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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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61 救援活動

 私たちの前に降り立ったのは、ゴブリン自治区の代表者の娘であるブーナ。そして、そのパートナーはネルという漆黒のドラゴンだ。

 スピラが言う。


「カトリーヌさん。彼女は私たちの先輩なのかしら?」

「どうかしら・・・聞いたほうがいいとは思うけど、今はそれどころじゃないみたいだし・・・」


 私の知るかぎり、ゴブリンの竜騎士なんて存在しない。

 彼女がどうやって竜騎士になったか興味はあるけど、今はそれどころじゃない。


 グラース王子がブーナに話し掛ける。


「僕はナウール王国第一王子のグラースだ。ゴブリン自治区は協商連合に加盟していないし、我が国とも交流がない。助けてほしいとのことだけど、まずは状況を詳しく教えてくれ」

「分かったゴブ。まずゴブリン自治区は協商連合に加盟しようと思ってはいるけど、加盟金が払えなくて加盟できていないゴブ。それよりも、とにかく助けてほしいゴブ」

「一体、何に困っているんだい?」

「それは・・・」


 ブーナが言うには、ゴブリン自治区はセイン川の中流に位置していて、そのセイン川が氾濫して自治区全体が水没してしまっており、今も多くの住民が取り残されているそうだ。


「最近、雨は降っていなし、むしろセイン川の水量は減っていたゴブ。でも昨日、急に水位が上がって、自治区全体が水に飲み込まれたゴブ・・・早くしないとゴブリンは全滅するゴブ」


 ブーナが嘘を言っているとは思えない。

 同じ竜騎士が困っているのなら、何とかして助けたい。


「分かりましたわ。私たちが救援に向かいましょう」

「ありがとうゴブ!!」


 学生たちからも声が上がる。


「私たちも救援に向かいましょう」

「そうだ。先輩を助けないとな」

「うん。水害なら僕たち水竜乗りの出番だね」


 これにグラース王子が待ったを掛ける。


「流石にそれは僕の一存で決められないよ。せめて竜騎士学校の許可が必要だ。ナウール王国としては・・・」


 サンドラ王女が言う。


「ナウール王国は救援隊を出すことに賛成よ。これからお母様に正式な許可をもらいに行くわ」

「ありがとう姉さん。ただ、竜騎士学校の許可となると・・・」


 スピラが会話に入る。


「だったら私たちに任せて。全力で飛べば、エリザベート王女に追いつけるわ」


 少し考えた私は言った。


「じゃあスピラ、お願い」

「任せて。私たちでは救援活動では、大したことはできないからね」


 そう言うと、スピラとゲイルは上空に舞い上がり、超高速で飛んで行った。

 学生たちから感嘆の声が上がる。


「あれが副隊長の本気?ヤバいすぎるだろ?」

「そうね・・・あんなの誰も追いつけないわ」

「あれで一日飛んでるんだろう?格が違うな」


 グラース王子が指示をする。


「では指示をする。セリーナ、君は風竜の学生を指揮し、ブーナ嬢と共にゴブリン自治区に飛んでくれ。情報収集した後、すぐに報告してくれ」

「承りました」


「ヘルマン、許可が出次第、君は水竜の学生を指揮して現地で救援活動だ。一人でも多くのゴブリンを救ってくれ」

「分かりました」


「ロジャー、君は姉さんと一緒に王都に帰還し、支援物資をサイシレドスまで搬送してくれ。救助したゴブリンたちを保護しないとな」

「任せてください」


 流石はグラース王子だ。

 指示が的確だ。


 クレーテが続く。


「誰か、私とカメールを現地まで連れて行ってほしいだ。飛ぶのが苦手だけど、現地では活躍できると思うだ」

「分かりました。風竜2体でお運びします」

「ありがとうだ」


 クレーテも成長している。

 以前なら、こんな状況で発言しないだろうし、飛ぶことが苦手と言うこともなかったと思う。自分たちの弱点と長所を知った上で、適切な行動が取れていると思う。


 ★★★


 1時間もしないうちにエリザベート王女が戻って来られた。


「状況は聞きました。すぐに救援活動に移りなさい。カトリーヌ隊長、スピラ副隊長には軍と竜騎士学校、それに王宮への報告をお願いしました。しばらく時間が掛かると思いますわ」

「了解致しました」


 それからすぐにセリーナが報告のために帰還した。


「かなり酷い状況です。現地に残した風竜乗りで懸命に救助活動をしておりますが、全く手が足りていない状況です。それに救助したとしても、その後のケアは全くできません。すぐに救護所や仮設住宅の設置が必要と思われます」


「分かりました。それではカトリーヌ隊長、直轄特務隊も現地に向かいなさい。まずは救助が優先です。その後の支援はこちらで何とかしましょう。私も明日には現地に入ります」


 すぐにエリザベート王女の指示で動き出した。

 出発の準備をしていたところ、ルシル副官に声を掛けられた。


「どうだ?エリザベート王女も頼もしくなっただろ?」

「ええ・・・私も負けてられませんね」

「それでは気をつけてな。学生たちも頼もしくなったし、現地での指揮は任せるぞ」

「はい」


 こうして私たちは、ゴブリン自治区に向かうことになったのだった。

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