もふもふ学校が楽しみです
この日の夜はもふもふ学校のことを考えるとわくわくしてなかなか寝つけなかった。寝返りを何回打ったことだろうか。
眠りの世界に落ちると夢の中でもふもふな動物達と校庭のブランコに乗りゆらゆらと揺られている。そんな夢を見た。
ブランコをぐんぐん漕ぐと幼い日に戻ったそんな感覚になったところで目が覚めた。
「夢だったのか」と呟きでも、今日からもふもふ学校に通うんだと思うとにやけてしまった。
朝食を食べ終えるといよいよもふもふ学校へ登校するのだ。朝、トマトケチャップマヨネーズパンを食べたことは覚えているけれど、頭の中はもふもふ学校のことばかりで味は忘れてしまった。
「満里奈ちゃ~ん! ミケにゃんと一緒に学校に行きましょうにゃん」
ミケにゃんがにゃぱにゃぱと笑って言ったのだけど、そのお口の周りは相変わらず真っ赤なケチャップまみれだった。
「ミケにゃんちゃんってばケチャップでお口の周りがばっちくなっているよ」
わたしは、笑いながら紙ナプキンを手に取りミケにゃんのお口の周りを拭いてあげた。
「ありゃまにゃん。ありがとう、満里奈ちゃん。ミケにゃんってばまたまたお口の周りを汚してしまったにゃん」
「もうミケにゃんちゃんってば、学校に行くんだよね」
「もちろん、満里奈ちゃん達が初登校するだもん」
ミケにゃんはもふもふな可愛らしい笑顔を浮かべた。
「さてと綺麗になったみたいだよ」
わたしはが拭いてあげた紙ナプキンは真っ赤なトマト色に染まった。
「ありがとうにゃん」
「どういたしまして~さあ、もふもふ学校に登校するわよ~」
わたしは真っ赤なトマト色に染まった紙ナプキンをごみ箱に捨てた。
「さてさて、楽しみだよ」
わたしはクローゼットの中から鞄を選んだ。自由とのことだったので薄紫色の鞄を通学鞄にすることにした。
そして、制服もないのでどうしようかなと悩む。
わたしは迷って紺のブレザーにチェック柄のネクタイにチェック柄のミニプリーツスカートを穿き高校生らしい服を選び着替えた。
全身鏡の前に立ち髪の毛を高い位置でポニーテールに結わえる。
「うん、高校生らしいよね」
わたしは鏡に向かいにっこり笑ってみせる。
さあ、今から学校だと思うと嬉しいのだけどちょっとドキドキしてきた。
一階に行くとミケにゃんとケンがわたしを待っていた。
「さあ、満里奈ちゃん学校に行きましょうにゃん!」
にゃぱにゃぱ笑うミケにゃんは赤色のボーダーTシャツに紺色のスカートを穿き猫の絵柄が描かれている可愛らしい斜めがけ鞄を肩に掛けている。
黒色パーカーにジーンズの定番コーデのケンは嫌そうな顔をして立っていた。
「うん、お待たせ~もふもふ学校に出発だよ~」
わたしは元気よく言った。
「元気な奴だな」とケンがぽつりと呟いた。
「ケンはもっと嬉しそうな顔をしなくちゃね」
わたしがニコニコ笑うと、「馬鹿らしい」とケンが言った。どうしていつも不機嫌なのだろうかと思う。
「満里奈ちゃん、ケン、ミケにゃん気をつけていってらっしゃい」
シロッコが奥の部屋から出てきて言った。
「は~い、シロッコちゃんいってきま~す」
「は~い、いってきますにゃ~ん」
わたしとミケにゃんは元気よく挨拶をした。
シロッコは「勉強頑張ってね」と肉球のある可愛らしい手を振った。
「は~い、頑張りま~す!」、「は~い、頑張りま~すにゃん」とわたしとミケにゃんは元気よく返事をした。
一方ケンは「いってきます」とだけ言ってぶっきらぼうなのだ。
わたし達が学校に向かおうとしたその時、パタパタと唯奈ちゃんが玄関に走ってきた。
「満里奈ちゃん、ケン君、今日から学校頑張ってね。それとミケにゃんちゃんも頑張るんだよ」
唯奈ちゃんがわたし達の肩を優しくぽんぽんと叩きながら言った。
「うん、もふもふ学校で心を新たにして頑張るね」
地球の学校で出来なかったことをもふもふ学校では出来るように頑張ろうと思う。
「満里奈ちゃんは強い子だからきっと大丈夫だよ」
唯奈ちゃんのわたしを見つめるその目はとても優しくほんわかしていて勇気をくれる。
「ありがとう、この世界で素敵な学生生活を送れたらいいな」
「元の世界の学校ではわたし先生だったけど力になれなくて……ごめんね。わたし、満里奈ちゃんを応援しているからね」
「唯奈ちゃんは、歌でわたしに元気をたくさ~んくれていたよ」
そう唯奈ちゃんの歌を聞いて元気になった。それが先生になってしまいちょっとがっかりしたけれど、唯奈ちゃんは先生の仕事も頑張っていた。
「そっか、ありがとう。じゃあ、気をつけていってらっしゃい」
「うん、いってきま~す」
「ミケにゃんもいってきま~すにゃん」
わたし達は元気よく歩き出した。




