みんなでもふもふ学校を見学しよう
「俺ももふもふな動物は嫌いじゃないよ。だけど学校に通うのって面倒くさいよね。その時間寝ている方がいいよ」
ケンは冷めた口調で言った。
「寝ている方がいいってなんだかちょっと勿体ないよ。せっかくもふもふのいる異世界に来たんだから楽しもうよ、ケン君」
わたしはケンの顔を見てニッと笑ってみせた。
「ふ~ん、そうかな……寝ていると疲れも吹き飛ぶからね」
ケンは、そう言って眠たい目をした。
「確かに寝ていると疲れもとれるし癒されるけどやっぱり学校に行く時間も楽しいと思うよ。ケン君も一緒にもふもふ学校の見学会に行こうよ」
「……見学会ね。眠たくなりそうだよね」
ケンはそう言って大きく口を開けてふぁーとあくびをした。
そんなケンを見ているとふと、ケンは元の世界にいた時はちゃんと学校に行っていたのかなとかどんな生活をしていたのかなと考えた。
「まあ、無理にとは言わないけど良かったら一緒に見学会に行こうね。さてと、わたしは掃除をしようっと」
わたしはそう言って箒を握り庭に出た。
今日の掃き掃除は鼻歌を歌いながらした。すると、単調な作業も集中することが出来ていつもより庭も綺麗になったような気がした。
途中から唯奈ちゃんも加わり一緒に鼻歌を歌いながら掃き掃除と花の水やりをした。
唯奈ちゃんは鼻歌も美しい歌声なのでお花も喜んでいるように見えた。
そして、気がつくと空をカラフルな鳥達が飛び交っていた。その鳥達もなんだか楽しそうに飛んでいるように見えた。
シロッコの美味しい朝食を食べ終えるといよいよもふもふ学校の見学に行くのだった。
「さあ、行くよにゃん」
「は~い!」、「はいにゃん」とわたしとミケにゃんは元気よく返事をした。それとケンも嫌な顔をしながらももふもふ学校の見学会に参加をするようなのだ。
わたし達はシロッコの後に続いて歩いた。空は青くて木々は緑色でとても綺麗だった。今日は、もふもふ学校の見学日和だ。
シロッコは花と緑に囲まれた石造りの建物が立ち並ぶ美しい道をにゃんにゃんと歩く。外を歩くとここはわたしの住み慣れた日本ではないし地球でもないことに改めて気づかされる。
買い物かごを提げたもふもふな動物達が歩いていたり、郵便物を配達しているのはうさぎであるし家の前の花に水やりをしているのも猫なのだ。
遠くに来たものだなと思いながらわたしはどんどん歩く。歩くと気持ちいい風が頬を撫でる。
「さあ、そろそろ着くにゃんよ」と言ってシロッコがこちらを振り向いた。
「わ~い、着くんだね」
「うん」と言ってシロッコがにゃんにゃんとしばらく歩きそして、「着いたにゃん」と言って立ち止まった。
見ると、石造りの校門に『もふもふ学校』と学校名が書かれた銘板が貼り付けられていた。その奥に校舎が見えた。
「ミケにゃんもこの学校に通っているんだよ」
そう言ってミケにゃんは校門の前で胸を張った。その姿が可愛くてたまらなかった。
「さあ、行くにゃんよ」
シロッコはにゃんにゃんと歩き出した。わたし達も後に続いた。
校門を抜けると色とりどりの花が咲き乱れていて噴水もありとても綺麗な世界が広がっていた。そして、わたし達はもふもふ学校の正面玄関にたどり着いた。校舎は三階建てだった。
「では、校舎の中に入るにゃんよ」
そのシロッコの声にわたしは「は~い!」と答えながらワクワクドキドキしてきた。
では、わたしは満里奈はもふもふ学校の見学をします。
廊下には生徒が描いたと思われる動物の絵や花の絵などが貼られていた。わたしは可愛らしいなと眺めながら歩いた。
猫やうさぎや犬にそれからコアラなどのもふもふ動物が廊下を歩いている。
「こんにちは~」とシロッコが挨拶をすると、動物達は元気よく「こんにちは~」と返事を返し礼儀正しい。
わたしも動物達に挨拶をした。すると可愛らしい動物達の挨拶が返ってくるので嬉しくてたまらなかった。思わず鼻歌を歌いそうになる。
シロッコを先頭にしばらく歩くと、室名札に職員室と書かれている部屋の前でシロッコが立ち止まった。
「先生を呼んで来るにゃん」とシロッコは言ってコンコンとノックして扉を開き入室した。
わたしがわくわくしながら待っていると、
「お待たせにゃん」と言って出てきたシロッコの隣に黒色のカーディガンに赤色のフレアスカートを穿いているシロッコによく似た真っ白なもふもふ猫が立っていた。
きっと、教師だろう。
「先生のマッシロさんだにゃん」とシロッコが紹介してくれた。
「わたしは、川本満里奈高校一年生十五歳です」と挨拶をした。
「あらあら、元気な人間の女の子ね。高校一年生って何かしらにゃん? 満里奈ちゃん、よろしくねマッシロです」
マッシロ先生はにっこりと笑いわたしの顔を見た。
「ケンも挨拶をしたらにゃん」
「……ケンです」
ケンはシロッコに言われて面倒くさそうに名前だけ言った。
「あらあら、不機嫌そうなお顔ね。マッシロです。よろしくにゃん」
マッシロ先生は笑顔を浮かべている。
「では、学校を簡単に案内しますにゃん」
わたしが答える前に「は~い!」とミケにゃんが手を上げた。
「あらあら、ミケにゃんちゃんはこの学校の生徒でしょ」
マッシロ先生はちょっと呆れたように微笑みを浮かべた。
「でも、ミケにゃんも見学するんだもんね」
「はいはい、ではみなさん行きますにゃん」
マッシロ先生はそう言って歩き出した。
わたしは「は~い」と答え先生の後に続いて歩いた。




