scene5
流れ出るヘドロ。
すごい量…。
そのヘドロにレイジが手を入れた。
「ちょっ、何してるの!?」
「いや、中身を…ね」
「中身?」
レイジは無言でヘドロ中から取り出していく。
石、魚、貝。
ボウラが食べたものだ。
泥と一緒に吸い込んだもの。
「やっぱり変だな」
「なにがよ?」
「この石とかがだよ」
「何も変じゃないわよ」
そう普通のことボウラの生態を考えれば普通のことよ。
「泥と一緒にいろんなものを吸い込んで泥を吐くボウラの生態を考えたら石や魚が出てくるのなんて普通の事ですわ」
レイジがやれやれという顔で私を見た。
何その顔?
私は別に変なことは言ってないわよ。
「あってはいるけど間違ってるな」
「は!?どういうことよ?」
レイジは少し考えてから石をを一つ拾って放り投げた。
石が放物線を描き胸元に飛んでくる。
「そいつをよく見てみろ」
よく見ろ?
見ろというから見てみたけど普通の石。
どこにでもある、本当にただの石。
「石よねこれがどうしたって言うのよ?」
レイジはやれやれという感じで鼻で笑った。
笑った?
鼻で笑った?
「なんで鼻で笑われなきゃいけないのよ!石は石でしょ。ただの石じゃない」
「普通の石…ね。確かに特別な石じゃないな...ただし北方の大地ならば...だ」
「どういうことよ?」
「この石、赤い筋が縦方向に入ってるだろ。この特徴的な筋は北方の海底からとれる鉱石の特徴だ」
「そ、そうなの?」
いまいち石の事はわからないわ。
特徴とか言われても石は石よね。
「じゃあこっちのならどうだ?」
困惑する私にレジが小魚を投げた。
「それならわかるだろ」
何そのバカにした感じそれならって、確かに魚だったら詳しいわよ。
手に取った魚を見る。
ただの小魚。
…あれ?この魚...ホウテイ魚。
「確かに変だわ。ホウテイ魚ならこのあたりにはいない」
「そうだ。北の冷たい水を好む魚だ」
「なんでそんなもんがボウラのお腹の中に...?」
「な、変だろ?」
「そうね。確かめる必要があるわね」
この海のヘドロ汚れと本来いるはずのない魚。
これは絶対に何かある。
この海を復活させるために解決して見せる。
「ニーナ!旅の支度よ」
「ええ!?辺境に飛ばされたばかりなんですよ!」
「関係ありませんわ!魚と私の海の為に!北に行くわよ」




