん、飾ったんだけど一緒にご飯を食べたくて連れて来たにゃん」
ミケにゃんはにゃぱにゃぱと笑いマリパグの頭を優しく撫でた。
「あはは、ミケにゃんちゃんってば」
わたしはそんなミケにゃんが可愛くて、それと同時にちょっと可笑しくて笑ってしまった。
「さあ、ミケにゃんはミネストローネを食べるにゃん」
ミケにゃんはスプーンを握り口を大きく開けた。そして、「うん、美味しいにゃ~ん!」と言って満面の笑みを浮かべた。
ケンはミケにゃんをチラリと見て「……呆れたよ」と呟いた。
わたしは、「まあ、いいじゃないのぬいぐるみを可愛がってくれているんだからね」と言ってミネストローネをスプーンで食べた。
うん、美味しい。




