↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の母ですが、娘が断罪されるまであと三年あるので王国ごと改革します  作者: 虹の箸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
38/47

ローゼン侯爵。領地の誇りを守るとは、そこで働く人の手を守ることですわ

 貴族院の本会議場は、高い天井のステンドグラスから降り注ぐ朝の光に満ちていた。

 馬蹄形に並んだ重厚な議席には、王国中から集まった百名近い貴族議員たちが礼装に身を包んで着席している。先日の専門委員会とは違い、ここは王国の法律が最終的に生まれるか、それとも葬り去られるかを決める最高の議決機関だ。

 私は一階の提案者・参考人席に座り、隣に控える夫アレクシスの横顔を確かめたあと、二階の特別傍聴席へと視線を向けた。

 そこには、エドワード殿下とイザベラ、そしてそのすぐ隣に、少し緊張した面持ちで背筋を伸ばすマーガレット伯爵令嬢の姿があった。さらに反対側の一般傍聴席には、商業ギルド長のハインツやクロエ、そして今日のために一張羅の上着を着込んだ運送業者の親方までが顔を揃えている。

 議場の入り口から、ゆったりとした足取りでローゼン侯爵が入ってきた。その後ろには、保守派の議員たちだけでなく、昨日マーガレットが涙ながらに語っていた父君――ハルシュタイン伯爵をはじめとする地方領主たちの姿もあった。

 私は二階のマーガレットと、一階の議席に着いたハルシュタイン伯爵を交互に見つめた。伯爵の表情は厳しく引き締まっており、昨夜、父と娘の間でどのような会話が交わされたのかは、その顔からはまだ読み取れなかった。

 やがて議長席の老侯爵が木槌を鳴らし、議場に静寂が落ちた。

「――これより、第一専門委員会を通過した『女性の合法的な就労に対する不当な妨害の規制に関する法案』の最終審議および採決に入ります。採決に先立ち、動議の申し出がございます。ローゼン侯爵、発言を許可します」

 ローゼン侯爵が立ち上がり、落ち着いた足取りで演壇へと進み出た。

「議長、ならびに諸卿。まず初めに、本法案の制度設計に尽力されたクライス公爵夫妻と商業ギルドの実務的な工夫に対し、私からも敬意を表したいと存じます」

 意外にも穏やかな称賛から始まった侯爵の言葉に、議場がわずかにざわめいた。しかし、彼はすぐに重々しい声へと調子を変えた。

「働く女性を不当な圧力から守るという理念そのものに、異を唱える者はおりますまい。しかしながら、委員会で示された『商業ギルドの定期巡回』および『商用荷馬車を用いた王都への直接書簡回収』という運用方法には、王国の根幹に関わる重大な懸念が残されております」

 侯爵は、地方領主たちが座る中央の議席へと向き直った。

「諸卿らの多くは、代々受け継いできた領地において、独自の商業慣習と秩序を守り、誇りをもって領民を治めておられるはずだ。しかるに、この法案を今ただちに施行すればどうなるか。地元の役所や領主の頭越しに、王都の商人と中央の窓口が直接領内の工房の相談を集め、巡回と称して帳簿を覗き見ることになる。これは将来、地方領主の伝統的な自治権や監督権を中央が侵食する端緒になりかねません」

 地方領主たちの席から、「む……」「確かに、領内のことに王都のギルドが口を出すのは……」という低い囁きが漏れた。

「ゆえに私は、本法案を否決せよと申しているのではございません。各領地の自治権との整合性を十分に調査するため、本法案の最終採決を半年後の次期議会まで先送りし、継続審議とする動議を提出いたします。……百年続いた領地の秩序を守るため、わずか半年の慎重さを求めることが、果たして誤りでしょうか」

 拍手が、保守派の席から一斉に湧き上がった。

 正面から法案に反対するのではなく、「領主の誇りと自治権を守るための慎重論」として棚上げを狙う、老獪極まりない一手だった。

「ただいまローゼン侯爵より、採決先送りの動議が提出されました。これに対し、法案提出者側からの反論を求めます。クライス公爵夫人」

 隣のアレクシスが、私の手を机の下で一度だけ強く握り、頷いて見せた。

 私は立ち上がり、一階の議場の中央へと歩み出た。百人近い貴族たちの視線が一身に突き刺さる中、私はローゼン侯爵と、その背後に座る地方領主たちをまっすぐに見渡した。

「ローゼン侯爵は今、『地方領主の誇りと自治権を守るため』とおっしゃいました。私も、各領地を治めておられる皆様が、どれほど深い愛情と責任感をもって領民を守っていらっしゃるか、よく存じております」

 私の声は、高い天井に反響して議場の隅々まで届いた。

「ですが、あえて皆様にお尋ねいたします。――領地の誇りを守るとは、一体どういうことでしょうか?」

 ざわめいていた議場が、水を打ったように静まり返る。

「もし皆様のお領地の片隅で、冬の間、女性たちが家族の暮らしを支えるために凍える指で美しいレースを編み、布を織っているとします。ところが、一部の悪質な仲買商や有力者が、領主様の目の届かないところで『他の商会へ売るなら、夫の荷運びの仕事を奪うぞ』と脅し、不当な安値で買い叩いていたらどうでしょうか。声を上げたくても、地元の窓口はその有力者と顔見知りばかりで、報復が怖くて誰も領主様のお耳に届けることができない。……その沈黙に目を瞑り、半年もの間、泣き寝入りする女性たちを放置することが、本当に『領地の秩序と誇りを守る』ということなのでしょうか」

 私は胸の前で手を重ね、一歩前へ出た。

「いいえ、断じて違いますわ。領地の誇りを守るとは、そこで懸命に働く人々の手を守り、その技術と努力が正当に報われるようにすることです!」

 二階の傍聴席で、クロエと運送屋の親方がぐっと拳を握りしめるのが見えた。

「私たちが提案した二段階の相談制度と、商用荷馬車による書簡の回収は、公正な領主様の権限を奪うものではございません。むしろ、これまで悪質な仲買商によって途中で握り潰され、領主様のお耳に届かなかった領民の『助けてほしい』という声を、確実に掬い上げるための仕組みなのです。不当な圧力をかけている者と利害関係がない限り、寄せられた実態は領主様の監査役とも共有し、領内の不正を正すために使っていただくことができます」

 私は最後に、ハルシュタイン伯爵たちが座る席を真っ直ぐに見つめた。

「職人が脅しに怯えることなく、誇りをもって針や糸を動かせるようになれば、特産品の質は上がり、取引は増え、結果としてお領地の名声も税収も豊かになります。今日ここで採決を半年先送りするということは、今この瞬間も針を手にして震えている女性たちに、『あと半年、理不尽に耐えて黙っていなさい』と命じるのと同じことです。どうか皆様、お領地で働く人々の手と誇りを守るため、今日この場でのご決断をお願い申し上げます!」

 私が一礼して席へ戻ると、中立派や王家派の議席から強い拍手が起こった。

 しかし、勝敗を決める地方領主たちの席は、まだ重苦しい沈黙に包まれていた。ローゼン侯爵は微動だにせず、勝利を確信したような落ち着いた眼差しで、穏健保守派の筆頭であるハルシュタイン伯爵を見やっている。

「――では、まずローゼン侯爵より提出された『採決先送りの動議』について、討論および採決に入ります。意見のある議員はおりますか」

 議長が声をかけた、そのときだった。

「議長。発言を求めます」

 低く、威厳のある声が議場に響いた。

 ゆっくりと席から立ち上がったのは、白髪交じりの髭を蓄えた厳格な老貴族――マーガレットの父、ハルシュタイン伯爵だった。

 ローゼン侯爵の口元に、「やはりな」と言わんばかりの薄い笑みが浮かぶ。傍聴席のマーガレットは、祈るように両手を胸の前で握りしめ、身を乗り出して父親を見つめていた。

 ハルシュタイン伯爵は、議席の全員を見渡してから懐に手を入れた。

 そして彼が取り出したのは、政治の書類ではなく――袖口に清楚な白い小花のレースが縫い付けられた、一枚の婦人用のブラウスだった。

「……ハルシュタイン伯爵? それは何ですかな」

 ローゼン侯爵が、初めて訝しげに眉をひそめた。

「この袖口のレースは、我がハルシュタイン領の村の女たちが、雪に閉ざされる冬の間、家族のために一針ずつ編んだ小花模様のレースだ。そして、それをこれほど見事な衣服へと仕立て直したのは、かつて不当な圧力によって一度は針を置かざるを得なかった、王都の一人の母親だという」

 伯爵はブラウスを掲げたまま、二階の特別傍聴席――自分の娘であるマーガレットと、その隣に座るイザベラを真っ直ぐに見上げた。

「白状すれば、昨日の夕方まで、私はローゼン侯爵の言葉に頷きかけていた。王都のギルドや中央の窓口が領内のことに首を突っ込めば、領主としての面目が潰れるのではないか、とな。……だが昨夜、私の愛娘がこの衣服と一枚の試算書を抱えて私の書斎へやってきて、こう言ったのだ。『お父様が守ってこられた領地の誇りは、働く女性たちの涙の上に立つものなのですか』と」

 二階の傍聴席で、マーガレットがハッとして口元を押さえた。その瞳が、見る間に涙で潤んでいく。

「私は夜通し、娘が置いていった試算書を読み、領地から届いていた古い陳情の控えを見直した。そして自らの不明を恥じたよ」

 ハルシュタイン伯爵は、鋭い眼差しをローゼン侯爵へと向けた。

「クライス公爵夫人の言われる通りだ! 我が領地でも、一部の仲買商が女たちの足元を見て買い叩いているという噂がありながら、私は『証拠が上がってこない』ことを言い訳にして見て見ぬふりをしてきた。領民が怖くて声を上げられないのを放置しておきながら、何が領主の自治権か! 我が領地の女たちが編んだこの美しい誇りを、あと半年も不当な圧力の闇に晒しておくわけにはいかん!」

 伯爵の力強い拳が、議席の机をドンと叩いた。

「よって私、ハルシュタイン伯爵は、採決の先送り動議に断固として反対する! 我が領地の職人たちと、王国の未来を担う娘たちのために、今この場での本法案の可決を求めるものである!」

 一瞬の静寂のあと、議場全体が揺れるほどの大きなどよめきと拍手が巻き起こった。

「ハルシュタイン殿がそう言われるなら、我が領地も賛同する!」「そうだ、悪質な仲買商に好き勝手させてたまるか!」「先送りには反対だ!」

 迷っていた地方領主たちが、一人、また一人とハルシュタイン伯爵に続いて声を上げた。保守派の家庭の中で育った一人の少女の勇気が、頑なだった父親の心を動かし、議場全体の流れを根底から覆したのだ。

 二階の傍聴席を見ると、泣き出したマーガレットの肩をイザベラが優しく抱き寄せ、その隣でエドワード殿下が誇らしげに拍手を送っていた。

 私は一階のローゼン侯爵を見た。

 頼みの綱だった地方領主たちが一斉に離反していく光景を前にしても、侯爵は声を荒らげて取り乱すような真似はしなかった。ただ、手元の杖の柄を握る指先にぎゅうっと力を込め、二階の傍聴席にいるイザベラとエドワード、そして一階の私とアレクシスを、底知れない冷たい目でゆっくりと見渡した。

「……動議の採決を行います。採決先送りに賛成の議員は起立を」

 立ち上がったのは、ローゼン侯爵と、彼と直接の利害関係を持つごく一部の保守派議員だけだった。全体の三割にも満たない。

「少数につき、採決先送りの動議は否決されました! 続いて、『女性の合法的な就労に対する不当な妨害の規制に関する法案』を、原案通り可決することに賛成の議員は起立を願います!」

 ガタガタッ、と椅子を引く音が議場中に響き渡った。

 私の隣でアレクシスが真っ先に立ち上がる。続いて中立派の議員たち、エドワード殿下の報告を受けて心を決めた王家派の重鎮たち、そしてハルシュタイン伯爵をはじめとする地方領主たちが、まるで波が押し寄せるように一斉に立ち上がった。

 議場の七割を超える圧倒的な数の貴族たちが、朝の光の中で真っ直ぐに立っている。

 座ったままのローゼン侯爵が、ふっと息を吐き、誰にも聞こえないほどの低い声で「……世代が、動くというのか」と呟いて目を閉じたのが見えた。彼はこれで政界から消えるわけではないし、これからも隙があれば牙を剥くだろう。けれど今日この戦場において、私たちは完全に彼を打ち破ったのだ。

「――総員、確認いたしました! 過半数を大幅に上回る賛成により、本法案はただいまをもって正式に可決・成立いたしました!」

 カーン、カーン、と議長の木槌が高らかに鳴り響いた。

 割れんばかりの拍手が議場を埋め尽くす中、隣に立つアレクシスが私の手を取り、拍手の音に紛れるような優しい声で囁いた。

「おめでとう、エレオノーラ。君の勝ちだ」

「いいえ、あなた。……私たちの、そしてあの子たちの勝ちですわ」

 私は込み上げる熱いものを堪えながら、二階の傍聴席で手を振り合うイザベラたちを見上げ、最高の笑顔で頷き返した。

 貴族院で新しい法律が成立してから、五日後の休日のことだった。

 王都の商業地区にあるクロエ商会の裏庭には、穏やかな日差しと、春の訪れを告げる柔らかな風が吹き抜けていた。

 今日、この場所には、法案の成立を祝してささやかなお茶の席が設けられていた。集まっているのは、私とアレクシス、イザベラとエドワード殿下、そしてクロエやハインツ、運送業者の親方たちである。

 さらに裏庭の一角には、かつて家族の仕事を盾に圧力を受けて私たちの工房を去らなければならなかった三十人の縫い子たちのうち、すでに連絡がついた十数名の女性たちの姿もあった。

 法律が成立したからといって、三十人全員が魔法のように即座に元の工房へ戻れるわけではない。それぞれの家庭の事情や、夫の職場の状況を確認しながら、まずは数名がエマと同じような在宅での仕上げ作業から、そして安全が確認できた数名が来週から工房への復帰を果たすことになっていた。それでも、自分たちの働く権利を国が法律として認め、商業ギルドと運送屋の荷馬車が守ってくれるという事実は、彼女たちの顔から暗い怯えをすっかり拭い去っていた。

「奥様! イザベラ様!」

 裏庭の木戸が開き、少し息を弾ませたエマが、幼い娘の手を引いて入ってきた。

「エマ、待っていたわよ。先日のレースのブラウス、議会でも大評判だったわ」

 私が声をかけると、エマは照れたように頬を染め、隣にいる娘の背中をそっと押した。

「ほら、リィナ。奥様にお見せしてごらん」

 エマの娘は、少しはにかみながら前へトコトコと歩み出ると、小さなスカートの裾をちょんと持ち上げて、自分の足元を私たちに見せた。

 そこには、かつての爪先がきつくなった古い靴ではなく――太陽の光を反射してツヤツヤと輝く、真新しい栗色の革靴が履かされていた。

「おくさま、みて! おかあさんが、おしごとのお給金で買ってくれたの! ぜんぜん痛くないのよ!」

 タタッ、と石畳の上で嬉しそうに足踏みをして見せる小さな靴音に、私の胸の奥がぎゅっと締めつけられ、視界が一気に涙で滲んだ。

「そう……とっても素敵な靴ね。すごく似合っているわよ」

 私が膝を折って目線を合わせると、エマが前掛けで目元を押さえながら、震える声で頭を下げた。

「奥様、旦那様、そしてお嬢様、殿下……。先日の在宅のお仕事でいただいた最初のお給金で、昨日、この子と一緒に靴屋へ行ってまいりました。誰の目も気にせず、脅えることもなく、自分が針を動かして稼いだお金でこの子の靴を選べたことが……どれほど嬉しかったか、言葉になりません」

 エマは顔を上げ、涙の粒を光らせながら、抜けるような青空の下で笑った。

「あの相談票に名前を書ける日が来るまで待つと申しましたが、こんなに早く、私たちが胸を張って針を持てる王国にしてくださって……本当に、本当にありがとうございました!」

 運送屋の親方が「おう、これからもその靴がすり減るまで、俺たちがどんどん仕事を運んでやるからな!」と豪快に笑い、元縫い子たちからも温かい拍手と笑い声が広がった。

 少し離れた木陰では、エドワード殿下とイザベラが並んで立ち、その光景を優しい目で見守っていた。

「……見えますか、殿下。あの子があんなに嬉しそうに笑っておりますわ」

「ああ。私たちが王宮や議会で並べていた数字や条文の向こうには、あの小さな靴があったのだな。君と一緒にこの仕事に関われて、本当に良かったよ、イザベラ」

 エドワードがそっと手を伸ばし、イザベラの指先に触れる。イザベラは少しだけ頬を染めながらも、もうその手を引っ込めることなく、自然な笑顔で彼の指先を握り返していた。

「ええ、わたくしもですわ、エドワード様」

 そんな若い二人の様子を眺めながら、私の隣に立ったアレクシスが、私の腰にそっと腕を回して引き寄せた。

「良い顔をしているな、エレオノーラ」

「ええ。だって、私が一番見たかった景色が、今ここにあるのですもの」

 私はアレクシスの青い瞳を見上げ、それからイザベラの輝くようなプラチナブロンドの横顔へと視線を戻した。

 前世の記憶を取り戻したあの日、娘が断罪されるまであと三年しかないと知り、私は一人で王国ごと作り変えるつもりで走り出した。

 けれど今、私の周りにはこんなにも多くの人の手が繋がっている。服飾事業は新しい流通網とともに根を張り、働く女性を守る最初の法律が生まれ、そして何より、イザベラ自身が他人の痛みに寄り添い、愛する人と対等に手を取り合える女性へと成長した。

 もちろん、三年後の卒業パーティーという運命の日が完全に消え去ったわけではないし、ローゼン侯爵をはじめとする古い勢力がこれで大人しくなるとも限らない。学園にはまだ、あの教科書紛失事件のような小さな影も残っている。

 それでも、私はもう恐れてはいなかった。

「さあ、あなた。本会議も無事に終わったことですし……今夜は、あのレストランの予約を取ってくださっているのでしょう?」

 私が悪戯っぽく微笑んで尋ねると、アレクシスは甘い光を瞳に宿して頷いた。

「もちろんだ。今夜は誰にも邪魔させないさ」

 春の風に乗り、新しい靴で裏庭を駆け回る少女の笑い声が、青空へと高く響き渡っていく。

 悪役令嬢の母として始まった私の改革は、今、確かな一つの実を結び、物語はまた新しい季節へと歩み始めようとしていた。


お読みいただきありがとうございました。

もし「面白かった!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、ページ下部にある【ブックマークに追加】や、【☆☆☆☆☆】の評価を押して応援していただけると、今後の執筆の何よりの励みになります!

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。