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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
最終章

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82/88

82 ヒュドラ

 捕縛した多頭種からの証言をつなぎ合わせると、ある事実が判明した。

 リーダー格の魔物たちを束ねる魔物が存在する。それは竜王国でも伝説となっているヒュドラというドラゴンだ。

 ヒュドラは三つ首の巨大なドラゴンで、古い伝承では「嘆きの森」の奥深くに生息しているとの情報だ。


 国王陛下の顔も歪む。


「仕方がない・・・竜王国の持てるかぎりの戦力ぶつけるしかない。当然、我も出る。ジョージ、エリザ、後は任せたぞ」

「父上!!私が軍を率います」

「私にこそ、その役目をさせてください」


 少し時間を置いて、国王陛下が言う。


「これは未来のためだ。ジョージ、エリザ。お前たちを連れて行くことはできん」


 苦渋の決断だ。

 それから国王陛下の指示で、部隊がどんどんと招集されていく。当然、お父様の暴竜隊も風竜隊もね。

 今回は国家存亡の危機であり、国王陛下自らが指揮を取るから、文句などは出なかった。

 宰相閣下が言う。


「以前にクラーケンの討伐作戦をしておいて、本当によかったと思う。改めて礼を言うぞ、カトリーヌ隊長。それでだが・・・」


 私たちはやはり特命運用だった。



 ★★★


 今回の作戦は、オルトロスに協力してもらう。オルトロスが言うには、定期的にヒュドラが視察に来るとのことで、その際に捕縛する予定だ。緊張して震えているオルトロスをケルが励ます。


「大丈夫ですよ。私たちがすぐ近くにいますからね」

「う、うん・・・心強いわ」


 今回、配下の魔物役としてグラスウルフも配置している。

 ある程度、準備が整ったところで、私とデミドラ、ブーナとネルが隠蔽魔法で付近に潜む。他の大部隊は、少し離れた場所で待機だ。


 しばらくして、伝承のとおり、三つ首の巨大なドラゴンが姿を現した。そのドラゴンには赤髪の魔導士風の女性が乗っていた。ケルが念話を飛ばしてくる。


『間違いありません。私に隷属の首輪を嵌めたのは、あの魔導士です』


 私はすぐにデミドラに指示して、待機している部隊に報告した。

 すぐにこちらに向かうとのことだった。


 女性魔導士がオルトロスに言う。


「あれ?魔物がかなり減っているわね?」

「反撃に遭い、大損害を受けたのよ」

「無能ね・・・それじゃあ、お仕置きをしなくちゃね。罰を与えよ。隷属の首輪!!」


 これは困った。

 オルトロスの首輪は、すでにダミーの首輪に取り換えているからね。


 しかし、オルトロスは迫真の演技を見せた。

 その場に倒れて、のたうち回る。


「く、苦しい・・・た、助けて・・・」


 その時、ヒュドラが止めに入った。


『ローゼマリア、その辺にしておけ。オルトロスも反省しているだろうしな』

「まあ、今日はこの辺で勘弁してあげようかしら。とりあえず、詳しい報告をしてくれる?」

「わ、分かったわ。これまでの活動は・・・」


 オルトロスが上手く、話を長引かせてくれている。

 そんな時、デミドラから念話が入った。


『部隊の配置が完了したから、捕獲作戦開始だって。ネルとブーナはそのまま待機して、私たちが声を掛けろって』

『分かったわ』


 私とデミドラはヒュドラと女魔導士の背後に姿を現した。

 ヒュドラは落ち着いているが、女魔導士は驚愕している。


「な、何者!?」

「私はカトリーヌ・ハワード。そして、こちらがパートーナーのデミドラ。悪い事は言わないから、大人しくお縄につきなさい」

「何を言っているの?飛んで火にいる夏の虫とはこのことよ。そこのドラゴンも私の使い魔にしてあげるわ」


 女魔導士がそう言うと、どこからともなく隷属の首輪が現れ、デミドラの首に嵌った。


「そこの太いドラゴン。これで貴方も私の使い魔よ」

『何で?』

「逆らうと痛い目に遭うってことよ。罰を与えよ。隷属の首輪!!」

『ちょっとピリピリするけど・・・それが何か?でも少し気持ち悪いから、外すわね。エイ!!』


 デミドラは隷属の首輪を引きちぎった。

 デミドラには全く隷属の首輪は効かなかったようだ。


「な、何で?ヒュドラ!!このドラゴンをやってしまいなさい!!」

『それは無理だ。既に包囲されておる。これ程の数が相手では、流石の我も太刀打ちはできん。そこのお嬢さん。我らを捕虜として扱ってくれるか?』

「もちろんです。お約束します」


 女魔導士はどこらからともなく現れた暗部の隊員によって拘束されて、連行されていく。

 そして、ヒュドラはというと・・・


『わ、我は・・・こう見えて、戦闘力が全くないのだ。本当に見掛け倒しなのだ。だから、ローゼマリアに従うしかなく・・・』


 土下座を始めてしまった。

 私や他の竜騎士たちが引くほどだ。国王陛下も驚いてつぶやく。


「これが伝説のヒュドラか・・・信じられん」


『自分からそんなことを言ったことは一度もない。嘆きの森で逃げ続けた竜生だったのだ』


 宰相閣下が間に入る。


「まずは隷属の首輪を外します。それから取調べに協力ください」

『うむ。洗いざらい話してやろう』


 こうして、今回も呆気なく任務が終ってしまった。

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