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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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58 学生の指導 4

 学生の実習が始まって1ヶ月が過ぎた。

 定期ミーティングに合わせて、それぞれから学生の指導状況を報告してもらう。最初に発表したのはスピラだった。


「みんな頑張っているわ。スピードも上がっているし、スタミナもついたわ。まあ、最初はひと悶着あったけどね・・・」


 スピラに反抗したセリーナという学生と模擬戦をしたようだ。

 その模擬戦で勝ってからは、素直に言うことを聞いてくれるようになったそうだ。スピラとゲイルも成長しているようだ。


 続いてはクレーテが発表する。


「オラが指導している学生はみんな素直でいい子たちですだ。自由に泳がせて、魔物がいたら討伐していますだ。魚人族も喜んでいますだ。それと帝国の商人を助けた関係で・・・」


 帝国商人の船がホーンシャークの群れに襲われているところを助け、非常に感謝されたという。

 その縁でその帝国商人はキーグ島に出資することを決め、キーグ島は多くの商人や冒険者が集まってきているという。


「詳しいことはよく分かりませんだ。ナウール王国の文官と商人とで話をしていますだ。オラたちはいつもどおり、キーグ島の周辺を泳いで魔物を狩っていますだ」


 心配していたクレーテだけど、問題なく指導ができているようだ。

 続いて私も発表する。


「こっちも素直に指導を受けているわ。でも成果はあんまりね。頑張ってはいるようだけど・・・」


 実際、頑張っているのは分かる。でも学生全員で運べる量は、私とデミドラが運べる量の半分に満たない。


「それはカトリーヌさんたちが、異常なだけよ」

「そうですだ。カトリーヌ様が凄いだけですだ」


「そうかしら・・・」


 そんな話をしている中、グラース王子が話し始めた。


「カトリーヌ嬢はそう言うけど、僕が見たかぎり、学生の実力は上がっていると思うよ。それでなんだけど、そろそろ学生たちに新たな任務を与えようと思うんだ。これは僕たちがポルガ村で実習をしたことをヒントに考えたんだけど・・・」


 グラース王子の案は、竜種を問わずに学生たちを3つのグループに分けて、自分たちで考えて利益を上げさせるというものだった。


「グラース王子、それでは赤字になってしまう可能性もあるのではないでしょうか?」

「資金はナウール王国から出すし、もし赤字になったとしても、それはそれで構わないんだ。投資だと思えばいいしね」

「分かりました。私はそれで構いませんよ」


 こうして、学生たちに新たな実習をさせることになった。

 私たちはというと、学生の活動を定期的に見守ることになった。



 ★★★


 ~セリーナ・ウインドミッド視点~


 実習が始まり、1ヶ月が過ぎた。

 今日はそれぞれの部門の代表者が集まっての報告会がある。メンバーは私とロジャー、そして水竜の代表者のヘルマン・ブラウだ。

 最初に口を開いたのロジャーだった。


「もうこんな実習は耐えられない。今すぐに中止を進言したい。セリーナとヘルマンはどう思う?」


 私は、この1ヶ月間の出来事を思い出しながら答えた。


「確かに辛く厳しい実習よ。でも確実に実力がついていると感じるわ。私としては好き好んでやりたい実習だとは思わないけど、有意義な実習だと思っているわ」


 ヘルマンはというと・・・


「最高の実習だと思うよ。飯は旨いし、実習と言ってものんびり泳ぐだけだしね。僕としては、このまま卒業まで、ここに居たいくらいだよ」


 ヘルマンはブラウ辺境伯家の長男でブラウ家を継ぐことが内定している。

 彼のパートナーの水竜アクアスは老ドラゴンで、かなりのんびりした性格だ。ヘルマンも「水竜隊に5年務めて恩給が貰えるようになったら、実家でのんびりくらしたい」と常々言っている。そのヘルマンが「のんびり泳ぐだけ」と言っているということは、余程楽な実習なだろう。


 これにはロジャーがキレた。


「ふざけている!!せめて指導者を変えてもらうように要請する」

「嫌だよ・・・今の環境が一番いいのに・・・」

「なぜ俺たちだけ、辛い思いをしなくちゃいけないんだ!?」

「知らないよ。僕に言わないでくれよ。君の日頃の行いが悪いんじゃないのか?」

「何だと!?」


 実習で死ぬ思いをしているロジャーと実習が楽しくて仕方がないヘルマンが言い争いを始めてしまった。仕方なく仲裁に入る。


「二人ともやめなさい!!ロジャー、だったら一度ヘルマンたちの実習を視察してみればいいんじゃないの?私も少し興味があるし・・・」

「そうだな。どれだけふざけたことをしているか見てやろう。その視察結果をもって、意見具申したほうがいいだろうからな。ヘルマン、いいな?」


「いいもなにも、勝手に見に来ればいいだろ?」


 ヘルマンは相変わらずマイペースだった。


 ヘルマンの案内で水竜がたちが実習している様子を遠巻きに視察する。

 水竜や実習生が楽しそうに泳いでいる以外は、私たちの実習と大差がないことが分かった。ヘルマンたちは、どうということはないのだろうけど、かなり高速で長時間泳がされている。


「ヘルマン、いつもこれくらい泳いでいるの?」

「いつもはもっと泳いでいるかな?それに週に一度は掃除当番を賭けて長距離レースをしてるから、今日のスピードは遅いほうだよ」


 ロジャーが何かを悟ったように言う。


「分かったぞ・・・重い荷物を持たされて飛ばされる班、高速移動を繰り返させる班、そして長時間高速で泳がされる班・・・この実習はバラバラに見えて、綿密に計画されているようだな」


 ロジャーの言うとおりだ。

 つまり、とにかく私たち実習生に負荷をかけるのが目的なのだろう。


「ヘルマン、悪かった。お前たちも苦労してるんだな?」

「いや・・・楽しんで泳いでいるだけだけど・・・」

「よし、お互い頑張ろう」

「まあ、いいけど・・・」


 若干、会話が噛み合っていないけど、仲直りはしたみたいだ。


 その後、私たちはレポートまとめ、担当のグラース教官に提出した。


「実習の成果が上がっているようだね。それで君たちには新たな実習をしてもらうことにした。内容は・・・」


 新たな実習は、竜種に関係なく3グループに分かれ、自分たちで考えて利益を上げることだった。


「まあ、失敗してもいいから思いっきりやってくれ」


 ロジャーの鼻息が荒くなる。


「よし!!俺たちがトップになってやる。ヘルマン、セリーナ、負けないぞ」


「望むところよ」


「まあ、実習だから仕方がないか・・・やるだけはやるよ」


 こうして私たちは新たな実習に臨むことになった。

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