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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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67 修行

 次の日から修行が始まった。

 私とデミドラは女王陛下とシェディから直々に指導を受けるようだ。


『貴方たちに教えることは二つだけ。簡単な隠蔽魔法と気配感知ね。まあ、言葉で説明するのは難しいから、とりあえず、やって見せるわね』


 そう言うと女王陛下とシェディが目の前から消えた。

 一瞬そう思ったけど、実はそうではなかった。存在が認識しづらくなっただけだった。


『これだけでも効果はあるわ。気配を消すことよりも、周囲の環境と同化する感じね。ちょっとやってみてもらえる?』

「はい」


 私とデミドラは見よう見まねでやってみた。

 ちょっとだけ、存在が薄くなったような感覚があった。


『初めてにしては上手いわね。その調子よ。後は練習あるのみよ。時間を見つけて何度もやってみなさい』

「分かりました」


 何度か繰り返した後、気配感知の訓練に移行する。

 女王陛下が指導してくれる。


「気配感知は竜騎士の役割が大きい。こちらも訓練あるのみだ。まずは身近な者の気配感知から始めよう」

「はい」


 スピラに協力してもらい、気配感知を開始する。

 30分もすると、500メートルくらいの距離なら感知することが可能になっていた。


「なかなかセンスがあるな。後は距離を延ばすことを意識すればいい」

「ありがとうございます」


 私はやはりセンスもあるようだ。

 絶世の美少女で才能があるなんて・・・逆に少し不安になってしまう。



 そんな訓練が3日程続いた時、女王陛下から新たな訓練を命じられた。


「それでは少し実戦的な訓練を行う。ネルの監視を頼みたい」

「了解致しました」


 早速、ブーナとネルが訓練をしている場所に移動する。

 現在、ブーナとネルの訓練は別々で行っている。ブーナはというと、これまで全く訓練を受けていなかったので苦労はしているけど、それでも彼女なりに頑張っているようだった。

 今もグラウンドを死ぬ思いで走らされている。


「辛いゴブ・・・でも頑張るゴブ・・・」


 ブーナはゴブリンで、種族的に力も魔力も強くはない。それでも根性だけはあるようだ。


 一方のネルだが、こちらは全くやる気が感じられない。

 何かにつけてサボろうとうするし、指導者の目を盗んで逃げようとして何度も捕まっていた。


『ここまでやる気のないドラゴンを初めて見たわ』

「そうね・・・」

『まあ、今日はここでのんびり訓練を見るだけでいいから、こっちは楽なんだけどね』

「デミドラ、いくら楽だからって、これは任務だからね」

『分かっているわ。逃げたら捕まえるだけだから、任せておいてよ』


 そう言ったものの、私も集中が切れていた。だんだんと眠くなってくる。

 そんな時、任務が終って帰還したマライアに声を掛けられた。


「カトリーヌ隊長。ネルは凄いですわね。幻影魔法も使えるのですね?」


 幻影魔法?


 慌ててネルを集中して見た。

 間違いなくネルではなく、ネルを模した幻影魔法だった。すぐに指導者に報告する。

 指導者も驚きの声を上げていた。


「ま、まさか・・・ネルにここまでの能力があるとは思いませんでした。すぐに捜索しなければ・・・」


 私はすぐに女王陛下に報告に向かう。


「申し訳ありません。逃げられました」

「気にするな。これも想定内だ。よし、これよりネルの捜索訓練を行う。どうせ、この王都からは出られないからな」


 女王陛下が言うには、王都の周辺には結界魔法を張り巡らせているので、王都から出ようとした時点で居場所が分かるそうだ。ネルもその辺は理解しているから、王都の外には出ていないとの見方だ。


「分かりました。絶対に見つけ出します」


 捜索は現役の暗部隊員と共に行うことになった。

 私とデミドラは暗部の隊長である宰相閣下の指揮に入る。


「ネルはかなりの能力を持っている。ゆっくりでいい。虱潰しに捜索せよ」


 捜索はかなり地味なものだった。

 グループを作って、担当区域を割り振って気配感知をしていく。


「カトリーヌ隊長。地味な作業だが、いい訓練になるぞ。これは才能よりも根気が大事だからな」

「分かりました」



 本当に地味な作業だった。

 少し進んでは気配感知を行っていく。ネルの隠蔽魔法は強力なので、いくら気配感知に長けた暗部の隊員でもこうするしかないようだ。


 しばらくして、急に騒がしくなった。

 行動を共にしている宰相閣下に報告が入る。


「ネルを発見しました。現在、第一班が追尾しております」


 私は宰相閣下に進言する。


「私たちも向かいます」

「カトリーヌ隊長、やめておけ。多分、罠だ」

「罠?」

「ああ・・・ネルは本当にずる賢くなったな・・・」


 宰相閣下は必要最低限の人員のみ追尾させ、残りは計画通りの捜索活動をさせていた。

 10分もしない内にまた報告が入る。


「申し訳ありません。我々が追尾していたのはネルではなく幻影魔法でした」

「やはりな・・・分かった。他に報告は?」

「はい。現在宰相閣下がいらっしゃる付近に魔力反応がありました」

「なるほど・・・ではこの周辺を重点的に捜すぞ」


 宰相閣下の指示で、付近を隈なく捜索するがネルの発見には至らない。

 しばらくして、女王陛下が現れた。


「宰相殿でも捜索は難しいか?」

「申し訳ありません」

「謝ることはない。ネルの実力がそれほど高いということだ。まあ、私とシェディほどではないがな。もう居場所は分かっているから、心配はするな」


 居場所が分かっているの?


「ネルも成長しているな。これは褒めていいものやら・・・」

『難しいわね。この里を出た時は幻影魔法も土魔法も使えなかったのにね』

「そうだな・・・」


 私には意味が分からなかった。

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