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公爵令嬢は、超ヘビー級ドラゴンライダー~スーパーデブドラゴンに跨り、力こそパワーで無双します  作者: 楊楊
第三章 隊長編

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47 幕間 王女様の敗北

 ~エリザべート・ドラーゴ視点~


 ナウール王国での監査を終えた私はジョージお兄様と共にお父様の執務室に呼び出された。

 内容は想像がつく。デブリーヌの件だろう。


「エリザべート副校長、どう責任を取るつもりだ?」


 普段のエリザ呼びではなく、役職で呼ばれた。相当、お父様は怒っておられる。


「如何なる処分もお受け致します」

「うむ。それでは査問に入る。なぜ、カリキュラムを変えた?理由を説明せよ」

「そ、それは・・・」


 私はデブリーヌが危険な存在であること、そして彼女を竜騎士にさせないためにカリキュラムを変更したことを正直に話した。嘘をついたとて、すぐにバレると思ったからだ。


「自分がしたことを分かっているのか?カトリーヌ嬢の評価は上がるばかりであるし、副隊長のスピラ嬢の評価も高い。それに落ちこぼれと思われた学生二名が優秀な竜騎士だったのだぞ?」

「返す言葉もありません。私の不徳の致すところです」


 私は無能な王女ということだろう。

 個人的な理由で、優秀な竜騎士が評価されない教育システムを作ってしまったのだから・・・


「エリザ、しっかりと反省しなさい。お前はまだ若い。失敗は取り返せる」

「は、はい・・・」


 急に優しくなった。いつものお父様だ。


「しかし、どうしたものかな・・・」

「父上、エリザがやったことは褒められたことではありませんが、結果としてはよかったのでは?」

「お前が言うように結果としては、これが最良だったのかもしれんな。しかし、カトリーヌ嬢の扱いは難しいな・・・」


 お父様が悩んでおられるのは、デブリーヌの扱いだった。


「このまま竜王国に戻したとして、もめ事の火種を作ることになるしな」

「ええ・・・夫婦喧嘩で国が亡びるかと思いました。ボガード将軍とアンヌ隊長の抗争をきっかけにアンヌ隊長の実家であるウインドミッド家も参戦し、カトリーヌ嬢の部隊の後ろ盾になると言い出したり・・・」

「うむ・・・辺境伯の連中がカトリーヌを担ごうとしたりな・・・」


 それ程、デブリーヌは竜騎士として規格外の存在なのだ。それ故、逆に扱いに困ってしまう。


「あの輸送力と戦闘力は異常です。戦術が根底から覆ります」

「そうだな。エルフを100人乗せて飛べるなど・・・考えられん」

「それでカトリーヌ嬢の扱いはどうされますか?」

「当面はナウール王国での運用とする。ナウール王国では、かなりの収益を上げているからな。こちらも収益の一部をナウール王国から納められるから、今のまま置いておくしかなかろう」


 宰相や財務担当の文官が首を傾げる程、デブリーヌは収益を上げている。これはデブリーヌの能力もあるが、ナウール王国の運用方法がいいのだろう。それを考えたのはグラース王子らしいけど。


「幸い、ナウール王国とは良好な関係が築けそうだ。グラース王子もなかなかの男だ。この際、エリザの婿に・・・」


 それは願ったり叶ったりだ。


「いや、可愛いエリザを他国にはやれんな・・・」

「お父様!!私は国のため、この身を捧げる覚悟はできておりますわ」

「エリザ・・・大きくなったな・・・」


 デブリーヌの両親程ではないが、お父様も過保護だ。特に私には。


「ということでエリザ、何か重大な決断をする場合は事前に相談しなさい」

「は、はい・・・それで私はカトリーヌ嬢と学生二名に謝罪しようと思います」

「それはやめておけ。そんなことをすれば、ボガードとアンヌがまた暴れ出す。それにカトリーヌ嬢はお前に嫌がらせされたことにすら、気づいておらん」


 それはショックだ。デブリーヌにとって、私は眼中にないのだろう。

 私は打ちひしがれた。


「この件はこれで終わりだ。ジョージ、お前からも話があるのだろう?」

「はい。実はクラーケンの討伐を考えております。リバイネの両親の仇でもありますからね」

「大丈夫なのか?」

「はい。私もカトリーヌ嬢の部隊を見て気づかされたのです。水竜隊だけで討伐に当たる必要はないとね」

「そう考えれば、結果的によかったのかもしれんな」


 クラーケンとは超大型のタコのような魔物だ。

 ジョージお兄様が水竜のリバイネと契約した経緯だが、瀕死の状態で浜に打ち上げられていたリバイネを保護したことがきっかけだ。

 リバイネの両親は野生の水竜で、クラーケンとの戦闘でこの世を去った。リバイネにとって、クラーケンは両親の仇なのだ。

 今まで何度も討伐を試みたが、成功はしていない。


「私に考えがあります。それとグラース王子にも助言をもらおうと思っております」

「そうか・・・国軍も最大限出そう」

「ありがとうございます」


 お父様の執務室を出たところで、ジョージお兄様が声を掛けてきた。


「エリザ、あまり気にするなよ。カトリーヌ嬢は別格だ。カトリーヌ嬢と同じ時代に生まれたことが不運だったと思うしかない」

「そうかもしれませんね・・・それはそうと、ジョージお兄様はカトリーヌ嬢に求婚してましたよね?もしかして、あのような体型が好みとか?」

「それはないよ。ただ、僕も王子だ。国に身を捧げる覚悟はできているよ」


 ジョージお兄様は遠い目をしていた。


 私はデブリーヌが嫌いだ。

 あの体型で美少女ムーブはあり得ない。でも国のためには、デブリーヌとの関係を改善しようと思う。

 それが王女の務めだ。

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