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現在時刻  作者: shr
3/7

違和感(仮)

インターネットやスマホが普及して、時代は適応していった。


時として、噂は広がっていった。

家で、学校で、街で、世界で、SNSで。

何か、大きな事件が合ったわけでも、誰かが消えたわけでも無い。


教室では、クラスメイトたちが、話している。

「最近、パッと時間を聞いても、わかんない人多くない?」

「確かに」

「わかるー!みんなスマホみてさー。」


ただ、社会に、スマホが浸透しただけ。

ただ単に、時間を正確に言えない人が増えただけ。

小さな灯火が、ゆらゆらと光っている。


話を聞いても、自己の目撃証言が食い違う。

メッセージの送信時間と、記憶が噛み合わない。

写真の撮影時間は残っているのに、その瞬間の感情だけ思い出せない。

それを、不思議がる人はいる、だが、少ない。

というより、気にしない人が大半を占めている。


今、何年だっけ。

今、何月だっけ。

今、何日だっけ。

今、何時だっけ。

今、何分だっけ。

今_______________。


そう、時間を聞いても正しい答えは返ってこない。

求めていない返答が返ってくるだけ。


『そんなの、スマホみればいいじゃん』

『覚えてる必要ある?見れば一瞬でわかるのに。』

『自分のスマホ見ろよ、写ってるだろ』


そう言われると、確かに、反論はできない。

できる気がしなかった。

======================

放課後、屋上へ向かった。

なぜかはわからない。

すぐ帰ればいいのに。


ここは、昔から人があまり来ない。なぜなら基本的に封鎖されているから。だが、別館の扉は空いているのだ。

夕日がゆらめいて、風も爽やかで、少しだけ時間が遅くなる気がする。


少しして、放課後を出て、校門を出た。


少し先に、幼馴染がいる。

僕は少し小走りをして、話しかけた。

「やぁ。帰り?」

「あ、うん!一緒に帰る?」

「そうさせてもらおうかな」

隣り合わせで、歩く。


僕は、質問を投げかけた。

「ねぇ。昨日のこと覚えてる?」

幼馴染は不思議な顔をする。

「昨日?」

「うん。昨日の帰り道。信号待ってる時に、僕に何かいいかけたでしょ?」

幼馴染は、一瞬だけ黙り、不思議そうな顔をして、口を開いた。

「私、そんなこと言った?」

そう言った。幼馴染の口から。。はっきりと。

僕は信じられなかった。


だって、写真も。

歩数も。位置情報も。全部残ってる。全部共有してるのに。

全部、空っぽだったっていうのか。

昨日過ごした時間は。

幼馴染は冗談みたいな言い方で、

「どうした?ボケた?」

僕は笑えなかった。


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