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【第二章完結】異世界ダンジョン配信~回帰した俺だけが配信のやり方を知っているので今度は上手く配信を活用して世界のことを救ってみせます~  作者: 犬型大
第四章

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嘆きの魔女7

「リオル・エンドブライン……」


「なに……?」


 ボスが呟いた言葉に、イースラは過剰な反応を示した。

 珍しくイースラが怖い目をしているなとサシャは思った。


「そうか……なるほど……」


 イースラの体から白いオーラが漏れ出す。

 いつもピタッと体にまとう乱れのないオーラをしているのに、今はまるでイースラの感情に表すようにオーラが大きく波打っていた。


「お前は……アイツの手下なのか」


 黒いスケルトンナイトは他のスケルトンナイトの剣を奪って暴れている。

 イースラは魔物袋に白い槍を入れると、代わりにアルドッグを取り出した。


「いかせるかよ……!」


 飛び出してきた黒いスケルトンナイトの前にイースラが立ちはだかる。

 黒いスケルトンナイトが激しく剣を振るい、イースラはそれを上手く受け流す。


「おばさん! あれ、あんたが出したんだろ! どうにかならないのかよ!」


「おば……あれはもう私の支配下にないわ」


 クラインにおばさんを呼ばれてボスが一瞬顔をしかめる。

 しかし起こっている場合ではない、とすぐに忌々しいクソガキから黒いスケルトンナイトの方に視線を移す。


 スケルトンナイトそのものはボスが呼び出したものである。

 けれども黒いスケルトンナイトにおいてはボスの力が全く及んでいない。


 他のスケルトンナイトのように操ることが全くできないのである。

 イースラと黒いスケルトンナイトの戦いは、やや黒いスケルトンナイトの方が押している。


『ふーん……この気配、久々に感じるな』


「なんだ? 知り合いか?」


『いいや。だが知ってはいる。俺としてはお前が知ってることの方が意外だがな』


 戦いながらアルドッグの声に応じる。

 余裕は少ないけれど、アルドッグの反応も気になった。


「リオル・エンドブライン……アイツは俺たちの世界が滅ぶ原因の一つだ!」


 イースラは黒いスケルトンナイトの剣を押し返す。

 スケルトンのくせに意外と力が強くて戦うのに苦労する。


「こいつが色々とかき乱してくれたせいで、俺たちは苦労させられたんだ」


『どこでも同じようなことをしているんだな』


「どこでも……?」


『まああんまり言いたくはないが……アイツと俺は俺がこうなる前に少し関わったことがあるんだよ』


「……それは後で聞かせてもらおうかな!」


 黒いスケルトンナイトはイースラではなくボスを狙っている。

 目の前にいると攻撃はしてくるものの、隙を狙ってボスの方に行こうとしていることはバレバレだ。


 なんにしてもボスを狙いたいというのなら狙わせてやらない。


「蒼天剣……第三式!」


 白いオーラがほとばしり、イースラは黒いスケルトンナイトを一気に攻め立てる。

 黒いスケルトンナイトはそこそこの力とそこそこの技術を持っているけれど、イースラの技術には敵わない。


「オルサロ、危ない!」


 イースラは攻めに対応しきれず、隙を見せた黒いスケルトンナイトの腕を切る。

 そのまま一気に黒いスケルトンナイトを倒そうとしたイースラだったのだが、黒いスケルトンナイトの右手がトモナリに斬りかかってきた。


 切れてはいる。

 だが黒い魔力が右手を繋いでいたのだ。


「……今よ!」


 イースラに迫る刃を、ボスが操るスケルトンナイトたちが腕に抱きつく形で止める。


「はぁっ!」


 イースラはアルドッグにオーラを込め、黒いスケルトンナイトを縦に切り裂く。


「イースラ!」


「なんだ……なっ!」


 悲鳴のような声が聞こえてイースラは振り返った。

 一体のスケルトンナイトが後ろからボスの首に剣を突き立てていた。


 驚きに見開かれたボスとイースラは目が合う。


「くっ! やめろ!」


 クラインがオーラの斬撃を飛ばす。

 スケルトンナイトは軽くクラインの方を見たが、全く動くこともなく斬撃を受けてバラバラになった。


「大丈夫ですか!」


 サシャがボスの状態を確認する。

 イースラも素早くボスのところに駆け寄ったけれど、もはや虫の息であった。


 ライアンウルフのポーションなら、と頭の隅で考えるけれどもボスは今理性があってもモンスターの状態である。

 スケルトンなんかを操っているし、アンデッド系のモンスターだろうと思う。


 ポーションが効くのかも分からないし、そもそもあまりにギリギリの状態だとポーションは通じない。


「いい……の……」


 イースラの迷いを見抜いたように、ボスは微笑みを浮かべる。


「気をつけ……て。きっと…………あなた……たち……にも…………魔の手を……」


 ボスがゆっくりと目を閉じる。


「ああ……あの子たちが待ってる……」


 ボスの体が光の粒子となって消えていく。

 後に残されたのは、拳よりも一回りほど大きな赤い石であった。


「…………これで、終わり?」


「……ああ、終わりだ」


 どうやらボスは死体も残らないらしい。

 ボスが呼び出したスケルトンナイトたちも崩れて消えてしまい、静寂のみが場を支配していた。


「……開いた! 大丈夫か!」


 ボス部屋の正規の出入り口である扉が開く。

 聖騎士たちがドッとなだれ込んできて、イースラたちのところに駆けてきた。


『相変わらず、後味の悪いことをする……』


 大神殿地下にあるダンジョンは攻略された。

 攻略したのは三人の子供たち。


 イースラだけでなくサシャとクラインもまた非常に注目されていくようになるのだった。

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