新しい朝
翌朝、鳥の鳴き声で目が覚めた。カーテンと窓を開けてベランダに出て空を見上げると綺麗な青空が広がっていた。
そして、朝の空気を胸いっぱいに吸い込み深呼吸をすると気持ちいい。
空には元の世界では見たことのないようなピンク色と水色のチェック模様の鳥が飛んでいた。やっぱりここは異世界なんだよねと改めて思った。
と、その時、わたしの頭に鳥のフンがぽとんと落ちてきた。
「わっ! もう嫌だ~」とわたしが叫ぶとぽとん、ぽとん、ぽとんとピンク色と水色のチェック模様の鳥がフンを落としてきてわたしの頭に直撃した。
「あ~もう嫌だ~」
わたしは、慌てて部屋に戻りタオルで頭を拭いた。せっかく素敵な朝だなと感動していたのにあの変わった鳥のせいで台無しだよ。
「あはは、満里奈ちゃんってば鳥のフンにやられたの?」
わたしが鳥のフンの話をすると唯奈ちゃんが手を叩きながら笑った。
「ちょっと、唯奈ちゃんそんなに笑って失礼じゃない」
わたしは、頬をぷくぷく膨らませながら怒った。
「あ、ごめんね。だって、わたしがお花の水やりをしていると満里奈ちゃんの叫び声がベランダから聞こえてきたんだもん」
なんて唯奈ちゃんはジョウロを片手に言うんだから酷いではないか。
「ふん! わたしの頭が鳥のフンまみれになったのに酷いな~」
「あはは、笑ってごめんね。災難だったね」
唯奈ちゃんは笑いすぎて涙を流している。
「もう、いいよ」
朝からぷりぷり怒っているけれど、本当はちょっぴり楽しかったりもする。だって、わたしが幼かった頃の唯奈ちゃんとの思い出がよみがえってくるのだから。
「本当にごめんね」
「ふ~んだ! さあ、わたしは掃き掃除をするよ」と言ってわたしは箒で庭を掃いた。
「わたしも掃き掃除しようかな~箒を取って来るね」
唯奈ちゃんはジョウロを置き箒を取りに行った。わたしは、そんな唯奈ちゃんの背中をぼんやりと眺めていた。
「うふふ、おはようにゃん、満里奈ちゃんと唯奈ちゃんは仲良しだね。わたしは外の空気を吸いにきたにゃん」
振り返るとシロッコがニコニコと微笑みを浮かべ立っていた。
「あ、おはようシロッコちゃん。うん、わたしと唯奈ちゃんは仲良しだよ」
わたしは、そう答えて満面の笑みを浮かべた。
唯奈ちゃんが箒を片手に庭に戻って来るとわたしと唯奈ちゃんは庭の掃き掃除をした。
シロッコは空を眺め深呼吸をした。そして、
「昨日は素敵な歌をありがとう、楽しかったにゃん」と言って笑顔を浮かべた。
「こちらこそありがとう。久しぶりに歌えて幸せだったよ」
唯奈ちゃんは箒を動かしながらにっこりと笑った。
「これから毎日歌ってにゃん。みんなが楽しみにしてるよ」
「本当に歌っていいのね。じゃあ、歌わせてもらうね。嬉しいな~」
唯奈ちゃんは歌を歌うようなふわりとした声で言った。
「じゃあ、満里奈ちゃんに唯奈ちゃん、庭掃除をお願いにゃん。わたしは朝食の準備をしてくるね」
そう言ってにゃんにゃんとカフェのノスタルジックな雰囲気が漂う木製のドアを開けようとしたシロッコはくるりと振り返り、「あ、唯奈ちゃん、良かったらカフェの営業時間にも歌ってにゃん」
「えっ? カフェの営業時間も?」
「うん、考えておいてにゃん。あ、わたしは早く朝食の準備をしなきゃにゃん」
シロッコは今度こそドアを開けてカフェの中に入った。
わたしは、シロッコの『カフェ』と言う言葉にそう言えばと思った。いつカフェの営業をしているのだろうかと……。
「ねえ、満里奈ちゃん、そう言えばカフェの営業は何時からかな?」
「うん、それがカフェが営業されているのはまだ見たことがないんだよ。今日は営業するのかな?」
わたしはそう答えながらもふもふカフェなんだよねと考えた。
「え? そうなんだね。気まぐれ営業なのかな?」
唯奈ちゃんは首をちょこんと傾げた。
「まあ、どっちにしてもお客さんがいる時にも歌えたら最高だよね」
わたしはにっこりと微笑みを浮かべた。
「うん、なんだかワクワクしちゃうよ」
唯奈ちゃんは嬉しそうに箒を動かした。
さあ、今は庭掃除を頑張ろう。
そろそろもふもふカフェ営業するかもです(*^。^*)




