可愛らしいもふもふ達とお出かけですよ
午後になった。
わたしはパープル系のパステルカラーのワンピースに着替え髪の毛を高い位置でポニーテールに結んだ。
下に行くと他のみんながわたしを待っていたようだ。
「さあ、行きましょうかにゃん」
シロッコちゃんを先頭にして外に出る。花の香りと爽やかな風が吹いていて心地よい。
「お出かけ嬉しいにゃ~ん」
麦わら帽子を被ってにゃんにゃんにゃんと歩いているミケにゃんはめちゃくちゃキュートだ。
うさぴーは猫柄のリュックを背負っている。その猫の柄がミケにゃんの顔と少し似ている。なんだかんだ言ってもうさぴーとミケにゃんは仲良しなんだろうなと思う。
ケンは今日の空の色とよく似た空色のシャツにジーンズを穿いている。
みんなとぞろぞろ歩くと小学校の遠足みたいだなと思った。うふふ、なんだかこうして歩いているだけで楽しいな。
シロッコは石造りの建物が立ち並び緑豊かな風景が広がる道をどんどん歩く。どこに行くのかなと考えていると、
「おっ、シロッコちゃん、新入りさんを引き連れてお散歩かな?」
ぺっちゃんこの鼻にくりんとした大きな目に眉間とおでこに深い皺がある。それが、また愛嬌がありブサ可愛らしいパグが声をかけてきた。
「うん、満里奈ちゃんだよ。この子は新しい住人よ」
シロッコがわたしを紹介すると、ブサ可愛いパグが、
「僕は、パグにゃんだよ。満里奈ちゃんよろしくワン」と挨拶をした。
「わたしは、川本満里奈です。十五歳です」とわたしは挨拶をしてぺこりと頭を下げた。
「パグにゃんは、犬のくせに名前ににゃんが付くんだよ」
ミケにゃんは不満があるのかお口を尖らせて言った。
「ミケにゃん、僕は犬だけどパグにゃんって名前がお気に入りなんだよ」
「でも、ミケにゃんと名前が似ていて嫌だにゃん」
「おい、どうして僕と名前が似てると嫌なんだよ」
パグにゃんは目をギロギロさせながら言った。
「だって、パグにゃんはあっちへうろうろこっちへうろうろと落ち着きがないんだもん」
「それはこっちの台詞だワン」
可愛らしい三毛猫とブサ可愛いパグが睨み合った。
「こらこらそこの二匹喧嘩はダメだにゃん。新入りの満里奈ちゃんを案内しているんだからね」
シロッコはお姉さんらしく注意をした。
「あ、そうだったにゃん。満里奈ちゃんの歓迎会も兼ねていたにゃん」
「これは失礼しましたワン」
ミケにゃんとパグにゃんはそう言って笑った。
「あはは、ミケにゃんもパグにゃんも可愛らしい名前なんだから喧嘩なんてしないでね」
わたしも二匹の顔を見て微笑みを浮かべた。
犬のパグにゃんに、「またね」と手を振りわたし達は再び歩き出した。振り返るとパグにゃんはわたし達が見えなくなるまで手を振っていた。
「さあ、元気よく歩こうにゃん!」
シロッコはそう言って先頭に立ちてくてく歩く。そんなシロッコをわたし達は追いかける。
綺麗な見たことのない色鮮やかな鳥が空を舞い石造りの家の軒先に咲く美しい花が咲き誇っている。そんな景色を眺めながらわたしは歩いた。
それから三十分くらい歩き続けた。足が疲れてきたなと思っていたその時。
「みんな~着いたにゃん!」
シロッコはぴたりと足を止めた。
わたしは周りを見渡した。
すると、そこは湖と緑の風景が広がっていた。
「わ~綺麗だね」
太陽の光が水面に反射してキラキラ輝きまるで宝石みたいに見える。その湖を緑の山が取り囲むように連なっている。
「さあ、たくさん歩いたからお弁当を食べましょうにゃん!」
シロッコがそう言うと、
「わ~い、お弁当だにゃん。ミケにゃん、お弁当食べるにゃ~ん!」
ミケにゃんは嬉しそうに飛び跳ねた。
「ミケにゃんってばいつも食いしん坊だね」
うさぴーはそう言って笑っているけれど、可愛らしいそのお口からヨダレが垂れていることをわたしは見逃さなかった。
「うさぴーってばヨダレが垂れている」
わたしは口元に手を当ててクスクス笑った。
「あの二匹はいつもあんな感じだよな」
ケンが大きく伸びをしながら言った。
「自然が溢れている中で食べるお弁当は最高だよ~」
シロッコは言いながら背負っていたリュックからお弁当箱を取り出した。
「わ~い、お弁当にゃんだ~」
ミケにゃんはお弁当箱に飛びつく勢いだ。
「お弁当~食べる~」
うさぴーもぴょんぴょん飛び跳ねた。
「わたしも食べるよ~」
「俺も食べるぞ~」
わたしとケンも走り出した。
きっと、この晴れた青空の下で食べるお弁当は美味しいことでしょう。




