変わっていく現代社会
それから数年が経過して、僕は高校生になった。
ある時から、インターネットが現代社会に影響を及ぼしていった。
今では、当たり前のインターネット。
今では、当たり前にみんなが持っている電子機器。
そう、スマートフォンの発明だ。
黒電話から、ガラケー、そして、スマホ。
時代は変わったのだ。
時計から、スマホへと。
スマホがあれば、正確な時刻はいつでも分かるし、誰が見てもパッとわかる。
何時、何分、何秒か。世界基準時に合わせて、誤差なく表示される。
今では当たり前になっているが、昔では考えられないほど便利になった。
使用するのが悪ではない。
むしろ、正しいのだ。
スマホで時間確認なんて、当たり前の社会。当たり前の機能だから。
でも、なぜか、どこか苦しい。
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駅前の交差点で、久しぶりに、小中と一緒で、高校で別れてしまった幼馴染と出会った。
成長していくにつれて、だんだん距離は離れていった。仲が悪くなったわけじゃない。生きる世界を変え、話さなくなっただけ。友達が増え、話して勉強をして、成長しているのだ。
今日は、小学校の同窓会。同窓会と言っても、みんなで会って、話すだけ。
久しぶりに会った幼馴染とでも、会話は億劫にはならず、不思議と居心地がよかった気がする。
僕は、一応確認のため質問をした。
「今日さ。何時に集合だったっけ。」
幼馴染は、当たり前かのようにスマホを見る。
「19時ちょうど、秒単位で遅れるなってさ。」
そう言って、僕に笑った。
僕は、ふともう一つ問いかける。
「今、何時?」
幼馴染は、すぐにスマホを開き、確認する。
「今、18時23分だよ」
そう言って、また僕に笑った。
「ありがとう」
感謝をして、笑い返したけど、その笑顔は固かった気がする。
最近のみんなは、インターネットやスマホの普及のせいか『時間』に弱い。
遅刻はしないし、約束も守るのに。
聞くと、話すと、言葉にしようとすると、答えられないのだ。
僕は、また質問を投げかける。
「昨日、何時に寝た?」
幼馴染は、笑顔を崩して、口が籠った。
「......えっと....」
僕は、すかさず、口にする。
「忘れちゃった?」
幼馴染は、答えた。
「うん、ごめんね。でも、なんでそんなこと聞くの?」
「ううん、気になっただけ。気にしないで。ありがとう。」
曖昧に目をそらして、スマホを確認する。
履歴を見て、ようやく安心したような顔になる。
19時前には会場についた。
見知った顔立ちが揃っている。
幼馴染は僕の隣から離れ、友達と話に行った。
僕も、友達たちに話しかけに行った。
「久しぶり、みんな」
数名が僕の方を向く。
「もしかして、その顔と声。」
「変わって無いなあ!」
「お前も言うてかわってねーだろ。」
「それでいうと、お前は変わりすぎなんだよ。」
と、笑いが起こる。
質問を投げかける
「今日、全員来るのかな。何人くらいくるだろう。今、何時か分かる?」
みんな、その問いに対して、ポケットからスマホを取り出し、時間を確認し、いじりながら。
「予定では来るっぽいけどな」
「確か、19時集合だよね」
「あぁ、今、18時47分だな。もう少しか。」
当たり前に、ポケットからスマホを取り出して、当たり前にスマホで時間を確認している。
僕は、また、問いかける。今度は、友達に。
「昨日、何時に寝た?」
みんなは、笑顔を崩して、口が籠った。
「......えっと....」「いつだったかな...」「何時だったっけ。」
僕は、すかさず、口にする。
「忘れちゃった?」
友達は答えた。
「あぁ、すまん。でも、なんでそんなこと聞くんだ?」
「ううん、気になっただけ。気にしないで。ありがとう。」
曖昧に目をそらして、スマホを確認する。
履歴を見て、ようやく安心したような顔になる。
まるで、記憶じゃなくて、記録で生きているようだった。




