scene3
荷物から取り出した釣竿を握りしめた。
typeR後期七型。
私の髪色に合わせて作った万能型のカスタム釣竿。
そっと抱きしめる。
今まではあんまり使ってあげられなかったけど、これからは毎日釣る。
「さあ、行くわよ」
気合を入れて歩き出す。
「レ、レイオリア様!どちらへ!?」
「や、やめてください!海で身を投げるだなんて…」
悲鳴に近い声を上げるニーナを睨みつけた。
「そんなことしません!海に対する冒とくです!」
「ぼ、冒涜?」
「いいから行きますわよ」
今は会話をしているときじゃない。
まずは一振り。
海で竿を構えた私を呼び止める声が聞こえた。
「あんたら最近追放されてきた令嬢さんたちだろ?そんなものもってなにしようってんだい?」
振り向くとそこには人が好さそうなおじさんがいた。
「何を?釣りに決まってるわ」
「釣り?無理無理、この海じゃ魚なんか一匹も釣れんよ」
嫌な一言に、おじさんを睨みつける。
「そんな顔したってこの海は死んでるんだ。魚なんか釣れんよ」
「やってみないとわかりませんわ」
深く深呼吸をして海を見る。
汚れていた。
ゴミ、ヘドロ。
魚が見えない。
この海には魚がいない…いえ、そんな海は存在しないわ。
釣る!
竿を握る手に力が入る。
目を閉じて集中する。
竿に魔力を込めた。
疑似餌に魔力を帯びて動き出す。
竿を振る。
「さあ最初の一匹目よ!」




