猫はマイペース
庭掃除を終えたわたしと唯奈ちゃんは店内へ戻った。ミケにゃんとうさぴーがテーブルを拭いていた。
「おはよう、ミケにゃんちゃん、うさぴーちゃん」とわたしと唯奈ちゃんは朝の挨拶をした。
「あ、満里奈ちゃんに唯奈ちゃんおはようにゃん」
「おはよう~満里奈ちゃんと唯奈ちゃん」
二匹は振り返り朝の挨拶を返した。今日ももふもふしていて可愛らしい。
「ミケにゃん昨日ドレスのまま寝てしまったにゃん」
「えっ! あの可愛らしい豪華なドレスで寝ちゃったの?」
「えへへ、そうだにゃん。大切なドレスがしわくちゃになっていたにゃん」
ミケにゃんは肉球のある可愛らしい手で頭をぽりぽり掻いた。
「あはは、ミケにゃんちゃんってば気をつけなきゃね」
「うん、そうだにゃん」
「ねえ、ミケにゃんちゃん、ここはもふもふ癒しの空間アパートカフェなんだよね。カフェの営業ってしているのかな?」
わたしは気になっていたことを聞いた。
「そうだよ~ここはシロッコちゃんの美味しい料理が食べられるカフェだにゃん」
ミケにゃんは美味しい料理を想像しているのかジュルとヨダレを垂らした。
「あ、ミケにゃんちゃんヨダレが垂れているよ。でも、わたしカフェが営業しているのを見たことないよ」
わたしは、ミケにゃんに紙ナプキンを渡しながら言った。
「あ、ありがとうにゃん。もふもふカフェはシロッコちゃんの気まぐれ営業なんだよ」
ミケにゃんは紙ナプキンで口の周りを拭きながら答えた。
「……シロッコちゃんの気まぐれ営業なんだ!」
「うん、今日はカフェ営業するかもしれないにゃん」
「そうなんだね」
本当に気まぐれ営業だったんだと思うと可笑しくてわたしは笑ってしまった。でも、なんだか自由気ままでいいなと思った。
「本当に気まぐれ営業だったんだね!」
それまで黙っていた唯奈ちゃんが目を丸くして言った。
「猫らしくていいよね」
「うん、猫ってマイペースでなんだかいいよね」
わたしと唯奈ちゃんは顔を見合わせて笑った。
「猫ってマイペースかな?」
シロッコがそう言いながらお盆に目玉焼きとトーストとヨーグルトを載せて運んできた。今日の朝食はシンプルだ。
「うん、猫は自由気ままだよね」
「まあね、それが猫らしいところなんだもんにゃん。わたしは猫生活を満喫してるにゃんよ」
シロッコはテーブルに食事を並べながら言った
。
「わっ、美味しそうだにゃん! ミケにゃんってば腹ぺこだにゃ~ん」
ミケにゃんの可愛らしい肉球のあるその手はトーストににょきにょきと伸びた。
「こら、ミケにゃん! まだよ。毎日言わせないで」
シロッコがミケにゃんをキッと睨んで注意をした。
「だって、焼きたてのトーストを食べたいにゃん」
ミケにゃんは口元に可愛らしいお手てをちょこんと当てヨダレをじゅると垂らした。
「もう困った子なんだからにゃん」
シロッコはふぅーと溜め息をついた。けれど、シロッコの口元はにんまりしている。
きっと、ダメな子ほど可愛いのだろうなと思う。わたしもお転婆でお行儀の悪いミケにゃんのことが大好きなのだから。
ミケにゃんは愛されキャラでいいな羨ましいなと思う。怒られても注意されても懲りない。今もミケにゃんの大きな目は目玉焼きを狙っている。
「ミケにゃん、目玉焼き見ているのは分かっているにゃんよ」
「あ、シロッコちゃん……バレていたにゃん」
ミケにゃんはにゃははと照れたように肉球のあるその手で頭を掻いた。
「もうミケにゃんは毎日それなんだから」
「コーヒーと紅茶とミルクとトマトジュースだよ」
ケンがお盆に飲み物を載せて運んできた。
「ミケにゃんはオレンジジュースだにゃん」
「わたしは、紅茶を飲むよ」
うさぴーは鼻をぴくぴくさせて可愛らしい。
わたしと唯奈ちゃんは紅茶を選びケンはコーヒーでそれからシロッコはトマトジュースを選んだのだった。
「さあ、朝食の時間だよ」
みんなが席に座り、シロッコが「いただきます」と肉球のある可愛らしい手を合わせみんながそれに続き「いただきます」と言った。
さあ、今日も楽しい朝食の時間です。




