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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
最終章

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81/88

81 多頭種

 オルトロスから話を聞く。概ねケルと同じような話だった。


「私はこの見た目に反して、戦闘力は高くないのよ。だから魔導士に隷属の首輪を嵌められてしまったんだけどね。そこにいるケルベルロスには以前、遭遇したことがあるんだけど、その時は一目散に逃げたわよ」


「分かったわ。とりあえず、魔物たちを解散させて、私たちと一緒に来てくれる」

「いいわよ。それに知っていることは全部話すわよ」


 王都に場所を移して、オルトロスは暗部の事情聴取にも素直に応じる。

 私たちも事情聴取に同席することになった。


「私以外にも知能の高いリーダー格の魔物がいるのよ。ダブルヘッドグリズリー、キマイラ、双頭蛇・・・まあ、どれもがSランクの魔物ね。私じゃ太刀打ちできない魔物よ」


 取調官が質問する。


「そんな危険な魔物を従えるといると?」

「そうよ。危険性がないのは私くらいのものよ。それほど、帝国が開発した隷属の首輪が強力だということよ」

「信じられん・・・」

「それともう一つ、信じられない話をしてあげましょうか?それはね・・・」


 その話は取調官だけでなく、私たちも絶句した。


 それって伝説のドラゴンじゃないか!?


 落ち着きを取り戻した取調官が再度、質問をする。


「それは真実なのか?」

「実際に見たから間違いないわ」

「もっと詳しく話せ」

「それは無理よ。私なんか、恐怖で震えていることしかできなくてね。威圧感が凄かったくらいしか、覚えてないのよ」

「それはそうだな・・・」


 オルトロスの取調べはまだ続いていたが、同席していた宰相閣下は慌てて、取調室から出て報告に向かっていた。



 ★★★


 宰相閣下が国王陛下に報告の後、今後の方針が決まった。


「オルトロスも我らに協力してくれることになった。オルトロスに危険性がなく、ケル殿ともいい関係が築けている」


 まあ、同じような魔物だからね。頭の数が違うだけだしね。


「それでオルトロスの証言を基にまずは、ダブルヘッドグリズリー、キマイラ、双頭蛇の討伐又は確保に当たる。基本方針は確保だ。情報が欲しいからな」

「分かりました。それで私たちはどうすればよろしいのでしょうか?」

「ダブルヘッドグリズリーの対応をしてもらいたい」

「了解しました」


 ダブルヘッドグリズリーは、二つの頭を持つ巨大な熊の魔物だ。情報によると竜王国南部で活動しているようだ。

 今回はハワード商会のメンバー全員で対策に当たる。ダブルヘッドグリズリーが活動している周辺は大きな川があるので、その対策としてクレーテとカメールも任務に当たってもらう。川で戦闘する可能性もあるからね。


 現場に到着すると、先行配置していたブーナから報告を受けた。


「ダブルヘッドグリズリーの居場所は分かったゴブ」

「ご苦労様。じゃあ、早速強襲しましょう」

「それは難しいと思うゴブ・・・」


 ブーナから話を聞くとダブルヘッドグリズリーは森の中の洞窟を要塞化しているようだった。


「柵やトラップ。堀なんかもあるゴブ。ちょっとしたお城よりも攻めるのは難しいゴブ」

「分かったわ。とりあえず、現場を見ましょう」


 現場に着くと、ブーナの報告の通り、洞窟が要塞化されていた。

 スピラが聞いてくる。


「カトリーヌさん、どうするの?」

「そうね・・・力技でやってみようと思うの」


 私たちがここに来るまでに、冒険者たちでどうにかしようと試みたようだが、要塞化された洞窟に引きこもった魔物たちに返り討ちにあった。

 普通にやっても、結果は同じだろう。まあ、こちらは竜騎士が大勢いるから負けはしないと思うけど、被害は最小限にしたい。


 私はデミドラに乗って、空中に飛び上がり、魔道砲に魔力を込めた。


「行くわよ!!発射!!」


 轟音を上げて、魔力を帯びた弾丸が発射される。

 防護柵を貫通し、洞窟の壁の一部を粉砕した。私は声に魔力を込めて、降伏勧告を行った。

 まあ、素直に降伏するとは思わないけど、一応やるだけはやった。下っ端の魔物は、これだけで逃げ出すかもしれないしね。


「大人しく投降しなさい!!命は保障します」


 すると、洞窟から巨大な二つの頭を持つ熊の魔物が姿を現した。


「こ、降伏する!!我の妻たち、それに配下の魔物たちの命も保障してもらいたい!!」


 あれ?こんなにすんなり?



 ★★★


 その後の話をすると、ダブルヘッドグリズリーはケルやオルトロスと同じく、戦闘力は全くなく、明晰な頭脳とハッタリだけで何とかやってきたそうだ。


「そ、そういう事情なので・・・ご勘弁を・・・」


 今のところ、素直に取調べにも応じている。


 王都に到着して数日もすると、他のリーダー格の魔物も別部隊が捕獲してきた。

 どれも同じような話をしているそうだ。


 ケルが言う。


「私たちのような多頭種は、見掛け倒しなのかもしれません。恥ずかしいかぎりです・・・」

「そう言わないで、ケルはケルでいい所はあるし、他の魔物もそうだと思うわよ」


 実際、彼らは本当に頭がいい。

 竜王国の文官たちは、是非文官として彼らを採用したいとまで言っていた。試しにダブルヘッドグリズリーに聞いてみる。


「有難い話です。戦闘しなくていいのなら、何でもいいです」


 彼らは平和主義者でもある。だからこそ、帝国に狙われたのだろう。

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