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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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51 クラーケン

 とうとうこの日がやってきた。

 私はクラーケンの討伐に当たる部隊員の前に立つ。皆がドワーフ特製の装備を身に纏い、精悍な顔つきをしている。


「装備も完璧、訓練も十分!!私たちが負けるはずがありませんわ!!さあ、心を一つに任務を完遂させるのですわ!!出陣!!」

「「「オオオオー」」」


 部隊員から歓声が上がり、竜騎士は自分のドラゴンに乗って空に舞い上がっていく。

 因みに水竜隊は既に現場海域でクラーケンを補足している。彼らが命懸けで作戦海域まで誘導してもらっているのだ。

 訓示を終えた私にお父様とお母様が声を掛けてきた。


「立派になったな・・・カトリーヌ・・・我はここでお前の無事を祈っている」

「貴方、大丈夫よ。私がカトリーヌには指一本触れさせませんわ」


「お父様、お母様ありがとうございます。そろそろ私たちも出発します。行きましょう、お母様。お父様、必ず任務を成功させますわ」


「信じているおるぞ」


 お父様とは任務の関係で、ここでお別れだ。

 私はデミドラに乗り込む。デミドラには既に精鋭のエルフ10名、ドワーフが5名搭乗している。ドワーフ隊の隊長は族長の娘のゴレアだ。


「エルフも魚人族も歌を作ってもらったんだから、ドワーフも活躍して歌を作ってもらわないとね」

「そうですね。期待していますわ」

「任せてよ。これだけ好きに高級素材を使わせてくれたことなんてないからね。装備は最高品質だし、新兵器の調子も上々よ。後はエルフたちが外さなければ何とかなるわ」


 これにはエルフの隊長であるエルデンフリートが答える。


「あれだけ訓練したのだ。外すわけがない。我らはリリ様の地獄の訓練にも耐えきったからな」


 エルデンフリートは現族長だ。前族長のリリ様は、期待を込めて特に厳しく指導をしていた。

 デミドラから念話が届く。


『風竜隊が配置完了したわよ。いつでも大丈夫だって』

『分かったわ』


 私はエルフとドワーフたちと共にデミドラに乗って空に舞い上がった。



 ★★★


 上空でスピラと合流する。


「水竜隊と風竜隊が攻撃合図を待っているわ」

「じゃあ、やるわよ。マライア!!攻撃合図!!」


「了解ですわ!!」


 マライアが光魔法で赤色の光を発した。


『カメールにも念話を送ったわ』

「ありがとう、デミドラ」


 今回、部隊の数が多いので基本的にはマライアとダイアナの光魔法で合図を送ることにしている。

 そして、スピラとマライア、グラース王子には伝令をお願いしている。スピラとマライア、グラース王子がそれぞれの配置に着く。


 しばらくして轟音が響き渡った。

 風竜隊が風魔法で、リリ様に率いられたエルフの別動隊が弓でクラーケンに攻撃を加えている。因みにエルフの別動隊はサンドラ王女が率いるペガサス部隊に乗せてもらっている。

 上空からは確認できないが、報告を聞くかぎり、水竜隊も激しく攻撃を加えているようだ。


 スピラから報告が入る。


「クラーケンの体長は約50メートル、ケルの情報のとおり、触手の攻撃がメインね。それに回復力が異常ね。触手を斬り落としても、すぐに再生するみたいよ」

「ということは、この人数で総攻撃を掛けても、討伐は無理ってことね」

「ええ」

「じゃあ、次の作戦に移行するわよ。スピラ、水竜隊に伝達を!!」

「了解」


 スピラとゲイルは海中に潜る。

 しばらくして、念話で「準備完了」との報告が入った。


「ゴレア、エルデンフリート。準備はいい?」


「OKよ」

「いつでも大丈夫だ」


 デミドラ経由で、水竜隊に合図を送る。

 クラーケンが水中から物凄い勢いで上空に飛び出してきた。これは水竜隊が協力して水流ブレスを放ったからだ。空中に舞い上がったクラーケンは予想以上に大きかった。デミドラが本気の巨大化をしても、ここまで大きくはなれない。


「今よ!!」


 私の指揮でデミドラに設置してある特大の3機のバリスタから巨大な銛が発射される。

 巨大なクラーケンの胴体に3発とも命中した。しかし、銛は刺さったものの、すぐに傷口は修復されていく。

 ケルが言う。


「この回復力は想定通りです。だからこそ、この銛が有効なのですよ」

「そうね。ここからは私たちの出番ね。デミドラ!!」


『任せなさい!!』


 銛には高強度の鎖が取り付けてある。それでどうするかって?


「行くわよ!!デミドラ」

「キュー!!」


 デミドラが咆哮を上げる。気合十分だ。

 ここからデミドラが強引にクラーケンをある場所まで、引っ張っていく。最初は拮抗していたものの、徐々にデミドラが優勢になり、そして馬車くらいのスピードで引っ張れるようになった。


「頑張って、デミドラ!!もう少しよ」

「キュー!!」


 もう少しで予定の海域まで到着するところで、クラーケンが触手で集中的に私たちを狙ってきた。

 そこにお母様が率いる風竜隊が割って入り、触手攻撃を防いでくれる。


「風竜隊!!指一本カトリーヌとデミドラに触れさせるな!!」

「「「了解!!」」」


 お母様たちのお陰で、私とデミドラは引っ張ることに集中できた。

 そして、何とか予定の海域までクラーケンを引っ張ってくることができた。引っ張ってきた海域は浅瀬になっており、付近には無人島が点在している。


 その海域に待ち構えるのは、覆面をした竜騎士とそのパートナーの土竜だ。

 竜王国には土竜隊は存在しない。土竜は基本的に臆病で、あまり人と接触しない。土竜に乗っている竜騎士は少なく、国内でも3人いるかどうからしい。


『流石に疲れたわ。それにしても大丈夫かしら?』

『ジョージ王子は、かなりの手練れと言っていたわよ』

『でも怪しいわね。覆面をしているし、名前も名乗らなかったしね』

『そうね。でも今は作戦に集中しましょう』


 実はこの作戦の成功の鍵は、この竜騎士と土竜に懸かっていると言っても過言ではない。


「クレイ!!やるぞ!!」

「キュー!!」


 土竜が雄叫びを上げた。

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