ミケにゃん格好いい
もふもふカフェの店員ミケにゃんです(=^・^=)
わたしと唯奈ちゃんはメニュー表を眺めうーんと唸った。
「にゃはにゃはにゃん。分からないことがあったらこのミケにゃん先輩に聞いてにゃん」
ミケにゃんはメニュー表とにらめっこをしているわたし達の顔を見て得意げに胸を張った。
「ミケにゃんちゃんってば先輩風を吹かしているよね」
「うん、めちゃくちゃ先輩風を吹かしているね~」
わたしと唯奈ちゃんは頷き合った。
「だって、ミケにゃんはもふもふカフェの先輩だもんにゃん。メニューを覚えないと接客出来ないよ。頑張ってにゃん」
「……ミケにゃんちゃんに頑張ってなんて言われたよ。あ、うん、頑張るね」
「メニューはメモをとると覚えやすいかもにゃん」
ミケにゃんはそう言いながらメモ用紙をわたし達に渡してくれた。そんなミケにゃんの姿がなんだか格好よく見えた。
「ありがとう、ミケにゃんちゃん」
「ありがとう。ミケにゃん先輩らしいね~」
唯奈ちゃんがメモ用紙を受け取りながらそう言うとミケにゃんは、満更でもない顔で「にゃはは、それほどでもないにゃん」
そう言ってミケにゃんは照れたように頭をぽりぽり掻いた。もうミケにゃんってば可愛らしいのだから。
その時、カランカランとドアベルが鳴った。
「あ、お客さんですにゃん! いらっしゃいませにゃ~ん!」
ミケにゃんは元気よくお客さんを迎えた。
「ミケにゃんちゃんが店員さんらしくなっているよ」
わたしはいつものミケにゃんから想像出来ないしっかりしたその姿を見て正直少し驚いた。
「うん、いつものヨダレを垂らしたミケにゃんちゃんじゃないね」
唯奈ちゃんもどうやら驚いているようだ。
そして、来店したのは真ん丸な顔が可愛らしいもふもふな猫スコティッシュフォールドのお客さんだった。
なんて可愛らしいお客さんなんでしょうか。
「お客さん何を食べますかにゃん?」
ミケにゃんがお客さんに聞いている。
「う~ん、どれもこれも美味しそうなので悩んでしまいますにゃん」
可愛らしいお客さんはメニュー表をじっと眺めている。
「え~と、では、にゃんこの可愛らしいランチセットをお願いしますにゃん」
お客さんが注文をするとミケにゃんは、
「にゃんこの可愛らしいランチセットですにゃん」と復唱してメモを取った。
「はいにゃん」
「では、少々お待ちくださいにゃん」
ミケにゃんはそう言ってぱたぱたにゃんとキッチンに向かって歩く。
「シロッコちゃん、にゃんこの可愛らしいランチセットをお願いにゃん」
ミケにゃんはキッチンにいるシロッコにオーダーを伝えた。
「にゃはは、ミケにゃんはちゃんと注文を取ったにゃん。あ、満里奈ちゃんと唯奈ちゃんはメニュー覚えたかな?」
ミケにゃんは、にっこりと笑いながらこちらに来た。
「まだ何となくしか覚えていないよ」
「わたしもだよ」
「まだ初日だから仕方がないにゃん。実践あるのみだにゃん」
ミケにゃんは小さく胸の前で拳を握り気合いを入れた。
「うん、わたしも頑張るね」とわたしと唯奈ちゃんは声を合わせて言った。
「人気メニューはパン類やトマト料理だにゃん。それから覚えると良いかもにゃん」
「そっか、人気メニューからね。あ、やっぱりトマト料理が人気があるんだね」
「うん、シロッコちゃんがトマトの栽培に力を入れているからにゃん」
シロッコがトマトの栽培を一生懸命している姿を想像すると可愛らしいなと思った。
その時、
「ミケにゃん、可愛らしいにゃんこのランチセットが出来たよ~」
キッチンからシロッコの声が聞こえてきた。
「は~いにゃん」
ミケにゃんはぱたぱたにゃんとキッチンに向かった。その後ろ姿が可愛らしくも頼もしくもあった。
「わたし達も負けていられないね。トマト料理の種類がたくさんあるね」
「うん、そうだね。トマト料理にパン類にドリンク類もたくさんあるけど覚えなきゃね」
わたしと唯奈ちゃんはそう言い合いメニュー表に目を落とす。美味しそうなトマト料理の写真がたくさん載っていた。
わたしは、声を出してトマト料理を読み上げた。
「真っ赤なトマトパスタ、トマトと豚キムチ定食、トマトと玉ねぎのサラダ、トマトとサバ煮込み、トマトチーズパン、シロッコのトマトだにゃん定食。わぁ~たくさんあるね」
「シロッコちゃんはトマトが大好きなんだね」
唯奈ちゃんが口元に手を当てて笑った。
「うん、この前の夕食なんてトマト尽くしだったんだよ。とっても美味しかったけどね」
「へぇ~そうなんだ。そう言えばわたしが来た夜もトマトカレーだったよね」
「あ、そうだったよね。シロッコちゃんらしいね」
「まだ、トマトメニューがあるね。チキンとトマト煮込み、トマトたっぷりカレー、トマトの卵とじうどん、冷やしトマトうどん」
唯奈ちゃんも声を出してトマト料理を読み上げた。
「あはは、どのトマト料理か分からなくなるかもしれないね」
「うん、ちゃんとメモを取らなきゃね」
なんて唯奈ちゃんと話しながらわたしはお客さんに料理を運んでいるミケにゃんに視線を移した。
すると、ミケにゃんは……。
「お客さんありがとうにゃん。美味しいにゃん」
なんてミケにゃんの声が聞こえてきた。そうなのだ。ミケにゃんはお客さんから料理を分けてもらっているではないか。
わたしはびっくりして目を見開いた。やっぱりミケにゃんはミケにゃんでしかなかったんだよねと思い呆れたのと同時にらしいなと思って笑ってしまった。
「ミケにゃんちゃんらしいよね」
わたしが言うと唯奈ちゃんも「あはは、相変わらずで呆れちゃうけど可愛らしいね」と言って笑った。
「しっかりしているミケにゃんちゃんも素敵だけどやっぱり呆れちゃうほど食いしん坊のミケにゃんちゃんが可愛らしいね」
「うん、そうだね。ほら、見てよ、ミケにゃんちゃんってば幸せそうな顔をして食べているよ」
「なんだか和むね」
ミケにゃんは三毛猫柄のパンにかぶりついているではないか。もふもふな猫スコティッシュフォールドのお客さんもそんなミケにゃんを見てニコニコと笑っているのだから問題ないね。
わたしも楽しく接客したいな。
ここは、可愛らしい笑顔とシロッコの美味しい料理に出会える癒しの空間もふもふカフェなのです。




