もふもふ学校を見学してみます
「満里奈ちゃんもふもふ学校の見学してみる?」
シロッコがお吸い物をずずずっと啜りながら聞いた。
「見学? うん、してみたいな~」
「じゃあ、明日早速行ってみるにゃん?」
「えっ! 行ってみるって明日見学出来るの?」
「うん、もふもふの学校はいつでも見学歓迎らしいにゃん」
シロッコは啜っていた器をテーブルに置きにんまりと笑った。
「ちょっとドキドキしちゃうけど明日もふもふ学校の見学をお願いしようかな?」
「じゃあ決定にゃん! わたしがもふもふ学校の先生に連絡しておくにゃんね」
「うん、ありがとう。お願いするね」
もふもふ学校の見学は嬉しいけれど、それと同時に心配にもなった。だって、もし、もふもふ学校の先生に嫌われたらどうしようかなと考えると不安な気持ちが込み上げる。
「満里奈ちゃん、良かったね」と、肩をトントンと優しく叩かれた。振り向くと唯奈ちゃんがにっこりと微笑みを浮かべていた。
「あ、うん、楽しみなんだけどね……」
「もしかしたら心配しているの?」
「うん……ちょっとだけね」
「大丈夫だと思うよ。満里奈ちゃん自信を持ってね」
そう言って柔らかい笑顔を浮かべる唯奈ちゃんの顔を見ると何も心配することはないんだと思えてきた。
「うん、そうだね。ありがとう唯奈ちゃん。明日が楽しみだよ~」
わたしは満面の笑みを浮かべた。
「そうだ、ミケにゃん満里奈ちゃんの学校見学について行くにゃん」
「ミケにゃんちゃんついてきてくれるの?」
「うん、ミケにゃんがついて行けば鬼に金棒だにゃん」
胸を張るミケにゃんの口の周りには相変わらずうなぎのタレがべったりとくっついているのだった。
「ミケにゃんちゃんそうだね」
わたしはうふふと笑った。
「満里奈ちゃんどうして笑っているの?」
ミケにゃんはきょとんと首を傾げた。
そのミケにゃんの顔が可愛らしくてそして、なんだか可笑しくてわたしはまたまた笑ってしまった。明日が楽しみだよ。
その夜は、明日のもふもふ学校の見学が楽しみすぎて眠たいのになかなか眠れなかった。
もふもふ達が勉強している姿や運動している姿などが次々と目蓋の裏に思い浮かんだ。その姿があまりにも可愛らしくてわたしは幸せな気持ちになった。
ああ、もう幸せすぎるよ。
朝、目を覚ますと眠たかった。だけど、ワクワクしているので眠気なんて何処かに吹き飛んだ。
わたしはふぁ~とあくびをしながら大きく伸びをした。さあ、今日も良い日になりますように。
一階に行き掃除道具入れから箒を取り出していると、「満里奈ちゃん、おはようにゃん」とシロッコの元気な声が聞こえてきた。
「あ、シロッコちゃんおはよう~」
わたしは振り返り元気よく挨拶を返した。
「満里奈ちゃんなんだか眠たそうな顔だね」
「うん、昨夜はもふもふ学校のことを考えていると目が冴えて寝れなかったんだ」とわたしは正直に答えた。
「にゃはは、そうなんだね。掃除は休んで寝てきてもかまわないにゃんよ」
なんてシロッコはとても優しいではないか。
「シロッコちゃん、ありがとう。でも大丈夫だよ」
わたしはにっこりと笑った。
「だったらいいけど無理はしないでね。じゃあ、わたしは朝食の準備をしてくるにゃん」
シロッコはそう言ってパタパタとキッチンに向かった。
「さあ、わたしもお掃除を頑張ろう」
わたしが箒を握り庭に行こうとしたその時、
「満里奈ちゃん、おはよう」
ケンの声が聞こえてきたので振り返り「おはようケン」と挨拶を返した。
ケンの顔を見ているとわたしはふと思った。
「ねえ、そういえばケン君はもふもふ学校に通ってないのかな?」
わたしが聞くとケンは、
「ああ、面倒くさいから通ってないよ」と答えた。
「えっ! 面倒くさいの? もふもふ学校はめちゃくちゃ楽しそうだよ。だって、可愛らしいもふもふな動物達がいるんだよ~」
わたしは、思わず興奮して言ってしまった。
「満里奈ちゃん興奮しすぎだよ」
ケンはしらけた顔で言った。
「だって、もふもふな動物が大好きなんだもんね」
わたしは、ケンも笑って過ごせばいいのにと思った。




