ミケにゃんの絵
「満里奈ちゃん、ミケにゃんってば学校見学が楽しみだにゃん」
気がつくとミケにゃんがわたしの隣をにゃんにゃんと歩いていた。
「楽しみだってミケにゃんちゃんはこの学校の生徒なんだよね」
「にゃはは、そうだったにゃん。でも、楽しみなんだもんにゃん」
ミケにゃんはそう言いながら肉球のある可愛らしい手で頭を掻いた。
「ミケにゃんちゃんは学校が好きなんだね。ってそういえば今日はミケにゃんちゃんは学校お休みなのかな?」
さっきからもふもふな動物達の姿を見かけるので不思議に思い聞いた。
「あ、それにゃん、ミケにゃんは自由に好きな日に登校出来るプランなんだにゃん」
「えっ! 登校日を自由に選べるんだね」
「うん、そうだよ」
「そっか、でも、ミケにゃんちゃんはわたしが知っている限り学校に行っていないよね」
わたしがそう言うと、ミケにゃんは「大好きな学校だからこそ嫌いにならない為にもお休みする時はど~んと休むのだにゃん」
ミケにゃんはそう言って胸を張った。
「そっか、そうなんだね」
わたしは、やっぱり猫はマイペースで羨ましいなと思いながら視線をミケにゃんに向けた。ミケにゃんのその横顔はとても嬉しそうだったのだ。
ミケにゃんとそんな話をしながら廊下を歩いていると、「こちらが美術室ですにゃん」と言ってマッシロ先生が室名札に美術室と書かれている教室の前で立ち止まった。
マッシロ先生に続いて教室に入ると美術机がズラズラと並んでいて棚の上には筆洗いやパレットなどが置かれていた。
そして、壁には生徒が描いたと思われる絵が飾られていた。
「うわぁ~可愛らしい絵だね」
わたしが言いながら絵を眺めていると、ミケにゃんが「この絵はミケにゃんが描いたにゃん」と言って指差した。
見ると、ミケにゃんにそっくりな猫の女の子とお母さん猫ぽい猫が笑顔を浮かべて立っている絵だった。
ミケにゃんの絵は可愛らしいなと思ったのと同時にミケにゃんのお母さんは今どうしているのかなと思った。
ミケにゃんに視線を向けると無邪気な顔で絵を眺めている。ケンからミケにゃんは両親から半分捨てられた感じだと聞いていたので気になる。
「ミケにゃんのお母さんはお料理が苦手だったんだにゃん。でも、野菜炒めは美味しかったにゃん」
ミケにゃんはそう言って絵の中で微笑みを浮かべているお母さんをじっと眺めている。ミケにゃんは無邪気で食いしん坊でそしてお転婆な女の子だけど、きっといろんな思いを抱えているんだろうなと思った。
「ミケにゃんちゃんは絵が上手なんだね」
「わ~い! ミケにゃんってば満里奈ちゃんに褒められたにゃん」
にゃぱにゃぱと笑うミケにゃんはやっぱりキュートだった。
そんなミケにゃんをわたしもこの美術室にいるみんなも優しく見守った。
「生徒達の絵を飾っているんですよにゃん」
黙っていたマッシロ先生がニコニコ笑いながら言った。
「可愛らしい絵が飾られていて癒しの空間ですね」
「満里奈ちゃんも入学して可愛い絵を描いてくれると嬉しいにゃん。あ、ケン君もね」
「は~い、楽しみ~」
わたしは、マッシロ先生に返事をしながらケンに視線を向けるとケンはぼんやりと絵を眺めていた。
「じゃあ、そろそろ行きましょうかにゃん」
わたし達は美術室を後にした。
次はどこに行くのかな? 楽しみだなとわくわくしながらわたしはマッシロ先生の後ろを歩いた。
わたしは、このもふもふ学校に通いたいなと思った。きっと、ここならありのままのわたしでいても誰も嫌な顔なんてしないだろうなと思った。




