さあ、トマトを食べて帰ろう
今日は湖でたっぷり泳いだ。久しぶりに泳いだのでちょっと疲れたけれど楽しかったので疲れなんてどこかに吹き飛ぶ。
わたしともふもふ達は湖の水でびしゃびしゃになった。濡れた服や髪の毛をどうしようかなと思っているとシロッコがタオルをどうぞと渡してくれた。
髪の毛やワンピースをぎゅっと絞りそれからシロッコのタオルで髪の毛や体を拭いた。
ミケにゃんとうさぴーも濡れた体を拭いている。
「泳ぎ疲れたよね。はい、デザートにトマトをどうぞにゃん」
シロッコは真っ赤に輝くトマトを差し出した。
トマトといえばシロッコちゃんだなとちょっとおかしくて笑いながら「ありがとう」と言って受け取った。
トマトを丸かじりした。湖で食べるトマトは美味しかった。
食べた瞬間すっぱーいって思わず顔を歪めそうになったけれど、すぐにトマトのみずみずしさと爽やかさが口の中に広がり美味しかった。
噛れば噛るほど口の中にトマトの爽やかさがいっぱいに広がりなんだか幸せな気持ちになる。
湖でトマトを丸かじりするなんてもちろん初めてだ。
ミケにゃんは、お決まりのように口の周りをトマトの汁だらけにして食べている。
「うん、湖で食べるトマトは最高に美味しいにゃん!」
ミケにゃんは満面の笑みを浮かべた。お口の周りは真っ赤に染まっているんだけどな。
「ミケにゃんちゃん、お口の周りがトマトの汁だらけになっているよ。あ、手にも汁が垂れているよ」
わたしは、黙っていられなくて言った。
「あ、お口の周りにゃん? あ、お手手がべとべとにゃ~ん」
ミケにゃんはにゃんにゃんと肉球のあるの可愛らしい手を振り回し慌てている。
「もう、ミケにゃんは困った子だにゃん!」
シロッコはそう言いながら鞄からおしぼりを取り出した。
一方うさぴーは可愛らしいお口を開け美味しそうトマトを噛っている。
ミケにゃんのお口の周りを拭いたおしぼりは真っ赤なトマト色に染まった
「にゃはは、おしぼりが真っ赤に染まったにゃん」
ミケにゃんはおしぼりを眺め楽しそうに笑っている。
一方うさぴーはお手手をなめ両手で口の周りの汚れをとっている。それから可愛らしい両手をなめては顔をゴシゴシ何度も繰り返し洗う。
うさぴーのその姿はとても可愛らしかった。うさぎは猫と同じく綺麗好きな動物だ。
ただ時には例外もいて口の周りや洋服を汚しても平気な顔をしているのだ。それが、にゃははと無邪気な笑顔を浮かべている猫のミケにゃんなのだ。
「ミケにゃんは相変わらずばっちい子だよね。まあ、おしぼりで拭いたからいいけどね」
うさぴーはそう言いながら耳を両手で髪をさーっととかすように洗っている。その仕草はなんとも言えないほど可愛らしい。
「ミケにゃんはばっちくないもんにゃん」
ミケにゃんはぷくぷくと頬を膨らませた。
もふもふなちびっこ二匹はどちらも可愛らしくて見ていて飽きない。
わたしはにこにこ笑顔を浮かべながらトマトを噛り完食した。
「さあ、そろそろ我らのもふもふ癒しの空間カフェアパートに帰るにゃん」
シロッコはそう言って芝生から立ち上がった。
わたし達は家路につく。空を見上げると羽が水色とピンク色の鮮やかな鳥や体がカラフルな水玉模様の異世界らしい鳥が空を華麗に飛んでいた。
また来てねと鳥達がわたし達を見送ってくれているように見えた。
「またね」とわたしは空を見上げ手を振った。
びしゃびしゃに濡れていたワンピースも照りつける太陽の日差しが強くてあっという間に乾いていた。
そして、テクテク歩くと花と緑に囲まれた石造りの建物もふもふ癒しの空間カフェアパートが見えてきた。
わたしの住んでいるアパートだ。今はここがただいまと言える場所になっている。




