楽しい授業風景
生徒達も可愛らしいもふもふな猫やうさぎに犬やそれからふくろう、プレーリードッグ、猿にリスなどそれはもう様々な動物達が授業を受けているのだった。
先生が黒板に板書したものをもふもふな動物達は真面目にノートに書き写しているのかと思いきや三角形に折った手紙やハート型に折った手紙などを先生に見つからないように回しているではないか。
先生はそんな生徒の様子に気づいていないようだ。
それと、もふもふな動物以外に人間の生徒もいた。本当に人間ももふもふ学校に通っているんだなと思うとちょっとホッとした。
人間の生徒は高い位置でポニーテールにした女の子やおかっぱ頭の女の子やそれから坊主頭の男の子にマッシュヘアの男の子もいた。もふもふな動物達と同じように手紙を回しているではないか。
「……困った子達ですにゃん」
マッシロ先生は生徒達をちらっと見て呆れたように笑った。
「ミケにゃんはお手紙ごっこに参加したいにゃん」
「こらこらミケにゃんちゃん授業中はお勉強をしなきゃダメよにゃん」
「にゃはは、お勉強にゃん」
なんて話をしているともふもふなふくろうがわたし達に気づき大きな目をより大きく見開きしまったというような顔をしている。
「皆さんちゃんとお勉強をしましょうにゃん」
マッシロ先生のその声に生徒達と黒板に板書をしていた先生が振り返りこちらを見た。
「あら、マッシロ先生じゃないですかにゃん」
猫のもふもふな先生が言った。
「今日は学校見学のお友達が来ているわよにゃん。満里奈ちゃんとケン君よ」
マッシロ先生がわたしとケンを紹介した。
「あら、久しぶりに人間の男の子と女の子が見学に来たんだにゃん」
「わたしは川本満里奈、高校一年生十五歳です。よろしくお願いします」
わたしはぺこりと頭を下げた。
「俺はケンです」
ケンは嫌そうに名前だけ言った。
「元気な満里奈ちゃんとちょっと不機嫌なケン君ね。わたしはキラッナよ」
もふもふな猫の先生ことキラッナ先生はチョークを粉受に置きにっこりと笑った。
「楽しそうな学校ですね」
わたしはキラッナ先生の顔を見てそれから教室の中をぐるりと見回しながら言った。
「気に入ってもらえて嬉しいですにゃん。ではゆっくり見学してくださいね。さあ、みんなはお勉強の時間よにゃん」
キラッナ先生はわたしとケンの顔を交互に見てにっこり笑いそして、生徒達の顔をじっと見た。
生徒達は手紙をサッと机の中に隠し黒板に向き直った。
それからわたし達はしばらくの間授業風景を見学した。
「では、そろそろ行きましょうか。満里奈ちゃんやケン君の学年のクラスもチラッと見学してくださいねにゃん」
マッシロ先生はそう言って小さい一年生の教室から出る。わたし達もその後に続いた。
「さあ、次は三階の教室に行きますよにゃん」
マッシロ先生はにゃんにゃんと階段を上り三階の教室に向かう。わたしは階段を上りながら同じ学年の生徒達がよい子達でありますようにと祈った。
三階に着くと長い廊下をまっすぐに歩いた。そして、マッシロ先生が「この教室ですにゃん」と言って立ち止まった。
室内札を見ると『十年生の教室』と書かれていた。
「十年生の教室?」
わたしは室内札を見上げ呟いた。
「そうよ、十五歳、十六歳は学校に通い始めて十年目ですからにゃん」とマッシロ先生が言った。
そうか、このもふもふ学校は小中高一貫みたいな感じなんだねと思った。




