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2度目の守護者は失敗しない  作者: AIの奴隷
失敗しない男と落ちこぼれ魔法少女

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幻の6人目?

第十一話


放課後。


学生避難誘導員特別待機室。


いつものように五人が集まっていた。


ただ。


今日は一人だけ。


妙に落ち着かない者がいた。


「…………」


宍戸猫である。


鞄を膝の上に置き。


開けて。


閉じて。


また開ける。


そして閉じる。


「…………」


開ける。


「猫」


「ひゃいっ!?」


桃井星歌に声をかけられ。


猫は勢いよく鞄を閉じた。


「何してるの?」


「な、何もしてません!」


「何もしてない人は鞄を三回も開けたり閉めたりしないのよ」


「数えてたんですか!?」


「目の前でやってれば嫌でも気づくわよ」


「あの……その……」


猫がもじもじする。


それから。


意を決したように、もう一度鞄を開いた。


今度は閉じない。


中から取り出したのは。


一枚の封筒だった。


「皆さんに、お渡ししたいものがありまして……」


「果たし状?」


阿久別香仁子が言った。


「違います!」


「猫からの果たし状……」


流星昴が猫を見る。


「ちょっと見てみたいかも」


「出しませんよ!?」


「出せない、じゃなくて出さないんだ」


「そこ拾わないでください!」


須久井鏡子が苦笑する。


「それで、何が入っているの?」


「あ、はい」


猫が封筒を開く。


中から取り出したものを机へ並べた。


一枚。


二枚。


三枚。


四枚。


五枚。


そして。


六枚。


「遊園地のチケットです」


「遊園地?」


星歌が一枚を手に取る。


「これ、どうしたの?」


「お父さんとお母さんがくれました」


「六枚も?」


「はい」


猫は少し照れくさそうに笑った。


「この前、ちゃんと戦えたって話したんです」


「ああ……」


星歌の視線が。


なんとなく窓の外へ向いた。


道路。


正確には。


道路だったもの。


「…………あれのことね」


「道路を壊したことは話してません!」


「そこは黙ってたんだ」


「言えませんよぉ!」


「賢明な判断ね」


鏡子が頷いた。


「それでですね」


猫が話を戻す。


「皆さんと一緒に戦ってることとか」


「うん」


「助けてもらってることとか」


「そういう話もしたら……」


少しだけ。


猫の声が柔らかくなる。


「すごく喜んでくれたんです」


「戦えたことが?」


「それもなんですけど……」


猫が指先を合わせる。


「私が家で、友達の話をするのが珍しかったみたいで」


四人が。


一瞬、黙った。


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「な、なんですか!?」


「いや」


星歌が笑う。


「なんでもない」


「絶対なんかあります!」


「ないない」


「ありますよぉ!」


香仁子が猫の肩を叩く。


「よかったね!」


「は、はい」


「じゃあ行こう!」


「話が早い!」


「遊園地でしょ?」


「そうですけど!」


「いつ?」


「予定合わせないとでしょ!」


一気に騒がしくなる。


その様子を見ながら。


猫も嬉しそうに笑っていた。


やがて。


鏡子が机の上のチケットを見る。


「でも、六枚あるわね」


「え?」


「私たちは五人でしょう?」


「あ」


星歌も数える。


猫。


星歌。


香仁子。


昴。


鏡子。


五人。


チケットは六枚。


「あ、それは……」


猫が最後の一枚を手に取った。


「本当は」


少しだけ。


嬉しそうだった表情が曇る。


「ひょっとこさんも誘いたいんですけどね」


「あー」


「この前も、私に戦い方を教えてくれましたし」


正確には。


戦場で追いかけ回された挙句。


石の投げ方を教わった。


「お父さんとお母さんも、ひょっとこさんにはお礼を言いたいみたいで」


「じゃあ誘えばいいじゃん」


昴が言った。


「…………」


猫が黙る。


「…………」


星歌も黙る。


「…………」


香仁子も。


「…………」


鏡子も。


そして。


五人が顔を見合わせた。


「…………どうやって?」


星歌が言った。


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


誰も答えない。


そもそも。


五人は。


自分たちの守護者について。


驚くほど何も知らない。


名前を知らない。


顔を知らない。


連絡先も知らない。


年齢すら正確には知らない。


知っていることといえば。


若そうな男で。


刀を持っていて。


やたらと強くて。


やたらと変なことを思いついて。


そして。


ひょっとこの面を被っている。


「…………私たち」


星歌が呟く。


「守護者の連絡先すら知らないの?」


「知りませんね……」


「ボクも知らない」


「私も知らないわ」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


星歌が頭を抱えた。


「どういう関係なのよ私たち!!」


「守護者と魔法少女?」


「そういうこと聞いてない!」


「じゃあ」


香仁子が手を挙げた。


「次にマガツが出た時に聞けばいいんじゃない?」


「遊園地に誘うためにマガツ待ちするの!?」


「駄目ですか?」


「駄目に決まってるでしょうが!」


そして。


猫がぽつりと言った。


「白石先生なら……知ってませんかね?」


「…………」


全員が止まる。


「知ってそう」


「知ってるわね」


「絶対知ってる」


「聞いてみましょう!」


***


五人は。


白石真帆のもとを訪れた。


「駄目」


そして。


事情を聞いた白石は。


即答した。


「なんで!?」


星歌が机へ身を乗り出す。


「まだ何もお願いしてないじゃない!」


「分かるわよ」


白石はため息をついた。


「ひょっとこさんに連絡してほしいんでしょ?」


「そうです!」


猫が答える。


「遊園地のチケットが六枚あるんです」


「それで?」


「私たち五人と、ひょっとこさんで行けたらなって」


「駄目」


「だからなんでですかぁ!」


「あなたたちね……」


白石が眉間を押さえる。


「自分たちが、あの人の何を知ってるの?」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………ひょっとこ?」


「それは見れば分かるのよ」


星歌が香仁子の頭を叩いた。


「じゃあ先生は知ってるんですか?」


昴が尋ねる。


「何を?」


「ひょっとこさんのこと」


「知ってるわよ」


「名前も?」


「知ってる」


「顔も?」


「知ってる」


「連絡先も?」


「知ってる」


「…………」


五人が顔を見合わせた。


そして。


「「「「「ずるい!!」」」」」


「何がよ!?」


「私たちの守護者なのに!」


「私は組織の人間なの! 必要だから知ってるの!」


「じゃあ連絡してくださいよ」


「しません」


「なんで!」


「なんでも何も」


白石は五人を見回した。


「あなたたちが知らないようになってるものを、私が勝手に繋いだら意味ないでしょうが」


「でも遊園地ですよ?」


「遊園地でもよ」


「マガツ関係ないですよ?」


「だから余計に駄目なの」


「?」


猫が首を傾げる。


白石は説明しようとして。


止まった。


そもそも。


守護者が担当する魔法少女へ正体を明かさないのには理由がある。


それを。


この子たちに説明するわけにはいかない。


「……とにかく」


白石は話を切った。


「ひょっとこさんへの連絡はなし」


「そんなぁ……」


猫がしゅんとうつむく。


「せっかく、お父さんとお母さんも、ひょっとこさんにお礼したいって言ってたのに……」


「…………」


それを言われると。


少しだけ。


白石も弱い。


「……気持ちだけは、私から伝えておくわよ」


「本当ですか?」


「ええ。それくらいなら」


「ありがとうございます!」


猫の表情がぱっと明るくなった。


「でも、そうすると一枚余るわね」


鏡子がチケットを見る。


「もったいないね」


昴も頷く。


「…………」


五人が考える。


そして。


星歌が白石を見た。


「先生」


「嫌な予感がするわね」


「今度の休み、暇ですか?」


「どうして?」


「遊園地、行きません?」


「なんで私が」


「チケット余ってます」


「それだけ?」


「あと」


星歌がにっこり笑った。


「先生、車持ってますよね?」


「運転手じゃない!!!」


「五人いるんですよ!」


「知ってるわよ!」


「電車とかバスだと大変じゃないですか!」


「知らないわよ!」


「先生も遊園地で遊べますよ?」


「今、完全におまけで付け足したでしょう!」


「そんなことないです!」


「目を見て言いなさい!」


星歌が目を逸らした。


「こっち見なさい!」


「先生」


今度は猫だった。


「…………何?」


「一緒に行きませんか?」


「…………」


「お父さんとお母さんがくれたチケットですし、余らせちゃうのも、もったいないですから」


「…………」


「それに」


猫が少し笑った。


「私、皆さんと遊園地に行くの……楽しみなんです」


「…………」


白石は。


五人を見る。


星歌。


香仁子。


昴。


鏡子。


そして猫。


少し前まで。


同じ学校に通っていることすら知らなかった五人。


戦場で集められ。


それぞれに問題を抱え。


まともに戦えるのかすら怪しかった五人。


それが今は。


休日に一緒に遊びに行く相談をしている。


「…………はぁ」


白石は大きく息を吐いた。


「分かったわよ」


「!」


「行くんですか!?」


「行く」


「やった!」


「ただし!」


白石が指を立てる。


「私も遊ぶからね」


「もちろんですよ」


「運転手として連れていって、現地で放置とか許さないからね?」


「しませんって」


「本当に?」


「…………」


「なんで黙るのよ!」


「大丈夫です!」


「今の間は何!?」


「じゃあ決まりですね!」


「話を進めるな!」


騒ぎ始めた五人を前に。


白石はもう一度。


深いため息をついた。


六枚のチケット。


五人の魔法少女。


そして。


六人目は自分。


本来。


そこに誘いたかった人物が別にいることを。


白石だけは知っていた。


けれど。


今は。


これでいい。


「先生!」


「今度は何!?」


「何時に迎えに来てくれます?」


「やっぱり運転手じゃない!!!」


***


数日後。


休日の朝。


学校の正門前には。


五人の少女が集まっていた。


「…………遅い」


「まだ集合時間の十分前よ」


「でも全員いるよ?」


「先生だけいない!」


「だから集合時間前だって言ってるでしょうが!」


朝から元気いっぱいの昴に。


星歌が呆れた声を返す。


「楽しみですね」


猫が言った。


その声も。


いつもより少し弾んでいる。


「猫、お菓子持ってきた?」


「持ってきました!」


「いくらまで?」


「え?」


「遠足じゃないのよ」


鏡子が苦笑する。


「バナナはお菓子に入りますか?」


「だから遠足じゃないって!」


「じゃあ先生が来るまで食べよう」


「なんで!?」


香仁子が鞄を開ける。


「待ちなさい! まだ出発すらしてないでしょうが!」


そんなことをしているうちに。


一台の車が正門前へ入ってきた。


「あ」


猫が顔を上げる。


「先生じゃないですか?」


五人がそちらを見る。


そして。


少し。


黙った。


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………え?」


ゆっくりと停車したのは。


大きなミニバンだった。


新車ではない。


よく見れば、デザインには少し前の時代を感じる。


けれど。


古びてはいなかった。


車体は綺麗に磨かれ。


目立った傷もない。


何年も大切に乗られてきたことが分かる。


そして何より。


どう見ても。


安い車ではない。


運転席の窓が開いた。


「何してるの?」


白石だった。


「乗らないの?」


「…………先生」


星歌が車と白石を交互に見る。


「何?」


「これ、先生の車?」


「そうだけど」


「…………」


「何よ」


「なんか……」


星歌がもう一度車を見る。


「いい車乗ってますね」


「悪い?」


「いや、悪くないですけど」


昴も車を覗き込む。


「先生、お金持ち?」


「違うわよ」


「でもこれ高そう」


「…………まあ」


白石が少しだけ遠い目をした。


「現役だった頃に買ったのよ」


「現役?」


「魔――」


言いかけて。


白石が止まる。


周囲を見る。


休日とはいえ。


ここは学校の正門前である。


「……昔の仕事してた頃」


「へえ」


「ちょっと調子に乗ってね」


白石がハンドルを軽く叩く。


「給料も今より良かったし」


「先生、昔何の仕事してたんですか?」


「…………」


昴からの純粋な質問。


白石は答えない。


「先生?」


「いいから乗りなさい」


「誤魔化した」


「乗りなさい」


「怪しい」


「乗りなさい!」


五人が笑いながら車へ乗り込んでいく。


「わ、広いです」


猫が目を丸くした。


「ほんとだ」


「後ろ三人いけるね」


「じゃあ私一番後ろ!」


「待って香仁子、荷物!」


「先生、お菓子食べていい?」


「散らかさないならね」


「やった!」


「まだ学校から一メートルも動いてないわよ!?」


扉が閉まる。


途端に。


静かだった車内が。


騒がしくなった。


「…………」


白石はバックミラーを見る。


五人いる。


全員いる。


「香仁子」


「はい?」


「シートベルト」


「あ」


「出発しないわよ」


「はーい」


カチリ。


「よし」


白石は車を発進させた。


「先生!」


「何?」


「音楽かけていい!?」


「いいけど勝手に触らないで!」


「Bluetoothどれ!?」


「だから勝手に触らない!」


「先生これ何のボタン?」


「押すな!!!」


「これ?」


「押すなって言ってるでしょうが!!!」


出発から。


数十秒。


白石は。


今日一日。


自分の体力が保つだろうかと。


少しだけ不安になった。


***


車を走らせること、しばらく。


「見えた!」


最初に声を上げたのは昴だった。


窓の外を指差す。


「ほら! あれ!」


「あ、本当だ!」


香仁子も窓の外を見る。


遠くに見える。


大きな観覧車。


その横を。


複雑に絡み合ったレールが走っている。


さらにその向こうには。


高くそびえる塔。


遊園地だった。


「昴、窓に張り付かない」


「はーい」


「香仁子も」


「はーい」


「…………」


白石はバックミラーを見る。


「あなたたち、本当に高校生よね?」


「高校生だって遊園地は楽しいですよ!」


「そういう意味じゃないのよ」


やがて。


車は駐車場へ入った。


白石が空いているスペースへ車を停める。


エンジンが止まった。


「着いた!」


「よし!」


「行こう!」


「待ちなさい」


ガチャガチャとシートベルトを外し始める五人を。


白石が止めた。


「チケット持ってるの誰?」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


五人が。


猫を見る。


「わ、私です!」


「でしょうね」


猫が慌てて鞄を確認する。


「あれ?」


「…………」


「あれ?」


「猫?」


「ちょ、ちょっと待ってください」


「まさか」


「あります! ありますから!」


鞄の中を探す。


財布。


ハンカチ。


スマートフォン。


お菓子。


「猫もお菓子持ってきてるじゃん!」


「今それどころじゃないです!」


さらに探す。


そして。


「あったぁ……!」


封筒を両手で掲げる。


「ありました!」


「びっくりさせないでよ」


「私が一番びっくりしましたぁ……」


「じゃあ行きましょう」


鏡子が扉を開ける。


「遊園地!」


「おー!」


「声大きい!」


白石も車を降りた。


***


入場ゲートを抜ける。


途端に。


視界が開けた。


色とりどりの建物。


行き交う人々。


流れる音楽。


あちこちから聞こえる笑い声。


そして。


遠くから。


「きゃあああああああああああ!!!」


絶叫。


六人の頭上を。


ジェットコースターが駆け抜けていった。


「おおー!」


昴が見上げる。


「速い!」


「最初あれ行く?」


香仁子が指差す。


「…………」


「昴?」


「…………」


「どうしたの?」


「別に?」


「?」


「それより!」


昴が勢いよく別方向を指差した。


「あっち行こう!」


「露骨に話逸らした?」


「逸らしてない!」


「じゃあジェットコースター――」


「あっちに面白そうなのあるよ!」


「絶対逸らしてるでしょ」


「逸らしてないって!」


星歌は首を傾げたが。


ひとまず追及しなかった。


「で、結局どこから行くの?」


「全部!」


「順番を聞いてるのよ」


「全部乗ればいいじゃん」


「だから順番!」


「近いところからでいいんじゃない?」


鏡子が入口でもらった園内マップを広げる。


五人が集まった。


「今ここだから……」


「あ、コーヒーカップ」


「乗りたい!」


「お化け屋敷もありますよ」


「…………」


猫の声が小さくなった。


星歌が見る。


「猫、お化け屋敷苦手?」


「べ、別に怖くありません」


「その言い方は怖いやつね」


「マガツより怖くないです!」


「比較対象がおかしいのよ」


「観覧車!」


「それ最後の方がよくない?」


「じゃあこれ!」


「急流すべり?」


「濡れるわよ」


「楽しそう!」


「ちょっと待ちなさい」


白石が口を挟んだ。


五人が振り返る。


「何ですか?」


「あなたたち」


白石が自分を指差す。


「一人忘れてない?」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「あ」


「『あ』じゃない!」


「先生も乗ります?」


「そのために来たのよ!」


「運転手じゃなかったんですか?」


「桃井?」


「冗談です」


「目を逸らすな」


結局。


最初に選ばれたのは。


六人全員で乗れる。


大きな円盤型の回転アトラクションだった。


***


「待って」


星歌が言った。


「聞いてない」


「何を?」


「こんなに回るなんて聞いてない!」


「回転する乗り物なんだから回るでしょ!」


「限度ってものがあるでしょうがぁぁぁぁぁ!!!」


「すごーい!」


「香仁子! 手を離さない!」


「猫、大丈夫!?」


「だ、大丈夫ですぅぅぅぅぅ!」


「全然大丈夫じゃない!」


「昴!?」


「楽しい!」


「鏡子先輩は!?」


「ちょっと待って今話しかけないで!」


「先生ぇぇぇぇぇ!」


「私は平気よ」


「なんで!?」


「これくらいなら――」


白石が平然と答えようとして。


乗り物が。


さらに勢いよく回転した。


「…………」


「先生?」


「…………」


「先生?」


「…………ちょっと黙ってて」


「先生も駄目なんじゃないですかぁぁぁぁぁ!!!」


***


数分後。


六人はベンチに座っていた。


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「楽しかった!」


「昴だけ元気ね……」


星歌がぐったりしながら答える。


その横で。


猫が笑っていた。


「ふふっ」


「…………猫?」


「はい?」


「何笑ってるの?」


「あ」


猫は口元を押さえた。


「す、すみません」


「いや、謝らなくていいけど」


「なんか……」


猫が少し照れたように。


五人を見る。


「こういうの、楽しいなって」


「…………」


星歌が笑う。


「そりゃよかった」


「はい!」


猫も笑った。


「すごく楽しいです!」


「よし!」


香仁子が立ち上がる。


「次行こう!」


「もう復活したの!?」


「次は何乗る!?」


「ちょっと休ませて!」


「じゃあ食べよう!」


「切り替えが極端なのよ!」


「私、あれ食べたい!」


「だから待ちなさいって!」


再び。


六人が騒ぎ始める。


「次どこ行く!?」


「だからちょっと休ませてって!」


「じゃあジェットコースター!」


「…………」


昴が。


ぴくりと反応した。


「昴?」


「…………何?」


「今、嫌そうな顔しなかった?」


「してないよ」


「じゃあジェットコースター行く?」


「…………」


「昴?」


「…………お腹空かない?」


「さっきお菓子食べてたでしょうが」


「ソフトクリーム食べたいな!」


「話逸らしてるわよね!?」


「逸らしてない!」


「じゃあ乗る?」


「…………」


「…………」


「ソフトクリーム食べたいな!」


「絶対嫌なんじゃない!!!」


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