パグのぬいぐるみとミケにゃん
「ミケにゃんにこのパグのぬいぐるみちゃん似合っているかにゃん?」
ミケにゃんがパグのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて聞いてきた。
その姿はあまりにも可愛らしくてたまらなかった。だって、もふもふな猫のミケにゃんがもふもふパグのぬいぐるみを抱っこしているのだから。
「ミケにゃんちゃんに似合って」とわたしが言いかけたその時、
虎猫がダッシュでこちらにやって来た。そして、「お客様にその面白可愛いパグのぬいぐるみはお似合いですにゃ~ん!」と言った。
「虎猫さん、それは本当ですかにゃん? ミケにゃんに似合っていますかにゃん?」
ミケにゃんはパグのぬいぐるみの頭を撫でながら目をキラキラと輝かせた。
「はい~お客様にそれはもう似合っていますにゃん。あ、そのパグのぬいぐるみの次の入荷は決まっていないんですよ」
虎猫はそう言ってミケにゃんの顔をじっと眺めた。なんだか商売上手な虎猫さんだなと思いながらわたしはその様子を眺めた。
「えっ! 次の入荷は決まっていない……。ミケにゃんこのパグちゃんお気に入りにゃん」
ミケにゃんはぶさかわなパグのぬいぐるみに目を落としぎゅっと抱きしめた。
もうミケにゃんのその姿は可愛らしくてたまらない。
「はい、なのでお買い上げされた方が良いかなと思いますにゃん」
虎猫はにんまりと笑った。
「……ミケにゃん、このパグのぬいぐるみちゃん欲しいにゃん。でもおこづかいがにゃん……」
ミケにゃんはそう言いながらパグのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめている。
虎猫はミケにゃんから視線をわたし達に移した。
それってもう……。
わたし達にパグのぬいぐるみを買ってくださいと言っているみたいだよ。
ミケにゃんに視線を向けると今もパグのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめていた。
クゥー。もう可愛すぎてミケにゃんとパグのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめたくなってしまったじゃないか。
「パグのぬいぐるみ買わせてもらいますよ」
わたしは思わず言ってしまった。
「お客様~ありがとうございますにゃん。では、早速お包みさせて頂きますますにゃん」と虎猫はすかさず言った。
「満里奈ちゃん、ありがとうにゃん」
ミケにゃんは目をうるうるさせてお礼を言った。
その顔があまりにも可愛らしくて頬が緩んでしまう。
「満里奈ちゃんってば買わされてしまったね」
振り向くと椿ちゃんが口元に手を当てて笑っていた。
「……だって」
「うふふ、そんなこと言ってる間にパグのぬいぐるみがラッピングされているよ」
見ると、虎猫がラッピングバッグにリボンをくるくる巻き結んでいた。
「あはは、ラッピングされているね」
「お客様~お買い上げありがとうございますにゃ~ん。もふパラ千円ですにゃん」
虎猫はそう言いながら肉球のある可愛らしい手を差し出した。
わたしはその可愛らしい手にお金を置いた。
「にゃはは、お客様ありがとうございますにゃん」
虎猫はにんまりと笑いそれからミケにゃんにラッピングされたパグのぬいぐるみを渡した。
受け取ったミケにゃんは、ぴょんぴょん飛び跳ね大喜びだ。
お財布は寂しくなったけれど、まあいっかミケにゃんが喜んでくれたのだから。
わたしは虎猫の洋服屋さんで服は買わなかった。
だって、ミケにゃんにぬいぐるみを買ってあげたし、洋服の値段もけっこうお高かったので……。
でも、楽しい時間を過ごすことが出来たしミケにゃんもパグのぬいぐるみを抱っこして満面の笑みだから良いのだ。それと、ハンカチ一枚買ったのだ。
「ミケにゃんはパグちゃんと今夜からお布団で一緒に寝るにゃん」
ミケにゃんはパグのぬいぐるみが入っているラッピングバッグをぎゅっと抱きしめながら言った。
「良かったね。ミケにゃんちゃん」
わたしもにっこり笑顔になる。
「うふふ、満里奈ちゃんにプレゼントしてもらえて良かったね」
椿ちゃんも笑顔だ。
「うん、ミケにゃんは幸せなにゃんこだよ」
「ミケにゃんちゃんは幸せなにゃんこだって、満里奈ちゃん」
椿ちゃんがわたしの肩をぽんと叩いた。
「うふふ、パグのぬいぐるみで幸せなにゃんこになってもらえてわたしこそ幸せだな~」
嬉しくて、わたしの顔は綻ぶ。
「それに猫柄のハンカチみんなでお揃いなのも嬉しいよね」
「うん、めちゃくちゃ嬉しいよ~わたしがピンク色で、椿ちゃんは水色そして、ミケにゃんちゃんは赤色だもんね」
そうなのだ。買ったハンカチはみんなで色違いでお揃いなのだ。
「ミケにゃんも嬉しいにゃ~ん!」
ミケにゃんはぴょんぴょん飛び跳ね、それからくるくる回転した。
わたしも思わずミケにゃんの真似をしてぴょんぴょん飛び跳ねた。すると、椿ちゃんもぴょんぴょん飛び跳ねるのだからちょっとびっくりした。
みんなで仲良くぴょんぴょん飛び跳ねながら家路に向かう。




