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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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68 修行 2

 ネルはすぐに見つかった。

 予想外の場所だった。王城の中庭の土の中に潜んでいた。すぐに暗部の隊員とドラゴンに拘束され、魔力を付与した鎖でぐるぐる巻きにされている。


『クソ。バレないと思っていたのに・・・』

『馬鹿息子!!ちゃんと修行しなさい』


 そしてシェディに殴られていた。

 女王陛下がつぶやく。


「本当にどうしたらいいのやら・・・とりあえず、牢にしばらく入れておけ」


 ネルが運ばれていった後、女王陛下が暗部の隊員に言う。


「ネルは隠蔽魔法だけを使うわけではない。今回は幻影魔法と土魔法を併用して隠れていた。今後はそういったことに対応しなければならん。宰相殿、後は頼む」

「了解致しました」


 女王陛下が王城に帰られた後、宰相閣下はため息をつく。


「しかし・・・ここまでの実力があるなら、我らが補足できなくなる日も近いな・・・」



 ★★★


 次の日、私たちは女王陛下から呼び出しを受けた。


「来てもらったのは他でもない。カトリーヌ隊長にブーナとネルを預けようと思う」

「私にでしょうか?それは・・・」

「不安になるのも分かるが、こちらにも事情があるのだ・・・」


 女王陛下が言うには、もうネルに教えられることがないそうだ。


「恥ずかしながら、隠蔽魔法や気配感知はもうネルに勝てるドラゴンはシェディ以外にいない。だから基礎訓練以外は教えられないのだ。それにネルは隠蔽魔法や気配感知だけでなく、光魔法や土魔法もある程度使えてしまう。加護を与え過ぎたのかもしれんな・・・」


 ネルはデミドラと同じように様々なドラゴンの加護を貰っているそうだ。

 なので光竜の加護も土竜の加護もあり、光魔法も土魔法もそれなりに使えるようだ。


「そう言われましても、私が教えられることもないと思いますが・・・」

「ネルを尋問して明らかになったことだが、教えてもいない光魔法や土魔法を使えるようになったのは、そちらの者たちから指導を受けたからのようだ」


 マライアと覆面の竜騎士がバツが悪そうにしている。

 二人に話を聞く。


「ネルは私たちの光魔法、特に幻影魔法に興味を持っていまして・・・上手く育てれば、公演の際に音響担当や舞台演出を任せられるのではと思いまして、指導させていただきましたわ」

「自分も工事を手伝いたいと言われたから指導はした。指導といっても、ただ一緒に土木工事をしただけだがな・・・」


 二人に変な意図はなかったようだ。


「二人を攻めているわけではないのだ。あのネルが理由は何であれ、自分から指導を請うのは初めてのことで、こちらも驚いているのだ。それで思いついたのだが、カトリーヌ隊長に面倒を見てもらえたらと考えたのだ。聞いたところ、カトリーヌ隊長は新人の指導にも定評があるようだしな」

「分かりました。しかし、このことは私の一存では・・・」

「それは心配ない。竜王国の国王と竜騎士学校の副校長の許可はもらっている」


 こうなるともう、私は断れない。


「謹んでお受け致します」


 こうして、私たち直轄特務隊に新たな隊員が加わることになったのだった。



 ★★★


 ネルを牢屋から出して、直轄特務隊の隊員になったことを告げる。


『無駄で退屈な訓練をするよりはマシか・・・よろしく頼むよ』

「仕事はキチンとしてもらいますよ」

『できる範囲で頑張るよ』


 先が思いやられる。


『ところで、最初は何をすればいいの?』


 そういえば、具体的なことは何も考えていなかった。


「そうね・・・まずは歓迎会かしら・・・」

『歓迎会?』


 新たなメンバーが加わるなら、宴を開くしかない。これにはスピラ以下の隊員も賛成してくれた。

 なので、キーグ島からクレーテを呼び出す。クレーテはほとんど別行動だけど、それでも同じ部隊の隊員だからね。


 そんな話をしたら、女王陛下も国を上げて参加すると言ってくれた。多分、飲みたいだけのようだけど・・・


 宴が始まると、ネルとブーナはマライアと一緒にステージに立った。

 ネルもブーナも楽しそうだ。


「歌ったり踊ったりするのは好きゴブ。故郷が復興したら、またみんなで歌って踊るゴブ」

『いいね。是非やろう』


 この宴には珍しく、覆面の竜騎士が参加していた。

 気になったので、声を掛けた。


「俺もネルとブーナの指導者にされたからな。本当は出たくはなかったが、仕方がない」

「そう言わずに楽しんではどうでしょうか?」

「あまり、構わないでくれ」


 そう言うと覆面の竜騎士はパートナーのクレイの所に行ってしまった。


『ドラゴンも竜騎士もシャイなのかしら?』

『そうかもね・・・本当に謎だわ』



 次の日からの訓練は順調だった。

 心配していた基礎訓練もスピラが面倒を見てくれたし、クレーテも水中活動を指導してくれている。ネルとブーナも真面目に取り組んでいる。


 訓練を見ながら、女王陛下が言った。


「貴殿の副隊長は優秀であるな?」

「もちろんですわ」


 スピラが褒められて、私も嬉しい。

 というのも、スピラを指導者にしてからネルが真面目に訓練をするようになったからだ。

 今もスピラが基礎訓練をしているネルとブーナに声を掛けている。


「食べた食事の分だけは訓練しないとね。別にサボってもいいけど自己責任よ。どうなっても知らないわよ」


「それは絶対に嫌ゴブ!!」

『そうだよ・・・流石にあそこまでになったら、ドラゴン失格だよ・・・』


 よく分からないけど、スピラは新人教育の才能もあるようだ。

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